1. 三角筋とは?役割や鍛えるメリットを知ろう

ボディビル界で使われる「メロン肩」という言葉。大きくて丸い肩の筋肉に血管が浮いてマスクメロンのように見えることから、鍛え上げられたメロン肩を目指す方もいるだろう。三角筋は鎖骨から肩甲骨までを覆っている、上半身の中で最も大きい筋肉だ。ただ、大きいとはいっても、三角筋は前部・中部・後部の3つに分かれているため、一度に全てを鍛えることはできない。丸みを帯びた美しいメロン肩をつくるには、前部・中部・後部の三角筋をバランスよく鍛えることが必要といえる。
三角筋の役割
三角筋の役割は、肩関節の動きをサポートすることだ。具体的にいえば、三角筋の前部は前方に、中部は横に、後部は後方に腕を動かす時に使われている。また、三角筋は腕を内側や外側にひねる動作もサポートしており、野球やバスケットボールなど、物を持ち上げて投げるという一連の動作を行う上でも重要な役割を果たしている。
三角筋を鍛えるメリット
前述の通り、三角筋は肩まわりを覆う筋肉だ。そのため、鍛えることで肩幅が広がり、逆三角形のボディラインをつくることができる。加えて、筋トレ効果で基礎代謝が向上すれば、三角筋以外のトレーニング効果も高まりやすい。とくに肩関節の動きに影響を与える腕の筋肉は、三角筋を鍛えることで効率的な筋力アップが見込めるだろう。また、三角筋の筋トレは、肩まわりのトラブル対策にも効果的だ。肩関節の怪我予防はもちろん、血流改善効果も期待できるので、肩こりの解消にも役立つだろう。
2. 三角筋の前部を鍛えるダンベルトレーニング

フロントレイズ
フロントレイズは三角筋前部に加え、胸筋と背中の僧帽筋を鍛えることができる。このトレーニングでは腕を前方に上げていくが、少し姿勢を変えて横方向に腕を上げると、後述で紹介しているサイドレイズというトレーニングになる。
フロントレイズのやり方
- 足を肩幅に開いた状態で、背筋をまっすぐのばす。
- ダンベルが身体の正面に来るように左右の手に持つ。
- 手の甲を前方向に向けて、ゆっくりと腕を上げていく。
- 肩の位置までダンベルを上げたら、数秒間姿勢をキープして、ゆっくりと元の状態に戻す。
ダンベルショルダープレス
ダンベルショルダープレスは三角筋前部・中部・後部すべてを鍛えたい時におすすめだ。座った姿勢で行うため、トレーニングをする際はダンベルのほかに椅子も用意しておこう。
ダンベルショルダープレスのやり方
- 椅子に座り、背筋を真っ直ぐのばした状態でダンベルを左右に持つ。
- 両肘を曲げてガッツポーズのような姿勢をとる。この時、手の甲は後ろ側に向けることがポイントだ。
- そのままダンベルを上に持ち上げていく。
- ダンベルを頭上まで持ち上げたら、ゆっくりと元の状態に戻す。
3. 三角筋の中部を鍛えるダンベルトレーニング

アップライトロウ
アップライトロウは三角筋中部と前部に効果的なトレーニングだ。ダンベルを使ってもOKだが、ケトルベルと呼ばれるトレーニング器具を使うと、より効果的に三角筋を鍛えることができる。ケトルベルを持っている方は、ぜひダンベルと交互に使いながらトレーニングを行ってみよう。
アップライトロウのやり方
- 太ももの前でダンベルを両手に持ち、手の甲を正面に向ける。
- 腕が垂直になるように肘を曲げていき、ダンベルを身体の近くまで持ち上げる。
- 顎下あたりまでダンベルを持ち上げたら、ゆっくりと元の状態に戻していく。
サイドレイズ
サイドレイズは三角筋中部を徹底的に鍛えたい時におすすめのダンベルトレーニングだ。繰り返し行うことで三角筋中部がどんどん刺激されるため、より男らしい肩幅に近づける。
サイドレイズのやり方
- 足を肩幅に開いた状態で、前かがみの姿勢になる。背中が丸まるとトレーニング効果が半減してしまうので、しっかりと背筋をのばすことを意識しよう。
- ダンベルが身体の横に来るように左右の手に持つ。
- 手の甲を外側に向けて、ゆっくりと腕を上げていく。ダンベルを持ち上げるというよりは、腕を持ち上げるように意識すると三角筋中部をさらに刺激することができる。
- 肩の位置までダンベルを上げたら、数秒間姿勢をキープして、ゆっくりと元の状態に戻していく。
4. 三角筋の後部を鍛えるダンベルトレーニング

リアレイズ
リアレイズは三角筋後部を鍛えるダンベルトレーニングの代表的なメニューだ。三角筋前部・中部のダンベルトレーニングと合わせることで、見栄えのよい肩幅をつくることができるので、ぜひ実践してみてほしい。
リアレイズのやり方
- 足を肩幅程度に開いて膝を少し曲げ、前傾姿勢になる。
- ダンベルを両手に持ち、腕を真横に上げていく。肩甲骨が寄ってしまうと、三角筋後部にかかる負荷が僧帽筋や菱形筋に分散されてしまうため、胸を開かないように意識することがポイントだ。
- 腕が肩の位置ぐらいまで上がったら、そのまま姿勢を数秒キープして、ゆっくりと元の状態に戻していく。
ダンベルフェイスプル
フェイスプルはケーブルマシンと呼ばれるトレーニング器具を使って行うのが一般的だが、ダンベルを使って鍛えることも可能だ。ここでは椅子とダンベルを使ったフェイスプルのやり方を解説するが、より本格的なトレーニングを行いたい方は、インクラインベンチを使って行ってみてほしい。
ダンベルフェイスプルのやり方
- 椅子に片手をかけて、前傾姿勢になる。
- 反対の手でダンベルを持ち、脇を締めずに肘を後方に引いていく。
- 肩甲骨が動くギリギリの位置まで肘を引いたら、ゆっくりと元の状態に戻す。
結論
三角筋はダンベルを使うことでバランスよく、かつ効率的に鍛えることができる。ただし、最初から重いダンベルを使用したり、肩甲骨が寄り過ぎたりしてしまうと、怪我やトレーニング効果の半減に繋がってしまうため注意が必要だ。今回紹介したダンベルトレーニングのやり方で、ぜひ美しいメロン肩を手に入れてほしい。