1. 手汗とは?手掌多汗症との違い
手汗は生理的な現象であるため、例えば、プレゼンや面接などで緊張したり、何かに興奮したりすると手に汗をかくことがある。しかし、このような原因がなくても、「手掌多汗症」という常に手に大量の汗をかいてしまう病気もある。まずは、そんな普通の手汗と手掌多汗症について確認しよう。
手汗|生理的な現象による発汗
手汗とは、手のひらにかく汗のこと。手のひらには「エクリン汗腺」と呼ばれる汗を分泌する汗腺が多い。実際、その分布は700個/cm3程度であり、背中やおでこなどに比べても多いそうだ。手汗をかく理由はさまざまあるが、特に緊張や興奮などで「手に汗握る状態」だと手汗をかくことが多い。
手掌多汗症|日常生活に支障をきたす手汗
手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)とは、生理的な現象とは関係なく大量に手汗をかいてしまう病気のこと。多汗症(原発性局所多汗症)の一種とされており、大量の手汗によって日常生活に支障をきたす可能性もある。手掌多汗症の場合、足の裏にも大量の汗をかいていることが多いという。
2. 身体が汗をかく理由|3つの発汗のメカニズム
手汗に限らず、人間が汗をかく理由は大きく「精神的発汗」「温熱性発汗」「味覚性発汗」の3種類に分けられる。以下で、身体の発汗のメカニズムについて確認しておこう。
1.精神的発汗|緊張・不安などでかく汗
汗をかく理由の1つ目が、精神的発汗と呼ばれるものだ。人前でプレゼンしたり、取引先と商談したりするなど、緊張する場面でびっしょりと汗をかいた経験がある人も多いだろう。そのような精神的な刺激を受けると汗をかくことがある。特に手のひら、足の裏、脇の下などに汗をかくことが多い。
2.温熱性発汗|体温調節のためにかく汗
汗をかく理由の2つ目が、温熱性発汗と呼ばれるものだ。これは身体を動かしたり、熱い場所にいたりしたときに、体温を正常な範囲に保つためにかく汗のことである。ほぼ全身から出る汗だが、毛穴がない手のひらと足の裏はかかない。全身から持続的に発汗するという特徴がみられる。
3.味覚性発汗|辛い物を食べて出る汗
汗をかく理由の3つ目が、味覚性発汗と呼ばれるものだ。辛い物や酸っぱい物を食べたときに、その反射として額や鼻の頭などに汗が拭き出る。食事により口腔内にある熱覚と痛覚を刺激して、発汗神経が活発になっていると考えられている。食べ物が原因なので、食事が終わると汗は引いていく。
3. 手汗によるトラブル|日常的な困り事・悩み事
手汗の程度にもよるが、手が湿ったり水滴が付いたりすると困る場合も多い。また、手汗が嫌な臭いの原因に繋がる可能性もある。そこで手汗による日常的なトラブルについても確認しておこう。
1.書類などが汚れてしまう
手汗によって日常生活に支障をきたす可能性もある。例えば、仕事中であれば書類をダメにしてしまう、試験中であれば答案用紙などを汚してしまうなどがある。また、手を使う作業をしている際に誤って滑り落としてしまう危険性もある。これにより手汗をコンプレックスに感じてしまうだろう。
2.嫌な臭いに繋がってしまう
手汗が嫌な臭いの原因になってしまう可能性もある。足などに比べると手は簡単に洗えるため、すぐに臭いを落とすことが可能だ。しかし、手汗が多いことで革手袋などに嫌な臭いが付いてしまうこともある。汗そのものに臭いはないが、雑菌が汗の成分などを分解すると嫌な臭いに繋がってしまう。
4. 手汗を減らすには|手汗の基本的な対策方法
手汗の対策方法には、手汗制汗剤を使って手汗を軽減する方法、ハンカチやタオルなどでその都度拭く方法、汗取り手袋で対策する方法などがある。以下で主な手汗の対策方法について確認しよう。
1.手用制汗剤を使う
手汗を減らしたいなら、市販の手汗制汗剤を使うのがおすすめだ。制汗剤にはクロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、塩化アルミニウムなどの制汗成分が含まれており、気になる手汗を軽減する効果が期待できる。クリームやローションなどのタイプがあるため自分に合うものを選ぼう。
