目次
1. 体脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」がある

体脂肪には内臓脂肪と皮下脂肪があり、それぞれ性質が異なる。まずは両者の違いから学んでいこう。
内臓脂肪
胃腸など内臓のまわりに蓄積される脂肪で、女性よりも男性につきやすい傾向にある。一見痩せている方でも、実は内臓脂肪が蓄積されているなど見た目に分かりにくいケースがあるため注意が必要だ。内臓脂肪が増え続けると、お腹がぽっこり出っ張ることから「リンゴ型肥満」と呼ばれることもある。
糖尿病や高血圧など、生活習慣病につながるおそれがあるのはこの内臓脂肪である。ただし、短期間のうちに蓄積されやすい脂肪である一方、後述する皮下脂肪と比べて落としやすい性質がある。
糖尿病や高血圧など、生活習慣病につながるおそれがあるのはこの内臓脂肪である。ただし、短期間のうちに蓄積されやすい脂肪である一方、後述する皮下脂肪と比べて落としやすい性質がある。
皮下脂肪
皮膚の下にある脂肪で、やわらかな感触とつまみやすさなどが特徴だ。男性よりも女性の方がつきやすく、とりわけお尻や太ももなどに蓄積されやすい。そのため女性は気になるかも知れないが、皮下脂肪には体温維持や骨・内臓を守るといった大切な役割がある。見た目に分かりやすく、かつ内臓脂肪と比較すると落としにくい脂肪だ。
2. 体脂肪率の計算方法

体脂肪率は「体重に対する脂肪の割合」を示す数値である。お腹が出てきたなどの理由でなんとなく体脂肪を落としたいという方は「自分の体脂肪率がどれくらいか」そして「どの程度まで落とせば適正か」を知ることが大切になる。まずは体脂肪率の簡単な計算方法と、手軽に体脂肪率を測れる体重計について解説しよう。
体脂肪率の計算方法
体脂肪率(%)=体脂肪量(kg)÷体重(kg)×100
体脂肪率はこの計算式で算出できる。とはいえご自身の「体脂肪量」を把握している方は少ないだろう。それに、毎日この計算式を用いて体脂肪率を割り出すのも手間だ。そんなときに便利なのが「体重体組成計」である。
体脂肪率はこの計算式で算出できる。とはいえご自身の「体脂肪量」を把握している方は少ないだろう。それに、毎日この計算式を用いて体脂肪率を割り出すのも手間だ。そんなときに便利なのが「体重体組成計」である。
体脂肪率やBMIが手軽に測れる
乗るだけで体脂肪率やBMIなどを計測してくれる体重体組成計なら、日々のデータを手軽に測定できるため続けやすいし、ダイエット中の方なども成果を把握しやすい。体に微電流を流したときの電気抵抗(流れやすさ)から体脂肪量や筋肉量などを算出し、体重や年齢などさまざまなデータから体脂肪率を導き出す、という仕組みが一般的だ。
3. 適正な体脂肪率とは?

次に、自分にとって適正な体脂肪率とはどれくらいなのかについて見ていこう。一般的には以下の通りだ。
適正とされる体脂肪率の目安
- 痩せ:〜14.9%(〜19.9%)
- 適正:15〜19.9%(20〜24.9%)
- 軽い肥満:20〜24.9%(25〜29.9%)
- 肥満:25%〜(30%〜)
カッコ外は男性、カッコ内は女性の適正な体脂肪率の目安である。ご覧のように、男性でいえば体脂肪率15~19.9%、女性なら20〜24.9%が「適正」とされている。
体脂肪率が高い=肥満ではない?
単純に考えれば「体脂肪率が高い=体重に対する脂肪の割合が多い=肥満」となるが、一概にそうとは言い切れないケースもある。たとえば体重が同じ60kgでも、筋肉質なのか肥満気味なのかはこの数値だけでは分からないからだ。自分が肥満体型かどうかを知るには、BMI(Body Mass Index)値を求める必要がある。
BMI値の計算方法
BMI値=体重(kg)÷身長(m)の2乗
BMI値はこの計算式で求めることができる。身長170cm、体重60kgと仮定してBMI値を求めると「60kg÷1.7mの2乗=20.7」となる。
BMI値はこの計算式で求めることができる。身長170cm、体重60kgと仮定してBMI値を求めると「60kg÷1.7mの2乗=20.7」となる。
BMI値と肥満度
- 痩せ:〜18.5未満
- 普通:18.5~25
- 肥満レベル1:25~30
- 肥満レベル2:30~35
- 肥満レベル3:35~40
- 肥満レベル4:40~
先ほどの例でいえばBMI値は20.7なので「標準」ということになる。体脂肪率とあわせて、BMI値の算出方法も覚えておこう。
4. 体脂肪率とBMI値から分かる「体型」のタイプ

ここまでで体脂肪率とBMI値の両方がわかった。これらの数値から、ご自身の体型のタイプが見えてくる。
体脂肪率とBMI値から分かる体型のタイプ
- 痩せ:体脂肪率・BMI値ともに低い
- 標準:体脂肪率とBMI値ともに標準
- 隠れ肥満:体脂肪率が高くBMI値が標準
- 筋肉太り:体脂肪率が低くBMI値が高い
- ぽっちゃり:体脂肪率とBMI値ともに標準よりやや高め
- 肥満:体脂肪率とBMI値ともに高い
ご自身がどこに当てはまるかを把握する際の、ひとつの目安としてほしい。
5. 体脂肪率をより正確に計算するために

ところで、体脂肪率は測定する時間帯などで数%変動する場合がある。体内の水分量などに影響を受けるためだ。より正確に体脂肪率を計算したいときは次の点を意識しよう。
体脂肪率を正確に測定するためのポイント
- 食後120分以上経ってから計測する
- 測定前に排尿と排便を済ませる
- 運動直後、起床後すぐなどは測定しない
複数の条件が重なることで数値が変動するため、この時間に測定するなど決めておくとよりよいかもしれない。なお上記はあくまで体脂肪率を正確に測定したい場合である。起床後すぐに体重を計測しているといった方は、そのまま継続していただいてもちろんOKだ。
6. 体脂肪を減らす・体脂肪率を低くする方法は?

皮下脂肪と比べて落としやすいのが内臓脂肪であるとお伝えした。最後に、その内臓脂肪などを効率よく減らすためのコツを解説しよう。ポイントは「運動と食事」の両面で働きかけることだ。
運動面の工夫
軽度〜中程度の負荷を長時間かけ続けるウォーキングやジョギング、水中歩行など有酸素運動で脂肪を燃焼させるとよい。同時に、筋トレなど高負荷を短時間かける無酸素運動も取り入れよう。筋肉量のアップは基礎代謝のアップにつながる。すなわち脂肪が燃焼されやすくなるということだ。
食事面の工夫
内臓脂肪が増える原因が「単なる食べすぎ」といったシンプルなものであることは意外と多い。まずは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを見直そう。脂質が多い揚げ物といった食事はできるだけ控え、野菜や、低カロリー高たんぱくな食材を選ぶなどするとよい。
結論
今の自分が肥満気味か標準体型かを客観的に把握するには、体脂肪率やBMI値を計算することだ。手軽に計測できる体重体組成計は比較的安価な商品も多い。お持ちでない方はぜひ、この機会に購入してはいかがだろうか?運動面や食事面にも気を配りながら必要に応じて改善を図り、理想の体型を目指していこう。