1. 腕橈骨筋とは?

腕橈骨筋(わんとうこつきん)とは、肘関節屈曲筋に分類される筋肉のひとつ。前腕前面の外側(親指側)に位置する筋肉であり、上腕骨外側顆上稜から橈骨茎状突起まで(およそ肘の上側から手首の付け根あたりまで)伸びている。また、肘関節周辺では最も長いという特徴がある。日常動作では飲み物を飲んだりするときに使うことが多く、スポーツでは柔道などの競技で使われることが多い。
腕橈骨筋の役割・作用
・肘関節の屈曲
・前腕の回内(回外位から中間位までの回旋)
・前腕の回外(回内位から中間位までの回旋)
腕橈骨筋は、ほかの前腕筋と異なり手首(手関節)の動きには関与しない。主に、肘を曲げる動作や手を内側(外側)に曲げる動作などに貢献する筋肉だ。橈骨神経に支配される数少ない屈曲筋であるため、腕橈骨筋はその意味でも重要な筋肉といえるだろう。
・前腕の回内(回外位から中間位までの回旋)
・前腕の回外(回内位から中間位までの回旋)
腕橈骨筋は、ほかの前腕筋と異なり手首(手関節)の動きには関与しない。主に、肘を曲げる動作や手を内側(外側)に曲げる動作などに貢献する筋肉だ。橈骨神経に支配される数少ない屈曲筋であるため、腕橈骨筋はその意味でも重要な筋肉といえるだろう。
2. 腕橈骨筋を鍛えることの3つのメリット

腕橈骨筋を鍛えるメリットには「重い荷物などを持ち運びやすくなる」「男性らしいたくましい前腕が手に入る」などいくつかある。そこで腕橈骨筋を鍛えるメリットについて詳しく確認しておこう。
1.重い荷物などを軽々持てるようになる
腕橈骨筋は、肘を曲げているときに特に使われる筋肉である。そのため、腕橈骨筋を鍛えておくことで、買い物袋やダンボール箱などの重い荷物を持つのが楽になる。また、ワインのコルクやかたい瓶のフタを開けるときにも負担が少なくなるだろう。
2.男性らしいたくましい前腕が手に入る
腕橈骨筋は肘から手首の付け根まで伸びている筋肉であり、ほかの前腕筋と比べると体積が大きいという特徴がある。そのため、腕橈骨筋を鍛えることで、強くてたくましい前腕を手に入れることが可能になる。腕の筋肉を鍛えるときには、腕橈骨筋の筋トレメニューも加えてみよう。
3.柔道などのスポーツで強くなれる
腕橈骨筋は、特に柔道や相撲などのスポーツでよく使われる筋肉である。柔道では相手を引きつける動作があるが、このときにはあまり上腕二頭筋を使わずに腕橈骨筋をメインに使うという。このことから組み技系の格闘技をしている場合は、腕橈骨筋を鍛えておくのが良いといわれている。
3. 腕橈骨筋を鍛えられる筋トレメニュー

