1. 広背筋は腕を動かす動作に必要な筋肉

広背筋とはどこの筋肉で、どんな動作で使う筋肉なのだろう。広背筋についての説明から、鍛えることで期待できる効果まで説明していく。
広背筋とは
広背筋とは腕の下あたりにある上腕骨から胸椎、腰椎、骨盤と人間の背中を広範囲で覆う筋肉のことである。背中の筋肉だが、肩や腕を使って引き上げる動作で使用する筋肉だ。運動動作でたとえるなら、懸垂や水泳という動き。よくある日常動作なら扉を引いて開ける、お尻のポケットから携帯を取り出すといった動きが想像しやすいだろう。
筋トレを日頃から行っている人もこれから始める人も、大きな筋肉である広背筋だからこそ鍛え方を知っておけばきっと役に立つはずだ。
筋トレを日頃から行っている人もこれから始める人も、大きな筋肉である広背筋だからこそ鍛え方を知っておけばきっと役に立つはずだ。
脂肪を燃やす効果も期待できる
前述でも述べたが広背筋は大きな筋肉であるため、鍛えると筋肉量が増えやすい。筋肉量が増えれば必然的に基礎代謝もあがるため、脂肪を燃やす効果も期待できるのだ。
姿勢をよくする
広背筋を鍛えれば、背筋をピンと伸ばした正しい姿勢を保つことができる。正しい姿勢を保てるようになると猫背の改善にもつながりやすいうえ、肩こりや腰痛など身体の不調の改善も期待できるだろう。
2. 広背筋がないと太りやすくなる

広背筋を鍛えるとよい効果が期待できることは分かった。では逆に広背筋がないとどうなるのか説明していこう。
ぽっこりお腹に
広背筋の筋力不足、または広背筋が固くなっていると腹筋に力が入れにくくなる。腹筋をうまく使えないと内臓を支えきれず骨盤が前傾するため、ぽっこりお腹になりやすい。
基礎代謝量があがらない
大きな筋肉である広背筋を鍛えると基礎代謝があがると前項でも触れたとおり、広背筋がなければ基礎代謝量は低下するだろう。また、広背筋が固くなると腕が上がりにくくなるといった身体の不調が生じることもある。つまり広背筋がない、または固くなっていれば身体の動きが悪くなることにつながるのだ。
3. 自重で広背筋の鍛え方

ここではマシンを使った鍛え方ではなく、自重での広背筋の鍛え方を3つ紹介しよう。
ラットプレス
- 膝を曲げて仰向けになり、両脇をしめて身体に肘をつけて直角に曲げる。
- 肘は地面につけたまま、腕と背筋を使う意識をしつつ上半身をまっすぐ持ちあげよう。
- ゆっくりと上半身を元の位置に戻していく。
- 2と3を繰り返し行おう。
ラットプレスを行う際は、目線が常に上を向くようにするのがポイントだ。何度かやってみて慣れてきたら、重りをお腹の上に置くなどして負荷をかけてもよいだろう。
リバーススノーエンジェル
- うつ伏せになり、両手を肩幅程度に開く。
- 両手を浮かせて肩甲骨を狭めながら、頭上にゆっくりあげる。
- 背筋を使っていることを意識しながら、両手をおろそう。
- 呼吸を整えつつ、ゆっくり両手を上下する。
- 2~4を繰り返し行おう。
リバーススノーエンジェルを行う際は、肩甲骨を狭めた状態をキープすることが重要となる。正しいフォームでゆっくりした動作で行おう。重りを持って実践すれば負荷をかけることも可能だ。
バックエクステンション
- うつ伏せになり、両手を頭の上に置く。
- 足を肩幅の半分程度に開きリラックス。
- 空気を吐きながらゆっくり身体を反らす。反らす際は足も軽くあげよう。
- 反らしきったら2秒間停止する。
- 空気を吸いながらゆっくりと背中を元の状態におろしていこう。
- 4と5を10回程度、繰り返し行う。
- 数秒休憩
- 頭につけていた両手を、ばんざいの状態に。
- 両手の位置をキープしたまま4と5を10回程度繰り返す。
バックエクステンションは、腰を痛めやすい鍛え方でもあるため、トレーニング前に軽いストレッチを入れるのをおすすめしたい。バレエを意識した簡単なストレッチを紹介しよう。家にある椅子やテーブルを使用する。
横に足を開き、椅子やテーブルに両手を置こう。上半身をゆっくり倒して背中を反らす、ゆっくり引き上げて背中を丸めるといった動作を繰り返す。背中をくねらせる動作によって肩甲骨まわりの凝り固まった筋肉がほぐれていくのだ。
横に足を開き、椅子やテーブルに両手を置こう。上半身をゆっくり倒して背中を反らす、ゆっくり引き上げて背中を丸めるといった動作を繰り返す。背中をくねらせる動作によって肩甲骨まわりの凝り固まった筋肉がほぐれていくのだ。
4. タオルを使った簡単な広背筋の鍛え方

ここでは、タオルを使った広背筋の鍛え方を紹介する。用意するものは自身の肩幅より長さのあるタオルのみ。大きく負荷のかかるトレーニングではないので、男性だけでなく、女性にもおすすめだ。どれも肩甲骨の動きを意識すること、正しいフォームで行うことがポイントとなる。
タオルシーテッドロウ
- 床に座り、タオルの中央あたりに足裏を引っかける。
- 両足を伸ばし、タオルを太ももがお腹に近づくように身体へ引き寄せよう。
- タオルを引く方向と逆の方向に入れていた力をゆっくり緩めていく。
- 2と3を8~12回程度繰り返す。
2の両足を伸ばす際は、無理のない程度に自分の限界まで伸ばすとよい。
タオルプッシュ&プル
- 両膝を曲げ、肩幅より1.5倍程度の位置でタオルを握る。
- 左右にタオルをピンと引っ張りながら、斜め上に両腕をあげる。
- タオルを引っ張ったまま胸あたりに引き寄せよう。
- 2と3を繰り返す。
この広背筋の鍛え方はトレーニング用のチューブでも代用可能だ。同様の動きをオフィスなどで座って行うだけでも肩回りがほぐれ、肩こりの改善にもつながるだろう。場所を選ばない広背筋の鍛え方なので挑戦しやすいだろう。
ドアロウ
- 両側のドアノブにタオルを巻きつけ、中腰になる。
- ドアに体重をかけて両腕を伸ばそう。
- ドアに体重をかけたまま、肩甲骨を狭めてタオルを引く。
- 2と3を繰り返す。
ドアロウを行う前には、体重をかけても耐えられるドアかどうかしっかり確認してから行おう。
結論
身体の大きな筋肉を鍛えるとなると本格的なトレーニングが必要だと思っていた人もいるだろう。しかし今回紹介した広背筋の鍛え方であれば、自宅にいながら気軽に始められる。さらに、広背筋を鍛えると多くの効果が期待できることも分かった。まずは身近な方法で広背筋を鍛えて、太りにくい身体づくりに挑戦してみてほしい。