目次
- 1. ヒップヒンジとは
- 2. ヒップヒンジで鍛えられる部位と効果
- 3. ヒップヒンジの基本フォームと正しいやり方
- 4. ヒップヒンジのアレンジメニュー
- 5. ヒップヒンジの効果を高めるために意識したいポイントと注意点
- 6. ヒップヒンジを覚えればほかの筋トレにも生かせる
- 足を肩幅に開いて立ち、膝を軽く曲げる
- 両手を前に伸ばし、上体を60度ほど前傾させる
- 背筋を伸ばしたまま、お尻を突き出すようなイメージで腰を落としていく
- ハムストリングが軽く伸びるところまで落としたらゆっくり元に戻る
1. ヒップヒンジとは

まずはヒップヒンジという筋トレについて簡単に説明しよう。
スクワットなどの基本形となる下半身の筋トレ
股関節を蝶番(ちょうつがい)のように使って身体を曲げ伸ばしするトレーニングがヒップヒンジだ。スクワットやデットリフトといった筋トレの基本形でもあるなど、さまざまな筋トレにおいて重要な役割を担っている。
【ヒンジは「蝶番」のこと】
ヒンジは蝶番という意味がある。上述のように股関節を扉の蝶番のように使うことからヒップヒンジと名がついたといわれている。
2. ヒップヒンジで鍛えられる部位と効果

ヒップヒンジをやることでどんな筋肉が鍛えられるのだろうか?それによる効果などとあわせて見ていこう。
ヒップヒンジは下半身の大きな筋肉を鍛えられる
ヒップヒンジでは主に、お尻の筋肉である「大殿筋」や、太ももの裏側の筋肉である「ハムストリング」を効果的に鍛えることができる。動きと同様、鍛えられる部位もスクワットに通ずることがわかる。
ヒップヒンジで得られる4つの効果
【ヒップアップ(お尻の引き締め)効果】
ヒップヒンジは大臀筋を効率よく鍛えられる筋トレのため、まずヒップアップやお尻の引き締めに大きな効果が期待できる。たるんだお尻を引き締めたいという方にはぜひ取り組んでほしい筋トレだ。
【パフォーマンスの向上効果】
大殿筋やハムストリングが鍛えられると同時に、連動して股関節まわりの筋肉も活性化する。それにより、スポーツにおけるパフォーマンスの向上効果なども期待できる。
【腰痛の予防・改善効果】
股関節の動きが滑らかになることで腰への負担が減れば、腰痛の予防や改善といった効果も得られる。股関節が動きやすくなれば、日常のさまざまな動作で身体の「支点」となるはずだ。
【ダイエット効果】
大殿筋やハムストリングといった大きな筋肉を鍛えることにより、効率よく筋肉量を増やせる。それにより基礎代謝がアップするため、脂肪が燃焼されやすい身体、すなわち太りにくい身体を手にすることも可能だ。ダイエット目的で取り入れるのもおすすめしたい。
3. ヒップヒンジの基本フォームと正しいやり方

ヒップヒンジはシンプルに見えるが、正しい動作でおこなうのは意外と難しい。初心者の方はとくに、ヒップヒンジの正しいフォームと基本のやり方をしっかり覚えることを優先しよう。
基本のヒップヒンジのやり方
ヒップヒンジのポイントは、腰ではなく股関節を支点に身体を折り曲げていくことだ。背中を丸めたり反らしたりせず、頭からお尻まで一直線に保ったまま動くことを心がけよう。
初心者の方は膝立ちやストレッチポールを使うのもおすすめ
初心者の方は、上述した基本のヒップヒンジを「膝立ち」でおこなうところから始めてもよい。上体が曲がらないように確認しながらゆっくり動作してみよう。あるいは、姿勢をまっすぐ保つためストレッチポールや長い棒などを背中に当ててやるのもよい。頭からお尻までポールから離さないようにすると正しいフォームが身につきやすい。
4. ヒップヒンジのアレンジメニュー

基本のヒップヒンジに慣れてきたら、より負荷の高いアレンジメニューに取り組んでみてはいかがだろうか?
片足ヒップヒンジ
膝の高さほどの椅子や台を後ろに置き、片足をのせておこなうヒップヒンジ。お尻をしっかり収縮できるため大臀筋への効果がアップする。
サンドバックを使ったヒップヒンジ
持ち手の付いたアルティメイトサンドバッグ(USB)のような道具を使うヒップヒンジもある。膝下に下げるような格好で持ち、基本の動作をすればOKだ。負荷を高める効果はもちろん、腰が丸まるのを防ぐ効果も期待できるため、正しい動作が身につきやすい。
5. ヒップヒンジの効果を高めるために意識したいポイントと注意点

ヒップヒンジの効果を正しく得るために意識したいポイントをお伝えしておこう。誤った方法で取り組んでしまうと膝や腰に負担がかかり、ケガをするおそれもあるため気をつけたい。
股関節を支点にする(膝から動かない)
ヒップヒンジの最大のポイントは、股関節を中心に身体を上げ下げすることだ。膝から身体を動かしてしまうと前の太ももに負荷がかかって張ることがあるため注意しよう。
膝をつま先よりも前に出さない(腰を落とす)
膝を曲げて身体を落とすと、膝頭がつま先よりも前に出てしまう。これでは正しく負荷をかけられないため、あくまで「腰を落とす」ことを心がけよう。
背筋をピンと伸ばす(上体をまっすぐに保つ)
背中を丸めたり反らしたりするのもヒップヒンジの典型的なNG例だ。初めのうちは鏡で姿勢を確認しながらおこなうなど工夫しよう。
6. ヒップヒンジを覚えればほかの筋トレにも生かせる

冒頭でもお伝えしたように、ヒップヒンジはスクワットやデッドリフトといった王道の筋トレにも通ずる動きだ。ヒップヒンジをマスターしたうえで取り組めば、より効率よく筋肉に効かせられるだろう。下半身を中心に鍛えたい方はスクワットに、全身まとめて鍛えたい方はデッドリフトに挑戦してみよう。
またお尻をピンポイントで鍛えたい方は、仰向けになって足の付け根にバーベルを乗せ、お尻を上げ下げする「ヒップスラスト」という筋トレもおすすめだ。同じくヒップヒンジの動きが基礎となっている。正しいヒップヒンジが身につけば、このようにさまざまな筋トレにも生かせる。ぜひマスターしておこう。
結論
ヒップヒンジの正しいやり方を覚えれば、ヒップアップだけでなく、スクワットやデッドリフトなどのフォームの基礎を身につけることにもつながる。股関節を蝶番(ヒンジ)のように使って身体を上げ下げするイメージを持ちつつ、ぜひ挑戦してみてほしい。