1. 更年期は45歳~55歳ごろのことをいう

更年期とは、一般的に女性のライフステージを表す言葉で、閉経(月経が1年間ない状態)の前後10年間を指す言葉である。閉経の時期は個人差があるものの一般的に50歳程度といわれているので、更年期はだいたい45歳~55歳の年齢をいうことになる。
女性の場合は閉経というわかりやすい身体的変化があるが、実は男性も45歳~55歳ごろに更年期を迎えている。男性の場合は、身体的変化が顕著ではないものの、テストステロンという男性ホルモンが減少する。それにより、精神的・身体的なトラブルを抱えることも多いという。また、男性ホルモンは肥満の防止にも役立つため、更年期以降の肥満が珍しくないのは男性ホルモンの減少が一因になっているともいえるだろう。
女性の場合は閉経というわかりやすい身体的変化があるが、実は男性も45歳~55歳ごろに更年期を迎えている。男性の場合は、身体的変化が顕著ではないものの、テストステロンという男性ホルモンが減少する。それにより、精神的・身体的なトラブルを抱えることも多いという。また、男性ホルモンは肥満の防止にも役立つため、更年期以降の肥満が珍しくないのは男性ホルモンの減少が一因になっているともいえるだろう。
2. 男性は40代以降に太りやすくなる?

男性も更年期を迎えるとテストステロンの分泌量が低下すると説明したが、なぜテストステロンが減少すると肥満が起こりやすくなるのだろうか。そのメカニズムについて、テストステロンの主な作用などと一緒にわかりやすく解説しておこう。
テストステロンには肥満の抑制効果がある
テストステロンとは、主に男性の精巣で作られる性ホルモンの一種である。主な働きには生殖機能の調整、筋肉の強化、脂肪の燃焼、認知能力の向上などがある。このうち肥満と関係するのは、筋肉の強化と脂肪の燃焼の2つだ。筋肉が大きくなれば基礎代謝がアップして消費エネルギーが増える。また、脂肪を燃やす作用があるので、肥満の抑制にもつながる。
テストステロンの減少は20代以降に起こり始める
このテストステロンは若いころはたくさん分泌されているのだが、20代をピークに減少が始まるといわれている。そして、40代になるとテストステロンはかなり減少してしまい、性ホルモンの減少に伴う精神的症状や身体的症状などが現れ始めるそうだ。もちろんテストステロンの減少や症状には個人差があるが、肥満になる可能性もあるので注意してほしい。
若いころと同じ食生活を続けると肥満になる
基本的に加齢とともにテストステロンの減少は起こるものなので、40歳を過ぎてからも若いころと同じような食生活や、運動不足な生活だと肥満を起こしやすくなる。また、トレーニングをして筋肉量を増やそうと思っても、テストステロンが減っている状態では筋肉も付きにくい。できれば、更年期を迎える前からダイエットに取り組むことが必要だ。
3. ダイエットのためにテストステロンを増やすには?

テストステロンの分泌量は加齢とともに減ってしまうが、日々の食生活や運動、仕事などに気を付ければ分泌量を増やすことも可能だといわれている。テストステロンを増やすためのポイントはいくつかあるので、それぞれをしっかりと確認して更年期のダイエットに活かしてほしい。
筋力トレーニングをしよう
テストステロンは運動によって増えることがわかっている。おすすめなのが、適度な筋トレや有酸素運動である。激しい運動は一時的にテストステロンの量が増えるのだが、そのあとに急激に減少してしまうので注意が必要だ。また、内臓脂肪はテストステロンを減少させてしまうため、運動により内臓脂肪の量が減ればテストステロンをより増やせるようになる。
食事ではタンパク質を多く摂ろう
野菜を中心とするタンパク質の少ない食事をしていると、テストステロンは減少してしまう。そのため食事では、野菜はしっかりと食べつつも、肉や魚などの良質なタンパク質を摂るようにしたほうがいい。さまざまな食品をバランスよく食べることで、テストステロンの増加をサポートしてくれる。偏った食事はやめて、できるだけバランスよく食事をとろう。
しっかりと睡眠時間を確保しよう
テストステロンは睡眠中に分泌されるホルモンなので、しっかりと睡眠をとるほうがよい。睡眠不足が続いているとテストステロンが減少してしまうので注意が必要だ。また、十分に睡眠をとることができれば、ストレスの軽減にもつながる。逆にストレスがあるとテストステロンの分泌は落ちてしまうので、睡眠をしっかりとってストレスを溜めないようにしよう。
仕事などで競争をしよう
テストステロンは、勝負をするときにも分泌される。たとえば、仕事でノルマを目指して努力する、ゴルフのコンペに参加する、コンテストに出場するなどの勝負事をすればテストステロンは増えるというのだ。仕事でも趣味でも誰かと競い合おうとするときに分泌されるので、ストレスにならない範囲でチャレンジしてみるのもいいだろう。
4. 日常生活で簡単に取り組める筋トレメニュー

更年期のダイエットには、テストステロンが増加する筋トレがいい。しかし、忙しいビジネスパーソンの場合は、なかなかトレーニングのための時間を用意するのが難しいだろう。そのような場合は、通勤時間や勤務中に筋トレをするのがいいだろう。
通勤中にできる筋トレメニュー
通勤中には「ながらトレーニング」がおすすめだ。たとえば、電車のつり革につかまっているときに、つま先を立てて背伸びをしてみよう。少なくとも30秒程度はキープすることで、わずかではあるが下半身の筋力強化につながる。時間を見つけては少しずつトレーニングをしていこう。
職場でできる筋トレメニュー
職場でできる筋トレ法は多いが、一番は姿勢を正しくして座るトレーニングだ。背筋を伸ばした状態をキープするのは、腹筋や背筋を必要とするため意外にツラい運動になっている。こちらも毎日少しずつ鍛えていくものなので、気づいたときには意識的に背筋を伸ばしてお腹周りに力を入れるようにしよう。
結論
男性の更年期には、性ホルモンのテストステロンが減少して肥満になりやすいので注意したい。テストステロンを増やすためには筋トレや食事管理などが有効で、これらを行うことでダイエットにも役立つのでぜひ取り入れてほしい。また、肥満対策は早めに開始したほうがいいので、若いうちから筋トレや食事管理に気を付けるようにしよう。