目次
1. 肩甲骨とは

肩甲骨は背中の上部に位置する逆三角形の大きな骨のことだ。鎖骨のみで胴体と繋がっているため、骨だけで見ると非常に不安定な状態だが、実際は僧帽筋や菱形筋などの筋肉によってしっかりと支えられている。しかし、何らかの原因で肩甲骨を支える筋肉が硬くなってしまうと、肩甲骨の動きも悪くなり、さまざまなトラブルが起こりやすくなる。
肩甲骨の悪化によって起こるトラブル
肩甲骨の悪化によって起こるトラブルで最も多いのが肩こりだ。デスクワークやパソコン作業などで同じ姿勢が続くと、肩甲骨周辺の筋肉がこり固まって血流が悪化するため、肩こりが起こりやすくなる。また、肩甲骨を支える筋肉の一部は肋骨や骨盤などとも繋がっていることから、腰痛や背中の痛みを引き起こすこともある。
肩こりの次に多いトラブルが、肩甲骨の悪化によって猫背になってしまうことだ。同じ姿勢が続くと、肩甲骨が背中にへばりついた状態になってしまい、姿勢が悪くなりやすい。猫背になると、腹筋が弱くなってお腹に脂肪が付きやすくなったり、肩甲骨を支える筋肉が下に引っ張られて顔がたるんだりしやすくなってしまう。
肩こりの次に多いトラブルが、肩甲骨の悪化によって猫背になってしまうことだ。同じ姿勢が続くと、肩甲骨が背中にへばりついた状態になってしまい、姿勢が悪くなりやすい。猫背になると、腹筋が弱くなってお腹に脂肪が付きやすくなったり、肩甲骨を支える筋肉が下に引っ張られて顔がたるんだりしやすくなってしまう。
肩甲骨の状態をチェックしてみよう
- 壁に背中をつけて真っ直ぐ立つ。
- 腕を横に伸ばし、肩の位置で一旦止める。
- 手の平を下向きにした状態で、そのまま腕がどこまで上がるかチェックする。
腕が顔の付近まで上がる方は肩甲骨が柔軟に動いているため、今のところはとくに問題ない。一方で、45度ぐらいまでしか上がらない、あるいは腕を上げると痛みを感じる場合は、肩甲骨がこり固まっている証拠だ。後述で紹介する肩甲骨はがしのストレッチを取り入れて、ぜひ肩甲骨を柔軟にしてほしい。
2. 肩甲骨はがしのストレッチ効果

肩甲骨の悪化を解消するなら、肩甲骨はがしと呼ばれるストレッチを行うのがおすすめだ。肩甲骨はがしといっても、実際に骨をはがしたり、関節を外したりするわけではない。具体的なストレッチ方法は後述で詳しく解説するが、肩甲骨はがしは肩甲骨まわりの筋肉をほぐすストレッチのことだ。継続して行えば、次第に肩甲骨の筋肉がほぐれていくため、肩こりや腰痛、背中の痛みの解消に繋がる。また、肩甲骨はがしストレッチで肩甲骨周辺の筋肉の血流が改善されれば、安眠効果や冷えの解消にも期待ができるだろう。
3. 簡単にできる肩甲骨はがしストレッチ3選

肩まわし
- 肩に手を当てて肘を肩の位置まであげる。
- 肘で円を描くように肩をまわす。
- 何周か肩をまわしたら、今度は反対向きに肩をまわす。
胸を開く肩甲骨はがしストレッチその1
- 肩幅に足を開いて、腕を下ろした状態のまま背中で両手をくむ。
- 肩甲骨を背中の中央に寄せるようなイメージで胸を開いていく。
- 胸を開いたら30秒ほど同じ姿勢をキープし、呼吸を整えながらゆっくりと元の状態に戻す。
胸を開く肩甲骨はがしストレッチその2
- 両腕を顔のサイドにくっつけるイメージで高く上げて、両手を合わせる。
- ゆっくりと肘を曲げながら腕を下げる。この時、手の平は正面を向けることがポイントだ。
- 肩甲骨をできる限り寄せた状態で10秒ほどキープし、ゆっくりと1の状態に戻す。
- 1~3の動作を10回行う。
4. 椅子を使って行う肩甲骨はがしストレッチ3選

足に手を伸ばす肩甲骨はがしストレッチ
- 両足を肩幅程度に広げた状態で椅子に座る。
- 右手を左足よりも外側に向けて伸ばす。この時、左側の肩甲骨が背中からはがれているような感覚になるのが好ましい。
- 10秒ほど同じ姿勢をキープし、ゆっくりと元の状態に戻す。
- 姿勢を戻したら、今度は左手を右足の外側に伸ばしていこう。
腕を上げる肩甲骨はがしストレッチ
- 背もたれのない椅子に深く腰掛け、壁に頭と背中をくっつける。
- 壁に腕をつけた状態で、肘を曲げた万歳をする。胸を張るようなイメージで腕を広げると、よりストレッチ効果を上げることができる。
- 壁から腕を離さず、ゆっくり両手を上にあげていく。
- 腕がまっすぐになったら、ゆっくり肘を曲げながら2の状態に戻していく。
上半身をひねる肩甲骨はがしストレッチ
- 背もたれのある椅子に浅く腰掛ける。
- 片方の手で椅子の背もたれを持ち、ゆっくりと身体をひねる。左右それぞれ10秒ずつ行おう。
5. 寝たままできる肩甲骨はがしストレッチ3選

タオルを使った肩甲骨はがしストレッチ
- タオルをくるくると巻く。
- 巻いたタオルを縦向きに置き、その上に寝る。この時、タオルの位置が背骨に沿うようにする。
- 肘を曲げた状態で手を広げ、そのまま3分間キープする。タオルの高さによって胸が広がっていると、より肩甲骨はがしに効果的だ。
転がるだけの簡単肩甲骨はがしストレッチ
- 体育すわりの状態で背中を床につける。
- そのまま両足を抱え、鼻呼吸を意識しながら身体を左右に転がす。
腰を浮かせる肩甲骨ストレッチ
- 仰向けの状態になり、両ひざを立てる。足は肩幅くらい開いておくのがおすすめだ。
- そのままの状態でゆっくりと腰を浮かせていく。手や腕の力は使わず、お尻を上げるような感じで腰を浮かせていこう。
- 腰を浮かせたら両手を腰の下で組み、5秒間キープする。
結論
肩甲骨はがしのやり方は何通りもあるが、今回紹介したストレッチはどれも簡単に行えるものばかりだ。仕事の合間や就寝前など、ちょっとした時間を使うだけで劇的に身体の不調を緩和することができるので、ぜひ毎日の習慣に取り入れてみてほしい。