目次
1. パンプアップとは

まずはパンプアップの意味やどんな現象を指すのか、なぜ起こるのかといった基礎的なところから簡単に解説する。
パンプアップの意味
パンプアップとは、トレーニングで負荷をかけた筋肉が一時的に大きくなることをいう。筋肉が疲労から回復する過程で起こる現象のひとつだ。大きな刺激を受けた筋肉が血液や水分で満たされ、膨れ上がって見えるのである。
パンプアップが起こる理由
高負荷のトレーニングをおこなうと、筋肉に乳酸やアデノシンといった疲労物質が溜まる。これを取り除くための血流が増えることで、一時的に筋肉内の水分量が増えパンプアップが起こる。
また、筋肉の回復に必要な栄養素「筋グリコーゲン(筋肉に蓄えられる糖のひとつ)」は、トレーニングによって消費される。同じように血液がこの筋グリコーゲンを運んでくることによって筋肉内の水分量が増す(アミノ酸も供給される)。これもパンプアップの一因である。
また、筋肉の回復に必要な栄養素「筋グリコーゲン(筋肉に蓄えられる糖のひとつ)」は、トレーニングによって消費される。同じように血液がこの筋グリコーゲンを運んでくることによって筋肉内の水分量が増す(アミノ酸も供給される)。これもパンプアップの一因である。
2. パンプアップと筋肥大の関係

パンプアップと筋肥大は異なる。具体的にどのように違うのか理解しておくことが大切だ。
筋肥大とは
筋肉は筋線維の束である。筋繊維そのものが大きくなることで筋肉全体の体積が増える。これが「筋肥大」だ。筋繊維をトレーニングで損傷させたのち、十分な栄養と休息を与えて回復させることで筋肥大が起こる。
パンプアップ=筋肥大ではない
お分かりのようにパンプアップと筋肥大は根本が異なる。すなわちパンプアップ=筋肥大ではないということだ。
ただしパンプアップが起こるのは、筋肉に大きな負荷をかけられている証拠でもある。上述のように、筋肥大は筋肉に大きな負荷をかけて筋繊維を損傷させたあと、回復させることで起こるものだ。したがって、パンプアップするほどのトレーニングを正しく続けることは、筋肥大につながるといえる。
なお筋肥大をバルクアップ(筋肉を発達させて身体を大きくすること)と呼ぶこともある。パンプアップと響きが似ているため、混同している方もいるかもしれない。
ただしパンプアップが起こるのは、筋肉に大きな負荷をかけられている証拠でもある。上述のように、筋肥大は筋肉に大きな負荷をかけて筋繊維を損傷させたあと、回復させることで起こるものだ。したがって、パンプアップするほどのトレーニングを正しく続けることは、筋肥大につながるといえる。
なお筋肥大をバルクアップ(筋肉を発達させて身体を大きくすること)と呼ぶこともある。パンプアップと響きが似ているため、混同している方もいるかもしれない。
3. パンプアップによる効果と持続時間について

話をパンプアップに戻そう。具体的に、パンプアップすることによりどういった効果や影響があるのだろうか?持続時間とあわせて見ていこう。
パンプアップによる効果
パンプアップには、筋肉内に溜まった疲労物質を取り除く効果、そして疲労した筋肉を回復させる効果などがある。これはお伝えしたとおりだ。だがほかにも、たとえばパンプアップした筋肉を見て「きちんと高負荷をかけられている」「追い込めている」ことが実感できれば、今後の筋トレのモチベーションにつながるだろう。
また、パンプアップは実際に負荷がかかった筋肉に起こる現象である。鍛えたい部位と異なる筋肉がパンプアップを起こしていたとすれば、トレーニングのやり方に問題があるのかもしれない。こうした確認ができるのも、パンプアップのひとつの効果といえるだろう。
また、パンプアップは実際に負荷がかかった筋肉に起こる現象である。鍛えたい部位と異なる筋肉がパンプアップを起こしていたとすれば、トレーニングのやり方に問題があるのかもしれない。こうした確認ができるのも、パンプアップのひとつの効果といえるだろう。
パンプアップはどれくらい持続する?
パンプアップはトレーニング後10〜20分ほど持続するといわれている。意外に短いと感じる方もいるかもしれないが、逆をいえばスムーズに疲労物質を取り除き、筋グリコーゲンなどを補給できているということだ。
ただし筋肉は10〜20分では回復しない。部位にもよるが48〜72時間といった長い時間が必要だ。その間は筋肉へのアミノ酸の供給量が増えるため「ややパンプアップした状態」が続く。
ただし筋肉は10〜20分では回復しない。部位にもよるが48〜72時間といった長い時間が必要だ。その間は筋肉へのアミノ酸の供給量が増えるため「ややパンプアップした状態」が続く。
4. 意図的にパンプアップさせる方法は?

