1. ケガを防止するためにウォーキングの前には準備運動をする

ウォーキングはジョギングなどに比べると身体への負担が少ない運動であるため、ケガをするリスクは低い。しかし、準備運動をせずに身体を動かそうとすれば、思わぬケガにつながる恐れはある。ケガを防止するためにも、以下の部位を中心に準備運動をしておくとよい。
準備運動その1...ふくらはぎ
直立した状態から片方の足を後ろに引く。ふくらはぎやアキレス腱を伸ばすことを意識して、前に出ている足に重心を乗せるようにする。このとき、後ろに引いた足のかかとが床から離れないようにすることがポイントだ。十分に伸ばしたら、反対の足も伸ばしておく。
準備運動その2...太もも
太ももの前面を伸ばすために、直立の状態から片方の足のかかとを尻に近づけるように持ち上げる。足の甲を持って、ふくらはぎが太ももの裏側につくようにするとよく伸びる。
また、前面を十分に伸ばしたら、今度は太ももの裏面を伸ばそう。直立の状態から片方の足を前に出して、前に出した足の膝に両手を置く。そのまま尻を後ろのほうに引くようにすると、太ももの裏側を伸ばすことができる。前方の足のつま先は立てるようにするとよい。
また、前面を十分に伸ばしたら、今度は太ももの裏面を伸ばそう。直立の状態から片方の足を前に出して、前に出した足の膝に両手を置く。そのまま尻を後ろのほうに引くようにすると、太ももの裏側を伸ばすことができる。前方の足のつま先は立てるようにするとよい。
準備運動その3...肩
直立した状態から両腕を前に突き出す。腕をクロスさせるようなイメージで、片方の腕をもう一方の肩のほうに移動させる。前に突き出したままの腕で、肩に移動させた腕を抱え込むようにする。そのまま抱え込んだ腕を引くようにして、肩を伸ばすようにする。
準備運動その4...二の腕
直立した状態から両腕を上にあげる。片方の腕をもう片方の肩(肩甲骨)のほうへ移動させる。その腕の位置を固定させるために、もう片方の手で曲げている腕の肘をつかむようにする。曲げている腕の二の腕をよく伸ばすために、曲げている腕を外側へ動かすようにする。
2. 長く健康的に続けるための正しいウォーキングのやり方

ウォーキングによる健康効果を享受するには、正しいやり方でウォーキングに取り組む必要がある。以下は姿勢、歩き方、腕のふり方、歩幅などの細かい注意点ではあるが意識してほしい。
姿勢は「猫背にならないよう、遠くのほうを見る」
ウォーキングをするときは軽くあごを引いて、遠くを見るようなイメージで前方を向くようにするとよい。また、身体のブレをできる限り少なくするように心がけて、頭を動かさないように意識することで安定した姿勢を維持できるようになる。
歩き方は「地面をけるようにして、膝は伸ばしたままにする」
足を地面から離すときは、つま先で地面を蹴るようにするとよい。そして、蹴り上げた足はまっすぐ膝を伸ばしたまま前方に出すようにする。そのまま足を下ろすことで、かかとからの着地が可能になる。これがウォーキングの基本的な歩き方となるので覚えておくとよい。
歩幅は「普段の歩行よりも広くとるように意識する」
効率よくウォーキングによる運動効果を得るには、歩幅を広くするとよいといわれている。先述した「正しい歩き方」を意識するだけでも、普段より歩幅は広くなる。それに加えてウォーキング中の腰の回転を意識すると、無理なく歩幅を広げることが可能だ。
腕の振り方は「肘を軽く曲げて大きくふるようにする」
肩の力は抜いた状態にして、肘は軽く曲げるようにしておく。そして歩くときにはリラックスした状態のまま、腕を大きくふるように心がけるとよい。腕を大きくふることで疲れにくくなり、歩幅も大きくなる。足元に注意を向けるだけでなく、腕のふり方にも注意しよう。
呼吸は「吐き出すことを意識しつつ自分のリズムを保つ」
ウォーキングのときは息をたくさん吸うことよりも、ゆっくりと時間をかけて吐き出すようにする。具体的には息を吸っているのが2歩分なら、吐き出すのは4歩分にするといったイメージだ。ただし、呼吸のペースは自分に合うものにすることが肝心である。
3. ウォーキングを継続するための2つのポイント

ウォーキングは簡単に取り組めるからこそ、途中で断念してしまうことも珍しくない。それではウォーキングを継続するにはどうしたらいいだろうか。そのポイントについて説明しておこう。
ポイント1...目標を立てるようにする
ウォーキングを継続したいなら、これから取り組むウォーキングの先に目標を立てるのがよい。たとえば、ウォーキングで日本を一周する、ウォーキングのイベントに参加するなどがある。「健康のため」だけだと、どうしてもウォーキングが苦痛になってしまう。ウォーキングが楽しいものになるよう、何か目標を立ててみるのがおすすめだ。
ポイント2...取り組んだことを記録する
実際に取り組んだウォーキングの歩数、時間、距離などの記録を残しておくのもよい。記録の仕方はさまざまあるが、たとえば、ノートやメモ帳にまとめて置く方法や、万歩計などを使う方法がある。自分が頑張った記録を残しておくことで、ウォーキングに対するモチベーションのアップにつながる。
結論
ウォーキングは「歩く運動」ではあるが、単に歩けばよいというものではない。日常生活で歩くのとは異なり、姿勢、歩き方、歩幅、呼吸などのやり方に注意をする必要がある。慣れるまでは毎日、正しいウォーキングのやり方を確認してからウォーキングに取り組むとよいだろう。