1. 歯間ブラシ(デンタルフロス)で血が出るのはなぜ?

歯間ブラシやデンタルフロスを使ったときに歯茎から出血を起こすことは珍しくない。歯茎から出血する原因はいくつかあるが、歯間ブラシの使用中に出血する場合は、歯茎に問題があるか、磨き方に問題があるか、歯間ブラシに問題があるかが考えられる。一般的に歯茎の問題であれば1週間程度で出血が治まるが、長く続く場合は別の問題があるかもしれない。
歯間ブラシの使いはじめに出血する理由
初めて歯間ブラシを使用する場合、歯間や歯間と歯茎の間に歯垢(プラーク)が溜まっていることが多い。歯垢が溜まった歯茎は炎症を起こしていることが多く、そこを歯間ブラシで刺激をすることで出血してしまうのだ。しかし、歯間ブラシを1週間程度使用していれば歯垢は除去でき、歯茎の炎症も治まる。その結果、自然と出血も見られなくなるという。
1週間以上、歯茎の出血が続いてしまう理由
単純な歯茎の炎症なら、歯間ブラシを1週間程度使うことで出血は治まる。しかし1週間以上出血が続く場合は、炎症が進行して歯周病を引き起こしている可能性がある。この場合は歯科医院を受診することをおすすめする。ほかにも強くこすりすぎていることや、歯間ブラシのサイズが合っていない可能性もある。これらは正しく歯間ブラシを使うことで対応できる。
2. 歯間ブラシで出血させないための正しい使い方

歯間ブラシは基本的に、歯と歯の間に挿入して前後に数回動かせばよい。しかし、最初の頃は使い勝手がわからず、歯茎を傷つけてしまうことも少なくない。以下のポイントにも注意しながら、ていねいに歯と歯の間の歯垢や汚れを落とすとよいだろう。
ブラシの向きに気をつける
歯間ブラシの向きは、歯に対して垂直方向にするのが基本だ。斜め方向から入れようとするとブラシの先端が歯に当たってしまうため、歯間ブラシが入りにくいことがある。また、歯間ブラシの角度は、歯茎からかみ合わせ面へ斜めに向かって入れるのがよい。一度通してから歯間ブラシを水平方向にすると、歯茎を傷つけずに歯間ブラシを挿入することができる。
ゴシゴシと強くこすらない
歯間ブラシを動かすときは、ゴシゴシと強くこする必要はない。歯間ブラシを挿入したら歯面に沿わせて軽く2~3回往復させることで、歯と歯の間にある歯垢を落とすことができる。なお、奥歯の歯間を掃除する場合は、内側と外側の両方から行うのがよい。また、奥歯の歯間をきれいにするときはL字タイプの歯間ブラシを使うようにしよう。
研磨剤入りの歯磨き粉は使わない
歯間ブラシはそのままでもいいが、歯磨き粉を使っても問題ない。しかし、研磨剤入りのタイプを使用すると歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要だ。研磨剤が入っていない歯磨き粉なら基本的にどれでも問題はないが、虫歯予防も考えるとフッ化物入りの歯磨き粉がおすすめだ。
3. 歯間ブラシで出血させないための正しいサイズ選び

歯間ブラシを使う際には、自分自身の歯間に合った適切なサイズを選ぶ必要がある。メーカーによってサイズは異なるが、主に4Sサイズ(超極細タイプ)からLLサイズ(極太タイプ)までさまざまな種類がある。この中から自分の歯に合う適切なサイズを選ぼう。
小さいものから選ぶようにする
初めて歯間ブラシを購入する場合は、SSSSサイズなど一番小さなものから使うようにしよう。それから使い心地を確認しながらサイズを大きめに変更していくのがよい。歯間ブラシを挿入するときに抵抗感がある場合や、動かそうとしたときにきついと感じる場合はサイズが大きすぎる可能性がある。スッと抵抗感なく挿入できるサイズにするのがよいだろう。
場所によってサイズを使い分ける
歯間の幅は、歯の場所によって異なることがある。そのため、前歯と奥歯などで使い分けるようにするのもよい。歯間の幅よりも小さいサイズの歯間ブラシを使っていると、十分に磨くことができないため磨き残しの原因になってしまう可能性もある。また、歯間ブラシが大きすぎると、歯と歯の間に歯間ブラシが入らない可能性があるので注意しよう。
結論
歯間ブラシを使い始めたばかりの頃は出血を起こすこともあるが、基本的に痛みがなければ問題ないとされている。そのため、まずは1週間程度歯間ブラシを使い続けてみて、様子を見てみるとよいだろう。なお、1週間以上経っても出血が続くようなら、歯周病などの可能性も考えられるので一度、歯科医院を受診して確認してもらうようにしよう。