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サッカーボールを蹴ろうとしているところの写真

アジリティトレーニングとは?スポーツにおける重要性や効果的なメニューも紹介

投稿者:オリーブオイルをひとまわし編集部

鉛筆アイコン 2022年7月28日

本稿では「アジリティトレーニング」の基礎を解説するとともに、簡単にできるおすすめメニューも紹介する。スポーツにおけるアジリティの重要性、サッカーをしている子どもにも必要かどうかといった疑問、さらにその子どもが遊びながら楽しめるアジリティトレーニングなども紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。

  

1. アジリティトレーニングとは何か?単なる「足の速さ」だけではない!

勢いよくダッシュする男性の写真
「アジリティトレーニング」とは具体的にどのようなトレーニングのことを指すのだろうか。シンプルに「足の速さ」と認識している方も多いかもしれない。たしかに足の速さも無関係ではないが、ニュアンスが異なる。

敏捷性を高めることを目的としたトレーニングのこと

敏捷性を高める目的で取り組むのがアジリティトレーニングである。敏捷性とはある刺激に対して速やかに反応(走る、止まる等)する、方向転換や身体の位置転換をすばやくおこなうといった能力である。単純に「速く走る」という意味ではないためきちんと理解しておこう。
このアジリティトレーニングは大きく「計画性アジリティトレーニング(Planned Agility/Non-Reactive Agility)」と「反応性アジリティトレーニング(Reactive Agility)」に分類される。トレーニング内容の違いは次の通りだ。

【計画性アジリティトレーニング】

あらかじめ決められたルートを進んだり、あらかじめ予測できることに反応したりするトレーニングである。たとえばラダードリルやコーンドリルなどのトレーニングメニューが有名だ。「素早く身体を動かす能力を身につける」という、アジリティトレーニングの中でもっとも基本となるものである。

【反応性アジリティトレーニング】

何が起こるか分からない状態から、いち早く状況を理解して反応する力を養うトレーニングだ。アジリティを向上させるには、視覚情報や聴覚情報を使った状況理解能力も重要な要素となる。反応性アジリティトレーニングを積むことで、スポーツの目まぐるしい展開を即座に理解し、素早く身体を動かす能力を身につけることができる。

2. スポーツ競技におけるアジリティトレーニングの重要性とは?

バスケットボールをする男性の写真
アジリティとは敏捷性のことであり、一般的には身体をコントロールするのに必要な能力のことを指す。おそらく「アジリティ」や「アジリティトレーニング」について深く知りたいと思っている方はスポーツをされているケースがほとんどではないだろうか?では、スポーツにおけるアジリティトレーニングの重要性を考えてみよう。

スポーツにおけるアジリティ(敏捷性)

一瞬で目まぐるしく状況が変化するスポーツでは、その場の状況を的確に見極める認知能力、身体を動かすためのバランス能力および筋力、方向転換能力やコーディネーション能力などが必要になる。これらが十分に足りていないと、その場に合った対応を取ることが難しくなる。

サッカーやバスケットボールなどでアジリティが求められる

とくにアジリティが必要になるスポーツ競技として、サッカーやバスケットボールが挙げられる。短距離走や長距離走といった一定のルートを走る競技と異なり、サッカーやバスケットボールでは「相手をかわす」「パスをする」「ボールの動きに即座に反応する」といった必要がある。勝利のためにはその場の状況を即座に判断し、適切な行動をとるための能力が不可欠だ。

アジリティに加えて「正確性」も重要

ただ速やかに反応できるだけでは十分とはいえない。そこに「正確性」が加わって初めて優れた選手となるからだ。いくらドリブルが上手であってもシュートが枠に入らなければ、ストライカーとは呼ばれないだろう。反復横跳びが素早くできても、線をきちんと跨ぐ正確性がなければ「雑」となってしまうかもしれない。速さだけを求めるのではなく、正確性という点に目を向けることも重要だ。

3. アジリティトレーニングはサッカーをしている子どもにも必要?

サッカーをしている子どもの足元とボールの写真
子どもがサッカーを習っているというご家庭も多いだろう。小さいうちからアジリティトレーニングを積んだほうがよいのだろうか?

