1. 歯間ブラシ(デンタルフロス)の主な効果とは?

歯間ブラシの役割は、歯と歯の間に溜まった歯垢(プラーク)を取り除くことだ。歯垢とは、歯に付いた食べかすに細菌が繁殖したものをいう。そして、歯垢は虫歯や歯周病、口臭などの原因になる。歯間ブラシでていねいに歯と歯の隙間の歯垢を掃除しておけばこれらを予防することが可能だ。それぞれの効果について詳しく確認しておこう。
虫歯予防
一般的に、歯垢は歯と歯の間に付きやすく虫歯(う蝕)になりやすいといわれている。また、通常の歯ブラシでは歯間の歯垢を取り除くことができない。そのため、歯と歯の間の虫歯を予防するには、歯間ブラシで歯と歯の間をきれいにしておく必要がある。歯間ブラシを使用しない場合の歯間の歯垢除去率は約60%だが、使用すると90%以上になるという。
歯周病予防
歯と歯の間に付いた歯垢は歯肉炎を引き起こし、それが原因となり歯周病を引き起こすことがある。また、重度の歯周病が起きると歯が抜けてしまう可能性も考えられる。歯が抜けてしまうと、咀嚼力の低下や顎関節症の発症などが起きるかもしれない。なお1週間ほど歯間ブラシを使い続け、出血が止まらないなら歯周病の可能性が高いので注意しよう。
口臭予防
口臭の原因はいくつかあるが、歯垢もそのうちのひとつだ。使ったあとの歯間ブラシから嫌な臭いがしたら、そこに歯垢が溜まっている可能性が高いといえる。歯垢が原因の口臭なら、数日間歯間ブラシを続けることで口臭を軽減することが可能だ。もし数日間続けても口臭が続くなら、舌苔や歯周病、虫歯など、歯垢以外の原因を疑うとよいだろう。
2. 歯間ブラシの効果的な使い方とは?

歯と歯の間にある歯垢をしっかりと取り除くには、歯間ブラシを効果的に使うことが重要だ。歯間ブラシを使う際のポイントはいくつかある。以下に紹介するポイントをよく確認して、上手に歯間ブラシを使いこなそう。
I字型とL字型を使い分ける
歯間ブラシには、ブラシ部分が真っすぐの「I字型」と垂直に折れ曲がっている「L字型」の2種類がある。I字型は前 歯の歯間掃除に向いているが、奥歯には届きにくいという欠点だ。そのため、奥歯の歯間部を掃除する際はL字型を使うとよい。L字型であれば頬と歯の間に差し込み、取っ手の向きを変えずに奥歯の掃除を行うことが可能だ。
奥歯は内側と外側の両方から行う
歯間ブラシで奥歯の歯と歯の間を掃除する際は、内側と外側の両方から行うほうがよい。前歯に比べると奥歯は大きいため、一方からだけの掃除では十分に歯垢を落とすことができない可能性がある。前歯の歯間部は外側から磨くだけで問題ないが、奥歯は磨き残しを防止するために両側から磨くようにしよう。
毎日1回、歯間ブラシを使う
食べかすは24時間程度で歯垢に変わるため、1日に1回のペースで歯間ブラシを使った歯間掃除を行うとよい。とくに睡眠中は唾液が少なくなるため、口内に菌が繁殖しやすくなる。そのため、寝る前の歯磨きのタイミングで歯間掃除もしておくと就寝中の虫歯の進行を予防できる。なお、1日に複数回行うのは歯茎を傷つける可能性があるので注意しよう。
3. 歯間ブラシを効果的に使い続けるための注意点

歯間ブラシには、使い捨てタイプと数日間使えるタイプの2種類がある。使い捨てタイプなら1回ごとに新しいものに交換すべきだが、数日間使えるタイプのものなら使用後はていねいに汚れを落とす必要がある。長持ちさせるためにも以下の点を徹底しよう。
使い終わったらきれいにする
数日間使えるタイプの歯間ブラシは、使用後は流水でしっかりと汚れを落とすようにしよう。汚れが落ちにくい場合は、指の腹で優しく汚れを落とすとよい。また、洗い終わったら風通しのよい場所で十分乾燥させるのが大切だ。濡れたままの状態にしておくとカビなどが発生してしまう可能性もある。口の中に入れるものなのでしっかりと保管しよう。
定期的に交換する
使い捨てタイプなら1回きりでいいが、数日間使えるタイプの歯間ブラシは定期的に交換するとよい。交換時期の目安はブラシの毛先が乱れたり、短くなったりしたのを感じたときでよい。また、長くても1か月以内には交換すべきだ。状態のよくない歯間ブラシを使用していると、ワイヤー部分で歯茎を傷つける恐れもあるので注意しよう。
結論
歯間部の歯垢は虫歯や歯周病などの原因になる可能性が高い。このような口のトラブルを予防するためにも、歯間ブラシで歯と歯の間の歯垢を取り除くことが重要だ。歯間ブラシは毎日1回寝る前だけ使えばよい。最初は慣れずにやりにくいかもしれないが、毎日続けることでスムーズに歯間掃除ができるようになるはずだ。