- 1. そもそも「筋肉痛」とはなにか
- 2. 筋トレをしても筋肉痛にならない理由
- 3. 筋肉痛にならない筋トレは無意味?効果はある?
- 4. 筋肉痛の最中の筋トレは逆効果!早く治す方法は?
- 5. 筋肉痛にならなくても筋肉が増えているか確認する方法
- 6. 筋肉痛にならなくてもOK!効果的な筋トレのコツ
- 7. 筋肉痛にならないための筋トレのコツ
- 同じ種目を続けている
- フォームややり方が誤っている
- 負荷が軽すぎる
- 筋繊維の修復(超回復)が早い
- 筋トレ前後のストレッチが効いている
- 十分な栄養を摂取する
- 十分な休息(睡眠)をとる
- 血行をよくする
1. そもそも「筋肉痛」とはなにか
筋肉痛とはいったい何か、なぜ起こるのかといった基本的なところを簡単に説明しておこう。
「筋繊維の損傷による炎症」と考えられている
筋肉痛のメカニズムは解明されていないが、筋繊維の損傷に起因すると考えられている。筋トレによって筋繊維が傷つき、回復することでより大きく、強くなる。この「回復」の過程でさまざまな炎症反応が起こり痛みが発生する、すなわち筋肉痛になるというわけだ。
2. 筋トレをしても筋肉痛にならない理由
筋トレをしても筋肉痛にならない理由はいくつかあるが、主に次の5つのいずれかであることが多い。
それぞれ、詳しく解説していこう。
同じ種目を続けている
同じ種目の筋トレを続けていると、筋肉がその動きや負荷に慣れてしまう。結果として筋繊維が破壊されず、筋肉痛にならなくなるということが考えられる。負荷を上げる、あるいは部位または同じ部位でも種目を変えるといったことを試してみよう。
フォームややり方が誤っている
筋トレのフォームが正しくないと、狙った筋肉に負荷がかからないことがある。結果として筋肉痛にならないだけでなく、関節を痛めるといったケガのリスクも生じる。この場合は効いていないと考えられるため、正しいフォームを身につけるところからやり直そう。
負荷が軽すぎる
筋肉にかかる負荷が軽すぎた場合も筋肉痛にはなりにくい。ダイエットなどでエネルギーを消費することが目的であればよいが、筋肉を大きくすることが目的であれば回数を増やすなど負荷を高める工夫を取り入れよう。
筋繊維の修復(超回復)が早い
筋トレのあと栄養と休息を十分とることで傷ついた筋繊維が修復され、よりも大きく(強く)なる。この一連の流れを筋肉の「超回復」という。筋トレのあと速やかに必要な栄養素を補給し休息を設けられた場合、早く修復されて筋肉痛にならないことがある。
筋トレ前後のストレッチが効いている
筋トレ前のストレッチで筋肉をほぐし、筋トレ後のストレッチで効果的に疲労回復させられた場合、筋肉痛にならないこともありえる。
3. 筋肉痛にならない筋トレは無意味?効果はある?
筋肉痛にならない筋トレを継続しても意味はあるのだろうか?それとも筋肉痛になるレベルで継続していかないと効果が得られないのだろうか?
筋肉痛にならなくても効果はある
筋トレのあとに筋肉痛にならなくても効果はある。冒頭でお伝えした通り、筋肉痛は傷ついた筋繊維が回復する過程で起こる炎症反応によるものだ。筋トレ初心者や発達していない部位の筋トレをした場合、とくに筋肉痛になる可能性が高い。
「筋肉痛=効いている」と思い込んでいる方は「筋肉痛にならない=効いていない」と感じるだろう。もちろん負荷が軽すぎれば効果がないが、正しいフォームで適切な負荷をかけているのであれば、筋肉痛にならなくても効いていると思ってよい。
筋肉痛になることを目的としない
筋肉痛=効いていると思い込んでいる方は、筋肉痛にならないことに不安を覚え、負荷を高め過ぎたり回数を無理に増やしたりしすぎないように注意が必要だ。それによりケガを招いたり関節を痛めたりするおそれがある。
上述のように「正しいフォーム」で「適切な負荷(重量や回数など)」がかけられていれば、たとえ筋肉痛にならなくても効いているはずだ。無理をすることだけは避けよう。
4. 筋肉痛の最中の筋トレは逆効果!早く治す方法は?
筋肉痛が起こっている状態で筋トレをすれば、さらに大きな負荷や刺激が与えられる=筋肉がより強く、大きくなるといった情報も散見された。だがそれは逆効果になりかねない。その理由を、筋肉痛を少しでも早く治すためのポイントとともに解説しよう。
同じ部位を痛めつけるのはNG
筋肉痛は筋繊維が回復する過程で起こる炎症反応によるものとお伝えした。筋繊維がまさに今、回復しようとしているところにさらなる負荷や刺激を与えてしまうと、よりダメージが大きくなり回復にも時間がかかるようになってしまう。
無意識に痛みをかばってフォームが乱れ、思わぬケガを招くといったリスクも大いにあるし、そもそも痛みで十分なパフォーマンスを出せないことも多い。筋肉痛のときは休むか別の部位の筋トレをする程度に留め、痛みがある部位を休息させることを心がけよう。
筋肉痛を少しでも早く治す方法とは?
