1. 筋膜リリースとは?

筋膜リリースとは、本来は「ハイドロリリース」とも呼ばれる医療分野で使われていた筋膜性疼痛の治療法のこと。しかし、現在はフォームローラーなどを使ったストレッチを指すことが多い。ストレッチとしての筋膜リリースには、筋肉をほぐしたり、身体のバランスを整えたりする効果があるとされている。なお、やりすぎると筋肉や皮膚などを傷つけるリスクがあるので注意が必要になる。
2. 筋膜リリースをやりすぎるとどうなる?

筋膜リリースをやりすぎると、筋肉や皮膚などを傷つけるリスクがあるという。例えば、筋肉痛のような揉み返しが生じたり、アザや内出血ができたりする可能性がある。また、気分が悪くなったり、だるさが残ったりすることもある。これらのトラブルを防ぐためにも、筋膜リリースのやりすぎには注意しよう。
3. 筋膜リリースをやりすぎないためのポイント

筋膜リリースのやりすぎにはデメリットが少なくない。そのため、筋膜リリースをやりすぎないようにするのが重要だ。以下に筋膜リリースのやりすぎを防ぐためのポイントをまとめておく。なお、フォームローラーなどを使用する際は、添付してある「取扱説明書」をよく確認しておこう。
1.気持ち良い範囲で取り組む
筋膜リリースを行う際は、「気持ち良い」と感じる範囲にとどめておくのが重要だ。間違ったアドバイスの一つに「痛ければ痛いほど良い」というものがあるが、強い圧で行うと筋肉や皮膚などへの負荷が大きくなってしまう。「痛い=効果がある」ではないので注意して行うようにしよう。
2.時間を徐々に長くする
筋膜リリースを行う際は、「90秒程度かけてゆっくりと伸ばす」と良いとされている。しかし、慣れないうちは、無理をしないためにも20~30秒程度と短い時間にするのが望ましい。また、頻度としては、午前・午後・入浴後など複数回に分けるほうが良いとされている。
3.柔らかい素材のアイテムを使う
フォームローラーなどを使う場合は、柔らかい素材のアイテムにするのが望ましい。素材が硬い場合は圧が強くなるため、筋肉や皮膚などを傷つけるリスクが高くなる。「ソフトタイプ」のフォームローラーを選んだり、販売サイトの口コミなどを確認したりするのがおすすめだ。
4. もし筋膜リリースをやりすぎた場合は?

筋膜リリースで痛みを感じる場合は、すぐにストレッチを中止するのが望ましい。また、揉み返しのような痛みが生じている場合は、アイシング(患部を冷やすこと)をするのがおすすめだ。アイシングは、氷を入れたアイスバッグやタオルで巻いた保冷剤を患部に当てることで行える。1回あたり10~15分程度を目安とし、あまり長時間冷やしすぎないように注意しよう。
結論
筋肉をほぐしたり、身体のバランスを整えたりするのに役立つ「筋膜リリース」。しかし、筋膜リリースをやりすぎるとかえって身体の不調を引き起こす可能性もある。ここで紹介した注意点などを正しく理解して、無理のない範囲で安全に取り組むようにしよう。
(参考文献)
- ※:健康長寿ネット「筋膜リリースの効果と方法」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shintai-training/kimmakuririsu.html