2.その都度汗を拭く
一次的に手汗が気になるのであれば、その都度ハンカチやタオルなどで汗を拭くのもおすすめだ。根本的な解決には繋がらないが、手のべっとりとした不快感は和らげることが可能だ。また、ウェットシートやボディシートなどであれば、より手がサッパリとするため不快感が和らぐだろう。
3.汗取り手袋をつける
日常的に手汗が出やすくて困っているなら、汗取り手袋を使用するのがおすすめだ。汗取り手袋は吸収性や速乾性に優れており、指先に生地がない「指なしタイプ」であることが多い。そのため、手汗による不都合を解消できる。手袋をしても問題ない作業やシーンであれば使ってみると良いだろう。
5. おすすめの手汗制汗剤3選|選び方のポイント
市販の手汗制汗剤を選ぶ際は、「制汗成分の種類は何か」「制汗剤のタイプはどんなか」などで判断するのがおすすめだ。特に市販品には、クロルヒドロキシアルミニウムを配合しているクリームタイプの手汗制汗剤が多くある。以下で、おすすめの手汗制汗剤をいくつか確認しておこう。
1.ONE「テサラン デオドラントクリーム3D」
・制汗成分:クロルヒドロキシアルミニウム
・タイプ:手汗クリーム
「テサラン デオドラントクリーム3D」は、制汗成分と殺菌成分をダブルで配合した手汗用のクリームである。そのため、手汗だけでなく、手汗による臭いのシャットアウトまで期待できる。3D乳化技術を採用しており、手に馴染みやすいのが特徴のひとつ。内容量は25gとなっている。
・タイプ:手汗クリーム
「テサラン デオドラントクリーム3D」は、制汗成分と殺菌成分をダブルで配合した手汗用のクリームである。そのため、手汗だけでなく、手汗による臭いのシャットアウトまで期待できる。3D乳化技術を採用しており、手に馴染みやすいのが特徴のひとつ。内容量は25gとなっている。
2.スタビライザー「サラテ デオドラントクリーム」
・制汗成分:クロルヒドロキシアルミニウム
・タイプ:手汗クリーム
「サラテ デオドラントクリーム」は、エイジツエキスやオウバクエキスをはじめ、9種類の保湿成分を配合している手汗専用のクリームである。無香料タイプなので周りの人に気付かれにくく、低刺激なので肌が弱い方などでも使いやすいことが特徴といえる。内容量は30gとなっている。
・タイプ:手汗クリーム
「サラテ デオドラントクリーム」は、エイジツエキスやオウバクエキスをはじめ、9種類の保湿成分を配合している手汗専用のクリームである。無香料タイプなので周りの人に気付かれにくく、低刺激なので肌が弱い方などでも使いやすいことが特徴といえる。内容量は30gとなっている。
3.ニバーサル物産「テノミカタ」
・制汗成分:クロルヒドロキシアルミニウム
・タイプ:手汗クリーム
「テノミカタ」は、11種類の植物由来成分を配合している手汗専用のクリームである。伸びが良くて手に馴染みやすいよう作られているため、付けたあとのベタベタ感が少ないという。また、肌に優しいため敏感肌の方や子どもでも使いやすいという特徴がある。内容量は30gとなっている。
・タイプ:手汗クリーム
「テノミカタ」は、11種類の植物由来成分を配合している手汗専用のクリームである。伸びが良くて手に馴染みやすいよう作られているため、付けたあとのベタベタ感が少ないという。また、肌に優しいため敏感肌の方や子どもでも使いやすいという特徴がある。内容量は30gとなっている。
6. 手汗が酷い場合は皮膚科に受診を!
1年中いつでも手汗が止まらない場合や、市販の制汗剤で手汗が改善しない場合は、皮膚科の受診をおすすめする。もしかしたら「手掌多汗症」の可能性があるため、医療機関で適切な診断や治療などを受けるほうが望ましい。一人で悩まずに、まずは医師に相談してみると良いだろう。
結論
手汗は生理的な現象であるため、誰でも緊張したり興奮したりすると手汗をかく。しかし、その手汗の程度には個人差があり、日常生活で不都合になっている人もいる。もし手汗に悩んでいたら手汗制汗剤や汗取り手袋などを使ってみると良いだろう。また、これらで対策しても改善が見られない場合には、一人で我慢せずに皮膚科などの医療機関に相談してみよう。