目次
1. インクラインダンベルプレスはどんな筋トレか?

まずはインクラインダンベルプレスについて簡単に解説しよう。
斜めの状態でおこなうダンベルプレス
インクラインダンベルプレスとは、傾いた状態のベンチに座っておこなうダンベルプレスである。そもそもインクラインとは傾斜面でモノを運ぶ装置のことだが、このトレーニングでも同じように斜めの状態でおこなう。ちなみに頭が高くなっている状態をインクラインと呼び、低くなっている状態をデクラインという。
またインクラインダンベルプレスでは、名前のとおり「ダンベル」を使う。これと似たものにインクラインベンチプレスがあるが、こちらは「バーベル」を使う。いずれも大胸筋の上部を鍛えることができ、数ある筋トレの中でも人気が高い。厚い胸板を手に入れたい方はぜひ、インクラインダンベルプレスなどに挑戦するとよいだろう。
またインクラインダンベルプレスでは、名前のとおり「ダンベル」を使う。これと似たものにインクラインベンチプレスがあるが、こちらは「バーベル」を使う。いずれも大胸筋の上部を鍛えることができ、数ある筋トレの中でも人気が高い。厚い胸板を手に入れたい方はぜひ、インクラインダンベルプレスなどに挑戦するとよいだろう。
2. インクラインダンベルプレスで鍛えることができる筋肉

インクラインダンベルプレスで主に鍛えることができるのは大胸筋上部である。またメインではないものの、三角筋前部と上腕三頭筋も鍛えることができる。これらの位置や鍛えることのメリットなどについて理解しておこう。
大胸筋上部
大胸筋は上部・中部・下部の3つに分類できる。このうちインクラインダンベルプレスで鍛えられるのは、ダンベルを押し出す際に強い負荷がかかる大胸筋上部だ。中部や下部ばかり鍛えていると垂れ下がったような大胸筋になるため、厚みのある胸板を作りたければ大胸筋上部を鍛えることが大切である。
三角筋前部
三角筋は前部・中部・後部の3つで構成されている。インクラインダンベルプレスでは三角筋前部を鍛えることが可能だ。丸みのあるガッチリとした肩を作りたいなら三角筋中部を鍛えるべきだが、前からの見た目をよくしたいなら三角筋前部を鍛えるとよい。地味な筋肉ではあるが、鍛えることで力強い肩を作ることができる。
上腕三頭筋
インクラインダンベルプレスでは、二の腕にある上腕三頭筋を鍛えることもできる。いわゆる力こぶである上腕二頭筋を鍛える方は多いが、目立たない上腕三頭筋はトレーニング不足になりがちである。だが上腕三頭筋を鍛えれば太くて力強い腕を手に入れることができる。大胸筋を鍛えながら、効率よく腕周りの筋肉も鍛えられるのがインクラインダンベルプレスの特徴だ。
3. インクラインダンベルプレスで得られる効果

インクラインダンベルプレスで大胸筋を始めとする上半身の筋肉を鍛えることで、次のような効果が期待できる。
男らしくたくましい胸板が手に入る
なんといっても分厚く男らしい胸板を手に入れることができるというのが、インクラインダンベルプレスにもっとも期待できる効果だろう。立体的な胸は男の憧れでもある。ベンチプレスとあわせておこなうことで、よりバランスのよい胸板を手にすることができる。
筋肉量の増加による基礎代謝のアップが望める
大胸筋は三角筋に次いで大きな筋肉群である。インクラインダンベルプレスで鍛えることで筋肉量の大幅な増加が見込める。筋肉量の増加は基礎代謝のアップにつながるため、太りにくい体質を作ることにも寄与する。
4. インクラインダンベルプレスの正しいやり方

