目次
1. ミョウバン水の「ミョウバン」とは?

ミョウバン水は文字通り「ミョウバン」を溶かした水のことだが、そのミョウバンとは何なのだろうか?
ミョウバン水の「ミョウバン」とは?
ミョウバンとは一般的に「硫酸カリウムアルミニウム」を指すことが多い。食品添加物のひとつで、普段はナスの漬物を作る際に変色を防ぐためや、煮物のアク取り、あるいは煮崩れ防止など料理に使われるほか、ニキビ予防などスキンケアに使われることもある。無色または白色をした結晶や粉末のもので、においはない。
焼きミョウバンと生ミョウバンの違いは?
分かりやすくいえば、結晶状のものが生ミョウバンで、その生ミョウバンを加熱して乾燥させ、砕いた粉末状のものが焼きミョウバンだ。ただしミョウバンには吸湿性があるため、焼きミョウバンを空気に触れさせておくとやがて生ミョウバンに戻る。
ミョウバンはどこで手に入る?
スーパーやホームセンター、ドラッグストアやネット通販など入手方法はさまざまだ。スーパーなら漬物コーナー、ドラッグストアなら洗剤コーナーなどにあることが多い。
2. ミョウバン水の効果とは

では、そんなミョウバンを溶かした「ミョウバン水」にはどういった効果があるのだろうか?代表的な3つの効果を紹介しよう。
消臭効果
ミョウバン水は「弱酸性」の液体であるため、反対の性質を持つ「アルカリ性」のにおい成分に対して中和・消臭する効果がある。たとえば汗のにおいのひとつ、アンモニア臭はアルカリ性のため、汗のにおいが気になるという方にはミョウバン水が効果的というわけだ。
殺菌効果や、雑菌の繁殖を抑える効果
クエン酸に殺菌効果があることからも分かるように、同じ酸性であるミョウバン水にも殺菌効果がある。弱酸性のためクエン酸ほど強力ではないので、ニキビ予防(アクネ菌の抑制)といった目的で使うこともできる。またミョウバン水に含まれる金属イオンにより、雑菌の繁殖を抑える効果もある。カーテンや布団など、なかなか洗えない布製品の消臭や雑菌の抑制などにもピッタリだ。
制汗効果も期待できる
ミョウバン水には、こうした作用のほか収れん作用もある。収れん作用とは簡単にいえば「引き締め効果」だ。たとえば入浴後や洗顔後に使用することで、肌や汗腺を引き締めることができる。それにより制汗効果が期待できるほか、肌の状態がよくなることで、皮膚に汚れなどが溜まりにくくなる効果、体臭を和らげるといった効果も期待できるとされている。
3. ミョウバン水の作り方と保管方法

ミョウバン水の作り方は非常に簡単である。用意するものと作り方、作ったあとのミョウバン水の保管方法などを解説する。
用意するもの
- 焼きミョウバン:50g(生ミョウバンの場合は75g)
- 水:1.5リットル
- 容器:2リットルのペットボトル
焼きミョウバンにも種類があるが、基本的にはどれを使っても同じような消臭効果や殺菌効果が期待できると思ってよい。水は水道水でも問題ないが、スキンケアなど身体に使うならミネラルウォーターのほうがよいかもしれない。また少量だけ作りたいときは、ペットボトルのサイズや分量などを適宜調整してほしい。
ミョウバン水の作り方
- ペットボトルに水1.5リットルと焼きミョウバン50gを入れる
- 数回振って焼きミョウバンを少し溶かす
- キャップを閉めて、冷暗所に1~3日置いておく
- 液体が透明もしくは少し濁った状態になったら完成
最初に数回振ったとき、完全に溶けなくても構わない。ミョウバンはなかなか溶けないからだ。その溶けにくさゆえ1〜3日待たないといけないところがネックだが、それ以外はなんら難しいものではない。ただし、誤って子どもやほかの家族が飲んでしまうことがないようにだけ注意しよう。
ミョウバン水の保管方法と使用期限
ミョウバン水は基本的に常温保管が可能だ。水道水で作ったミョウバン水であれば、1カ月程度を目安に使い切ろう(塩素が含まれていないミネラルウォーターは、これよりも早く使い切る)。また身体に使う場合は、長くても1週間以内で使い切ることが望ましい。
なおミョウバンは温度(気温)によって溶け具合が変わることがある。冬場は、完全に溶けきっていない「飽和水溶液」の状態であることが多い。その場合は無理に溶かす必要はないので、上澄みだけを使うようにしよう。
なおミョウバンは温度(気温)によって溶け具合が変わることがある。冬場は、完全に溶けきっていない「飽和水溶液」の状態であることが多い。その場合は無理に溶かす必要はないので、上澄みだけを使うようにしよう。
4. ミョウバン水を両脇や足などの消臭に使う方法

