1. マクロ管理法とは

マクロ管理法とは簡単にいうと、「自分に合ったマクロ栄養素を計算して食事をとるダイエット方法」のことだ。マクロ栄養素はタンパク質・炭水化物・脂質の3つの栄養素のことで、これらを自身の身長や体重、1日の運動量などから導き出した適切量に合わせて摂取していく。
ダイエット中となると、たとえ適量以下であっても、炭水化物や脂質はなるべく控えたいと考える方が多いだろう。しかし、マクロ管理法はあくまでも健康的な身体をつくりながら減量をする方法だ。炭水化物も脂質も、タンパク質と同じぐらい身体にとっては必要不可欠な栄養素であるため、しっかりと摂るように心がけてほしい。
ダイエット中となると、たとえ適量以下であっても、炭水化物や脂質はなるべく控えたいと考える方が多いだろう。しかし、マクロ管理法はあくまでも健康的な身体をつくりながら減量をする方法だ。炭水化物も脂質も、タンパク質と同じぐらい身体にとっては必要不可欠な栄養素であるため、しっかりと摂るように心がけてほしい。
2. マクロ管理法の実践方法

マクロ管理法を実践する際は、まずはじめに自身に最適なマクロ栄養素を導き出しておくことが必要だ。ここでは、身長175cm・体重75kg・40歳のビジネスマンをモデルとして、マクロ管理法の実践方法を解説していこう。
ステップ1.基礎代謝を割り出す
まずは身長・体重・年齢・性別から、自分の基礎代謝(何もしなくても消費されるカロリー)を割り出していこう。計算方法は男女で異なるので間違えないよう注意してほしい。
- 男性...10×体重(kg)+6.25×身長(cm)-5×年齢+5
- 女性...10×体重(kg)+6.25×身長(cm)-5×年齢-161
モデルの場合は10×75(kg)+6.25×175(cm)-5×40+5=1648.75(kcal)となる。
ステップ2.1日に消費されるカロリーを計算する
次に、3段階に分類されている以下のアクティブ度から自分に当てはまるものを選び、1日に消費されるカロリーを計算する。
- アクティブ度(低)...基礎代謝×1.2
- アクティブ度(中)...基礎代謝×1.55
- アクティブ度(高)...基礎代謝×1.725
アクティブ度とは普段の運動量を指す。事務作業がメインであったり、通勤通学で歩いたりする程度であればアクティブ度(低)、外回りで1日中歩く・重労働で動きっぱなしの場合はアクティブ(中)、さらにジムでのトレーニングやスポーツを行っているのであればアクティブ(高)を選んで計算していこう。なお、モデルをアクティブ度(中)で計算した場合、1648.75kcal(基礎代謝)×1.55=約2555.6kcalが1日に消費されるカロリーとなる。
ステップ3.1日の摂取カロリーを計算する
マクロ管理法はダイエットだけではなく、現状維持や筋肉量アップなど、目的に合わせて1日の消費カロリーを変えられるのも魅力的なポイントだ。ただし、目的によって計算方法が異なるので注意してほしい。1日の摂取カロリーの計算方法は以下の通りだ。
- 減量・ダイエット目的の場合...1日の消費カロリー×0.8
- 体重や体型を維持したい場合...1日の消費カロリー×1
- 増量・筋肉量を増やしたい場合...1日の消費カロリー×1.2
先ほどのモデルの目的がダイエットだった場合は、2555.6kcal×0.8=約2044.5kcalが1日に摂取すべきカロリーということになる。
ステップ4.各マクロ栄養素の摂取量を導き出す
1日に摂取すべきカロリーが決まったら、最後にタンパク質・脂質・炭水化物の摂取量を導き出していこう。計算方法はそれぞれ違うので、以下の解説を参考にしてほしい。
タンパク質
炭水化物の適切な摂取量は、体重の数値(kgは関係ない)の2倍だ。モデルの場合だと75×2=150、つまり毎日150gのタンパク質を摂る必要がある。タンパク質は1gあたり4kcalなので、カロリー換算すると、150×4=600kcalとなる。
脂質
脂質の摂取量は、まず1日の摂取カロリーから脂質分の摂取カロリーを求め、それから脂質の摂取量を計算する。モデルを例に挙げると、1日に摂取する脂質のカロリーは2044.5kcal×0.25=約511kcalとなる。脂質は1gあたり9kcalなので、511kcal(カロリー換算した脂質の摂取量)÷9=約57g、つまりこれが1日に必要な脂質の量となるわけだ。
炭水化物
最後に、1日の摂取カロリーからタンパク質と脂質の摂取量を引くと、炭水化物の摂取量を求めることができる。モデルの場合は2044.5kcal(1日の摂取カロリー)-600kcal(タンパク質)-511kcal(脂質)=933.5kcalだ。炭水化物は1gあたり4kcalであるため、933.5÷4=1日約233gの炭水化物を摂取してもいいことになる。
ステップ5.マクロ栄養素に従った食事をする
各マクロ栄養素の摂取量が分かったら、あとはそれに従ってマクロ管理法を実践していこう。食材のマクロ栄養素は、商品パッケージの裏面に記載されている成分表示を見たり、アプリを活用したりするのがおすすめだ。多少の誤差があっても問題ないので、とにかく続けることを意識して取り組んでほしい。
3. マクロ管理法のダイエット効果やメリットは?

マクロ管理法の最大の強みは、何といっても無理な食事制限を行わなくてもいいことだ。○○だけダイエットや糖質制限といったように、食べられるものが制限されていると、モチベーションが下がりやすく、なかなかダイエットが続かない。しかし、マクロ管理法ならタンパク質・脂質・炭水化物のバランスさえ守れば、ラーメンやスイーツなどを口にしながら減量することができるのだ。
また、筋トレなどの運動を行っている方は、マクロ管理法を上手く取り入れることで、理想的なボディラインが作りやすくなる。筋肉を燃焼せずに体脂肪を落としてくれるので、リバウンド予防にも効果的といえるだろう。
また、筋トレなどの運動を行っている方は、マクロ管理法を上手く取り入れることで、理想的なボディラインが作りやすくなる。筋肉を燃焼せずに体脂肪を落としてくれるので、リバウンド予防にも効果的といえるだろう。
4. マクロ管理法をする上での注意点

マクロ栄養素の中には、タンパク質・脂質・炭水化物の摂取量しか含まれていない。そのため、マクロ管理法を実践する際は、マクロ栄養素以外の栄養素を摂り忘れないように意識することが必要だ。とくに活力の元となるビタミンや、マクロ栄養素の代謝をサポートするミネラルなどは積極的に摂取してほしい。そのほか、鉄分やカルシウムなどの栄養素もしっかり補うように意識していこう。
結論
マクロ管理法は、毎日タンパク質・脂質・炭水化物の摂取量をチェックする必要があるため、慣れないうちは面倒に感じる時が多いかもしれない。しかし、各食材のマクロ栄養素や献立などを記録して、自身のマクロバランスに合った食事内容さえ覚えてしまえば、あとは楽々と減量や筋肉量アップに励むことができる。しっかりと栄養が摂れて、身体にも負担がかからないので、今まで食事制限付きダイエットで挫折してきた方はぜひ試してみてほしい。