狙ってパンプアップさせる方法はある。「筋肉に高負荷を与える」というごくシンプルなものだ。特別な筋トレや技術を要するものではなく、普段のトレーニングと同じようにおこなえばよい。
ただしほとんどの方は、パンプアップが目的ではなく、いかに効率よく筋肥大させられるかを重視しているだろう。パンプアップさせて効率よく筋肥大させるためのコツを解説しよう。
ただしほとんどの方は、パンプアップが目的ではなく、いかに効率よく筋肥大させられるかを重視しているだろう。パンプアップさせて効率よく筋肥大させるためのコツを解説しよう。
5. パンプアップで効率よく筋肥大を目指すコツ

正しいパンプアップは効率のよい筋肥大へとつながる。以下のポイントをおさえて筋肥大を目指そう。
正しいフォームで筋トレする
正しいフォームは、パンプアップを効率よく筋肥大につなげるためにもっとも重要といっても過言ではない。フォームが間違っていれば、いくら高負荷をかけても意味がなくなってしまうからだ。常に正しいフォームを意識しながらトレーニングに励もう。
インターバルは短めにする
筋トレのインターバルは短めに設定しよう。インターバルが長いと前のセットの疲労が回復し、筋繊維の中にある乳酸が減少する。乳酸には、筋肉を作る成長ホルモンの分泌を活性化させるという重要な働きがある。インターバルは長くても1分以内にとどめよう。
適切な負荷をかける
パンプアップさせたいからと、むやみに大きい負荷をかけるのはおすすめしない。たとえば、1回に持ち上げることができる重量の80%程度の負荷のものを使い、8~12回を1セットとしておこなうと筋肥大に効果的といわれている。インターバルを短くして、この程度の負荷をかけたトレーニングを繰り返そう。
6. パンプアップでさらなる筋肥大を狙うには?

パンプアップを、さらに効率よく筋肥大につなげる方法を紹介する。できるだけ早く筋肥大したいという方は、ぜひ取り入れてみよう。
高レップのトレーニングをこなす
短い時間に高レップ(回数)のトレーニングをこなすことで特定の筋肉を追い込むと、よりパンプアップしやすくなる。
低酸素の環境・状態でトレーニングする
低酸素の環境でトレーニングをおこなうと、筋肉が酸欠状態になる。通常の状態に比べて乳酸が早く溜まるようになり、効率よくパンプアップからの筋肥大につなげることができる。
食事における栄養管理を見直す
筋肥大につなげるためには、パンプアップしたときに送り込まれる血液中に、必要な栄養素が十分含まれている必要がある。あらかじめ食事でエネルギーとなる炭水化物や脂質、筋肉の材料となるたんぱく質を摂り、十分に栄養が吸収されている状態でトレーニングをおこなおう。3食だけでは栄養が摂りきれない場合は、食事と食事の間に捕食を挟むことで摂取量を増やすこともできる。
プロテインでたんぱく質などを補給する
プロテインでたんぱく質を補給することは、パンプアップを効率よく筋肥大につなげるためにたいへん有効である。プロテインを摂取するベストなタイミングは、トレーニングをしてから30分~1時間経った頃とされている。トレーニング後に飲むプロテインは、筋肉の分解を抑える糖質を含んだものがおすすめだ。
十分な睡眠をとる
十分な睡眠をとることも筋肥大にとって非常に重要である。とくに、深い眠りに落ちるノンレム睡眠時は成長ホルモンが活発に分泌されるため、筋肉の修復や疲労回復にとって重要な時間帯だ。質のよい睡眠を手に入れるために、寝る直前のスマホや飲食などは避けよう。
トレーニングの頻度も重要
トレーニングは、毎日やればいいというものではない。筋肉はトレーニングによって損傷し、回復する過程で肥大化する。回復の時間をもうけるため、週2~3回の頻度でトレーニングするようにしよう。
結論
パンプアップするほどの負荷を筋肉にかけることで、筋肥大につなげることは可能だ。だが一度パンプアップしたからといって、すぐに筋肥大するわけではない。筋肥大は少なくとも3カ月ほど期間が必要とされているので、コツコツとトレーニングを積み重ねていく必要がある。今回紹介したパンプアップと筋肥大のポイントをおさえて、日々のトレーニングに生かしてほしい。