腕橈骨筋を鍛えるなら、ダンベル・バーベル・チューブなどの器具を使うのが効果的だ。ここではダンベルハンマーカールやリバースカールなど、ダンベルを使った筋トレメニューを3種類紹介する。
1.ダンベルハンマーカール
ハンマーカールはカール系トレーニングの一種であり、手のひらを内側に向けたハンマーグリップで行うのが特徴である。腕橈骨筋と上腕筋をメインで鍛えることができ、上腕二頭筋も鍛えられるトレーニングである。肘を固定すること、最後は下げ切らないことを意識して取り組もう。
【ハンマーカールのやり方・手順】
1.両手にダンベルを持ち、足を肩幅に開いて立つ
2.手を身体の横に下ろし、手のひらを内側に向ける
3.ゆっくり肘を曲げてダンベルを持ち上げる
4.45度まで肘を曲げたらゆっくり下ろす
※(3)~(4)を10~15回×3セット程度行う
2.手を身体の横に下ろし、手のひらを内側に向ける
3.ゆっくり肘を曲げてダンベルを持ち上げる
4.45度まで肘を曲げたらゆっくり下ろす
※(3)~(4)を10~15回×3セット程度行う
2.ダンベルリバースカール
ダンベルリバースカールは、順手で持ったダンベルを胸の高さまで持ち上げる筋力トレーニングのこと。上腕二頭筋の関与が少なくなるため、腕橈骨筋をメインに鍛えることができる。トレーニング中は肘を動かさないこと、手首を返さないことがポイントになる。
【ダンベルリバースカールのやり方・手順】
1.両手にダンベルを持ち、足を肩幅に開いて立つ
2.手を身体の前に下ろし、手のひらを後ろに向ける(順手で持つ)
3.ゆっくり肘を曲げてダンベルを胸の高さまで持ち上げる
4.ゆっくり肘を伸ばしてダンベルをもとの高さまで戻す
※(3)~(4)を10~15回×3セット程度行う
2.手を身体の前に下ろし、手のひらを後ろに向ける(順手で持つ)
3.ゆっくり肘を曲げてダンベルを胸の高さまで持ち上げる
4.ゆっくり肘を伸ばしてダンベルをもとの高さまで戻す
※(3)~(4)を10~15回×3セット程度行う
3.ダンベルコンセントレーションカール
ダンベルコンセントレーションカールは、座った状態でダンベルを直角になるよう持ち上げるトレーニングのことだ。上腕二頭筋が緩んだ状態でトレーニングできるため、腕橈骨筋や上腕筋を集中的に鍛えることができる。また、肘を固定しやすいためフォームが安定するという特徴がある。
【ダンベルコンセントレーションカールのやり方・手順】
1.椅子に座って大きく足を開いておく
2.右手にダンベルを持ち、右肘を右太ももの内側に当てる
3.ゆっくりと肘を曲げてダンベルを腰の高さまで持ち上げる
4.ゆっくり肘を伸ばしてダンベルをもとの位置に戻す
※(3)~(4)を10~15回×3セット程度行う
2.右手にダンベルを持ち、右肘を右太ももの内側に当てる
3.ゆっくりと肘を曲げてダンベルを腰の高さまで持ち上げる
4.ゆっくり肘を伸ばしてダンベルをもとの位置に戻す
※(3)~(4)を10~15回×3セット程度行う
4. 腕橈骨筋を鍛えるときのポイント

腕橈骨筋を鍛える際には「自分に合った重量で行う」「力を入れるときに息を吸う」などのポイントを意識するのが重要だ。効果的なトレーニングを行うためにも以下のポイントを守るようにしよう。
1.10~15回持ち上げられる重さにする
筋トレの目的によって異なるが、筋肥大が目的の場合は10~15回で限界がくるように設定するのが重要だ。トレーニング初心者は軽い重量(男性の場合は5~10kg程度)から始めて、徐々に負荷を大きくすると良いだろう。長期的にトレーニングするなら可変式ダンベルがおすすめだ。
2.持ち上げるときに息を吐くようにする
筋力トレーニングでは「力を入れるときに息を吐き」「力を緩めるときに息を吸う」のが基本となっている。そのため、ここで紹介したダンベルトレーニングではダンベルを持ち上げるときに息を吐いて、もとの位置に戻すときに息を吸うとよい。これにより筋肉への負担を少なくすることができる。
3.筋トレ前後にストレッチを取り入れる
筋トレ前後には、ストレッチやウォーキングなどに取り組もう。筋トレ前に行うウォームアップには身体を温めたり、柔軟性を上げたりする効果があり、筋トレ後に行うクールダウンには筋肉痛を予防したり、疲労感を減らしたりする効果がある。安全に筋トレを行うためにも忘れずに取り組もう。
結論
腕橈骨筋は、前腕前面の外側(親指側)に位置する肘関節屈曲筋である。この腕橈骨筋を鍛えることで荷物を持つのが楽になったり、たくましい前腕を手に入れたりできる。ダンベルやチューブなどを使うことで効率よく鍛えられるため、もし興味があったら筋トレメニューに取り入れてみよう。