1. 万年筆のペン先はどうなっている?

万年筆を扱うなら、ペン先の仕組みや調整方法への理解を深めておいて損はないだろう。
ペン先の仕組み
万年筆といえば、ペン先の鋭さが印象的ではないだろうか? ペン先の尖っている部分は「ペンポイント」と呼ばれており、消耗性に強い合金が使われている。また、ペン先をよく見ると「スリット」と呼ばれる細い隙間があり、筆圧によって書き心地が変化するような構造となっている。
ペン先の調整方法
筆圧を変えたい場合などは、「ラッピングフィルム」というヤスリなどを使って、ペン先を削るという手もある。しかし初心者が下手に削ると、おかしな書き心地となってしまう恐れがあるので、やはり専門の業者や文房具屋などに相談するのがよいだろう。
店によってはインクの量の増減、字幅の調整など、自分好みの改良を行ってくれるため、せっかく手に入れたのに自分に合わないと不満の方は検討してみよう。
店によってはインクの量の増減、字幅の調整など、自分好みの改良を行ってくれるため、せっかく手に入れたのに自分に合わないと不満の方は検討してみよう。
2. 万年筆のペン先が故障してしまったら

万年筆のペン先が故障してしまった際の原因と症状をそれぞれ紹介していく。
インク詰まりやペンのカスレ
ペン先の故障といってもさまざまだ。ペン先にインクが詰まった場合や、文字がカスレてしまう場合は自分で修理できる可能性がある。インク詰まりと文字のカスレは、長期間放置していた万年筆を久しぶりに使うことが原因で起こりやすく、自分で解決できる可能性もある。
まずはペン先を外し、水の入ったコップに入れてみよう。適度に水を新しいものにしながら12~24時間放置したら、ペン先をティッシュなどで拭くことで正常な状態になる可能性がある。
まずはペン先を外し、水の入ったコップに入れてみよう。適度に水を新しいものにしながら12~24時間放置したら、ペン先をティッシュなどで拭くことで正常な状態になる可能性がある。
ペン先が曲がった場合
万年筆をうっかり落としたりすると、ペン先がぐにゃりと曲がってしまう恐れがある。ペンポイントが壊れてしまうと、文字を書くのが困難になるだろう。ペン先の曲がりは個人で修理することが非常にリスキーで難しい。下手にいじらず、素直にメーカーや修理業者に相談してみよう。
3. ペン先の故障を防ぐために。日々のお手入れ方法

インクづまりや文字のカスレなら、自分でも改善できる可能性がある。しかしペン先が曲がるなど、重度の症状は自分で直すのが非常に難しい。そこで、ペン先の故障を防ぐために必要な日々のお手入れ方法について解説する。
頻繁に使用する
意外に感じるかもしれないが、万年筆はたくさん使った方がインク詰まりが起きにくくなる。故障を恐れて使用を控えるくらいなら、積極的に利用してみよう。
水で洗浄する
記事内で紹介したように、ペン先を水に浸すことでインク詰まりや文字のカスレを改善できる可能性がある。ただ非常時だけでなく、普段から定期的にペン先は洗浄しておいた方が、いざという時に書けないなどのトラブルを防止できる。面倒に感じるかも知れないが、一度やってみれば、以後はそれほど手間いらずで万年筆のペン先をキレイにできるだろう。
筆圧に注意する
お手入れというよりは日々の使い方になるが、ペン先の歪曲などを防止するには、やはり正しい書き方を意識するのが重要だ。万年筆は書き心地がボールペンとは大きく異なるため、あまり筆圧を強くせず、リラックスした状態で文字を書くのが基本である。この機会に改めて、万年筆を箱から出してみてはいかがだろうか?
結論
万年筆の先端部分であるペンポイントは消耗性に強い合金を使っており、長期間の使用にも耐えられる造りとなっている。ただ逆に、万年筆をめったに使わなければ、インク詰まりや文字のカスレなどが発生しやすい。ペン先が曲がった場合などは修理に出す必要があるが、インク詰まりや文字のカスレならペン先を洗浄するだけなので個人でも十分に対応可能だ。高価なものだと扱うのをためらってしまうかもしれないが、実は頻繁に利用したほうがよいため、恐れず積極的に万年筆を手にとってみよう。