ミョウバン水の具体的な使い方を紹介していこう。まずは、両脇や足などに使う方法からだ。
脇の下や足のにおいが気になるときの使い方
10倍に薄めたミョウバン水を染み込ませたタオルやおしぼりを用意し、汗をかいたら脇や足を拭けばにおいを抑えることができる。洗い流す必要などはない。汗をかきそうな日は、チャック付きの保存袋などに入れて持ち歩けば便利だ。
身体に使う際は赤みやかゆみが出ないか確認を
身体に使う場合、念のため少しだけ二の腕などにつけておき、赤みやかゆみが出ないか調べておいたほうがよい。ミョウバン水は子どもにも使用でき、全身にも使える安全性が高いものではあるが、体質によって合わないこともあるという。思いっきり使ったあとで炎症が出てしまうと大変なので、事前に問題ないか確認しておこう。
5. ミョウバン水を洗濯物や布団などの消臭に使う方法

お次は、洗濯物や布団、枕カバーなどのにおいが気になるときの使い方だ。
洗濯物や布団、枕カバーなどに使う方法
同じく10倍に薄めたミョウバン水を、スプレー容器に移し替えて使おう。洗濯が終わって干してある衣類に吹きかけたり、布団や枕カバー、カーテンなどにそのままスプレーしたりすれば、消臭効果が得られる。
靴下のにおい消しにもミョウバン水が効果的
靴下など小物のにおいが気になるときは、5倍に薄めたミョウバン水を使おう。先に靴下などを洗濯してから、洗面器や風呂桶にためておいたミョウバン水に浸す。そのあと、しっかりと絞ってから干せば嫌なにおいを抑えることができる。タバコや焼き肉などのにおいが染み付いた衣類も、同様の方法で消臭できるので試してみてほしい。
6. ミョウバン水を掃除に使う方法もある

もうひとつ、ミョウバン水を掃除に使う方法も紹介しておこう。
風呂場やトイレの汚れ、鍋の焦げ付きなどに使う方法
やはり10倍に薄めたミョウバン水が役に立つ。汚れを落としたい場合は、その場所にミョウバン水をスプレーしてしばらく放置し、スポンジやタオルなどで拭き取ろう。鍋の焦げ付きが気になるときは、ミョウバン水を入れた状態で一度軽く鍋を沸騰させる。そのあと普段通りに洗剤で洗えば、鍋の焦げ付きをキレイに落とすことができる。
7. 消臭や殺菌などに効果的なミョウバン水、まずは1本作ってみては?

お伝えしてきたように、ミョウバン水は消臭や殺菌、制汗にとどまらず掃除にも応用できるという便利なアイテムだ。食品添加物やスキンケアアイテムにも使われるなど、人体にとっても安全なものではあるが、念のため身体に使うときは赤みやかゆみが出ないか確認してほしい。作り方も簡単なミョウバン水、ぜひご家庭で1本作ってみてはいかがだろうか?
結論
ミョウバン水には消臭効果、殺菌効果、制汗効果などが期待できるため、身嗜みや部屋の掃除などさまざまな用途がある。ミョウバン自体100円前後と手頃な価格で入手できるし、ほかに必要な材料も水とペットボトルだけなどとにかく簡単で便利だ。1本あればいろいろなシーンで役立つので、ぜひ作っておくとよいだろう。