インクラインダンベルプレスはダンベルを使うため、負荷が強く肩周辺への負担が大きい。正しいフォームを意識しないと肩周辺のケガにつながってしまうので注意しよう。正しいやり方は以下の通りだ。
1.インクラインダンベルプレスの基本姿勢を取る
インクラインベンチの角度は30~45度にしておく。これ以上角度をつけると肩の筋肉が鍛えられてしまうので注意しよう。ベンチに仰向けの状態で深く腰かけ、床にしっかり両足をつけておく。両手にダンベルを持ち、胸の横に広げた状態で構えておこう。このときに前腕(手首から肘の部分)が床と垂直になるように意識するとよい。
2.ダンベルをゆっくりと真上に押し上げる
前腕部が床と垂直であることを意識しながら、ゆっくりとダンベルを真上に持ち上げる。このとき左右のダンベルの端と端がくっつくくらいまで引き寄せる。目の前で三角形を作るようなイメージだ。また腕を完全に真上に伸ばしたら、肩甲骨を引き寄せるようにする。この動きで大胸筋を効率よく刺激することができる。
3.腕を完全に伸ばしきってからゆっくり下ろす
天井方向にしっかり腕を伸ばしたら、胸の両脇にゆっくりダンベルを戻す。この際も前腕部と床が垂直になっていることを意識するのがポイントだ。またダンベルを下ろしたときは胸をしっかり張っておくことも忘れないようにしよう。
回数とセット数は?
8〜12回を1セットとし、3セットを目標に取り組もう。
5. インクラインダンベルプレスで使うダンベルの重さ

インクラインダンベルプレスをおこなう際に悩むのが、ダンベルの重さだろう。ダンベルは軽すぎると筋トレ効果が低くなってしまうが、重ければケガをするリスクも高くなる。そのため自分の筋肉量や経験に合った重さを使うことが重要だ。
初心者の場合は5〜10kgあたりから始めるのがおすすめ
初心者の場合、一般的にダンベルの重さは体重の半分程度までといわれている。体重が60kgなら片方15kg(合計30kg)までということだ。だがこれはあくまで上限なので、ダンベルを繰り返し上下させるインクラインダンベルプレスではもう少し軽いものでよい。まずは5~10kgから始めてみて、少しずつ重さを調整していくようにしよう。
6. インクラインダンベルプレスの効果を正しく得るためのコツ

最後に、インクラインダンベルプレスの効果を正しく得るためのコツをいくつかお伝えしておこう。
お尻を浮かせすぎない
背中の部分が弧を描くような姿勢になるが、このときお尻を浮かせすぎないように気をつけよう。インクラインの角度が浅くなると、大胸筋上部ではなく中部に強い刺激が加わってしまうため、狙った部位を鍛えられないことがあるためだ。
ベンチの角度に注意する
お伝えしたように、ベンチの角度は30〜45度程度にすることが大切だ。これよりも角度がついてしまうと肩に負荷がかかってしまうため注意しよう。
肩甲骨を寄せる
肩甲骨をグッと寄せることで、ダンベルを下ろしたときに胸がしっかり収縮する。この収縮が刺激となり筋肉の発達につながる。常に肩甲骨が寄っていることを意識しながらプレスしよう。
真っ直ぐ天井方向に上げる
斜めになってしまうと狙った部位に負荷をかけられないため、前腕部と床が垂直であることを意識しながら、天井に向かってまっすぐ上げるようにしよう。
反動は利用しない
どの筋トレにもいえることだが、反動や勢いを付けてしまうと正しく負荷がかけられない。一つひとつの動作をゆっくりおこなうことで、しっかり刺激を与えてあげよう。
7. インクラインダンベルプレスで理想の胸板を手に入れよう

インクラインダンベルプレスは効率よく大胸筋を鍛え上げることができる筋トレメニューだ。腕立て伏せなどを継続している方で、かつ大胸筋を鍛えたいという方は、ぜひインクラインダンベルプレスに取り組んでみよう。頭の上にダンベルを持ち上げるため、初心者の方はもちろん、くれぐれも「無理」だけはしないように気をつけてほしい。
結論
インクラインダンベルプレスは大胸筋上部を鍛えるのに向いている。ダンベルやインクラインベンチなどを用意する手間はあるものの、一度準備すればご家庭でも簡単に大胸筋上部を鍛えることができる。見栄えのよい大胸筋を早く作りたい方はぜひチャレンジしてみよう。