子どもにこそアジリティトレーニングがおすすめ

「子どもの頃はとにかく楽しくサッカーに取り組んでくれればいい」という考え方ももちろん大賛成である。だが小学校低学年〜高学年といった年代は、運動神経などの「神経系」が大きく発達することからゴールデンエイジとも呼ばれている。実に、能力の90%が完成するともいわれている。
したがってこの時期にアジリティトレーニングに取り組むことは、その後に大きな影響を与える可能性がある。もちろん、無理やり取り入れる必要はないが、遊びながらでもアジリティトレーニングは可能だ。

4. アジリティトレーニング3選!子どもが遊びながらできるメニューも紹介

屋内でラダートレーニングをする男性の写真
さて、アジリティトレーニングには「計画性」と「反応性」があるとお伝えした。そのうち、本稿ではもっとも基本となる計画性アジリティトレーニングについて、おすすめのメニューを紹介しよう。まずは素早く身体を動かすことに慣れることが大切だ。あわせて、子どもが遊びながらできるアジリティトレーニングも紹介する。

二点間ドリル

  • コーンを手前と奥の2箇所に「I字」をイメージして設置する
  • I字の「下部のコーン」に立って10m先(I字の先端)にあるコーンまでダッシュ
  • 「先端のコーン」を超えたらその場で停止
  • 「下部のコーン」に向かってバックラン
2箇所に置いたコーンを目印に前と後ろに素早くかつ正確に移動するトレーニングだ。素早く加減速を繰り返す必要があるため、アジリティの基本的な要素を高めることができる。2つのコーンの距離は10mほどが目安だ。

Tドリル

  • コーンを「T字」になるよう4箇所に設置する
  • T字の「下部」に立ち10m先の交差点(Tの頭頂部)にあるコーンまでダッシュ
  • 「交差点のコーン」に着いたら、5m先の「右のコーン」までサイドステップ
  • 「右のコーン」に着いたら、10m先の「左のコーン」までサイドステップ
  • 「左のコーン」に着いたら、5m先の「交差点」までサイドステップ
  • 「交差点コーン」に着いたら、10m後方までバックラン
コーンを置く場所は、T字の下部、縦線と横線の交差点、横線の左右両端の計4箇所だ。これらを目印に前方、左右、後方に移動するアジリティトレーニングである。加減速、方向転換、後ろ向き走などアジリティ能力を高めるのに必要な要素が詰まったトレーニングなのでぜひ実践してほしい。

ラダードリル(ケンケンパ)

  • ラダーを地面に置く
  • 1つめの枠の中に右足だけをつく
  • 2つめの枠にも右足だけをつく
  • 3つめの枠の外側に両足をつく
  • 4つめの枠に左足だけをつく
  • 5つめの枠も左足だけをつく
  • 6つめの枠の外側に両足をつく
はしごのような見た目をした「ラダー」を置き、一定のステップで足を動かすトレーニングである。足の動かし方には上述した「ケンケンパ」のほか「両足ジャンプ」などもある。足の動かし方をしっかりイメージしてからトレーニングに入ろう。

子どもが遊びながら楽しめるアジリティトレーニング3選

  • 鬼ごっこ
  • 8の字ドリブル
  • ラダードリル
鬼ごっこだけでも十分、アジリティトレーニングになる。素早い方向転換やダッシュ、停止などが求められるためだ。小学校低学年であれば、ここから始めてみてはいかがだろうか?
サッカーと組み合わせたいという場合は8の字ドリブルがおすすめである。コーンを複数並べてジグザグでもよいし、2つ置いて文字通り8の字でもよい。コーンの間隔を狭めればそれだけトレーニング要素が高まるが、最初は個々の能力に応じた間隔から始めてあげよう。

5. アジリティトレーニングに取り組む際に心がけたいこと

屋外でラダートレーニングをする子どものイメージ写真
最後に、アジリティトレーニングを始めるにあたって押さえておきたいポイントをお伝えする。

計画性アジリティトレーニングから始める

スポーツをする上でアジリティを高めたいと思うのであれば「計画性アジリティトレーニング」から始めることだ。身体を素早く動かせるようになったのち、コーチやトレーナーの下で「反応性アジリティトレーニング」をおこなおう。

目的意識を明確にする

トレーニングであるため、単に身体を動かすのではなく「素早く」動かすことを意識する。加速や減速、方向転換などの動きに意味を持たせてトレーニングに励もう。「次の身体の動き」「今、この瞬間の身体の動き」に対し、明確なイメージを持つことも重要だ。

子どもに教える際は「正しいフォーム」をなによりも重視する

トレーニングばかりを重視してフォームがおろそかになってしまわないように注意しよう。走るフォーム、ドリブルのフォームなどが安定していないとケガをしたり、負荷がかかったり、姿勢が悪くなったりするおそれがある。まずは正しいフォームを身につけることを重視してほしい。

結論

アジリティトレーニングの目的は、ただ単に速く走ることだけではなく、方向転換や加減速など「身体を素早く動かす能力」を高めることにある。二点間ドリル、Tドリル、ラダードリルのほかスクエアドリル、ミラードリル、スタードリルなどメニューは豊富だ。多彩なトレーニングを実践し、どのケースでもスムーズに動けるようになることを目標としよう。
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  • 公開日:

    2020年7月26日

  • 更新日:

    2022年7月28日

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