筋肉痛を少しでも早く治すには、筋繊維の修復を手助けすることが大切だ。たんぱく質やビタミンB1といった栄養素を意識的に摂取するとともに、こまめな水分補給も心がけよう。筋肉を休ませるための時間や、血行をよくするストレッチあるいはマッサージなどもおすすめだ。
5. 筋肉痛にならなくても筋肉が増えているか確認する方法
頭ではわかっていても、筋トレをしたあと筋肉痛にならないと効いていないのではないか、筋肉が大きくならないのではないかと不安になる方もいるだろう。そんなときは、筋肉が実際に肥大しているかどうか確認し不安を解消しよう。
体組成計で骨格筋率や筋肉量などの各種数値を調べる
脂肪・筋肉・骨などの組織を測定できるのが体組成計だ。筋肉痛にならなくても、体組成計の数値上で基礎代謝が増えていれば、筋肉が鍛えられていると判断できる。体脂肪率や骨格筋率も測定できるので、筋肉が増えたのか体脂肪が落ちたのかなども把握しやすい。
重量やレップ数が増えているかどうかでも確認できる
たとえ筋肉痛にならなくても、以前と比べて重量が増えていたりレップ数が増えていたりすれば、それは筋肉が強く、大きくなっていると判断できる。
6. 筋肉痛にならなくてもOK!効果的な筋トレのコツ
せっかく筋トレをしていても、筋肉痛にならなかったり思ったほどの成果を実感できなかったりすると、諦めてしまいそうになるかもしれない。だが筋トレは継続性が重要だ。効果をきちんと得るための筋トレのコツをお伝えする。
筋肉痛になったら休む
筋肉痛が発生している最中は筋繊維の修復がまだ終わっていない。上述のように筋肉痛の最中に筋トレを重ねると炎症が悪化し、最悪の場合は筋肉が減るなど逆効果になる。筋肉痛が出ている場合は、ほかの部位を鍛えるトレーニングを取り入れるなどしよう。
同じ部位を毎日筋トレしない
部位にもよるが、超回復には24〜72時間程度の時間が必要とされている。このことから、同じ部位の筋トレを毎日するよりも、適度に休養を挟むほうが成果につながりやすいと覚えておこう。
休息(睡眠)をしっかりとる
超回復のための休息、睡眠をしっかりとることも大切だ。立派な「筋トレの一環」と捉え、傷ついた筋繊維の修復に自らも協力してあげよう。
必要な栄養素を摂取する
脂肪を減らしたければ消費カロリーよりも摂取カロリーのほうが少なくなるようにコントロールする。筋肉を増やしたければたんぱく質、ビタミン、ミネラル、糖質などを意識的に摂取する。自分に必要な栄養を理解することも立派な筋トレの一環である。
【プロテインでたんぱく質を補うのもおすすめ】
筋繊維の修復や筋肉の肥大化にはたんぱく質が欠かせない。だが必要量を食事だけで摂るとカロリーオーバーになることもある。そんなときはプロテインがおすすめだ。筋トレ後30〜60分の「ゴールデンタイム」に飲むことで、身体や筋肉の疲労回復の手助けともなる。
ダイエット目的なら有酸素運動と組み合わせる
こちらは主にダイエット目的の方におすすめしたいのだが、筋トレのあとに有酸素運動をおこなうと効率よく脂肪燃焼させられる。
7. 筋肉痛にならないための筋トレのコツ
筋肉痛は日常生活に支障をきたすこともある。そのため「筋トレはしたいが、できれば筋肉痛にはなりたくない」という方もいるだろう。負荷を減らせば筋肉痛にはなりにくいが、それだと効果も小さくなりかねない。ではどのようなことを意識すればよいのだろうか?
筋トレ前後にしっかり栄養を補給する
筋トレ前に栄養補給をしよう。主に必要とされるのは炭水化物なので、効率的に摂ることができるバナナなどがおすすめだ。同じく筋トレをしたあとは、上述のようにプロテインなどでたんぱく質を補給したりビタミンB1を摂取したりしよう。
筋トレ前後に入念にストレッチをする
準備運動もせずいきなり100mを全力疾走すると肉離れなどのリスクがあるように、筋トレにも準備が必要だ。事前に入念なストレッチをおこない筋肉をほぐしておこう。筋トレのあとも、ストレッチをすると疲労回復が早まるといわれている。これらをセットで筋トレと考えよう。
軽い負荷から始めて慣れさせる
初心者の方はとくに、最初は軽い負荷から始めて筋肉が慣れるための時間を設けるとよい。筋トレを継続すれば徐々に強くなり、負荷に慣れてくれば筋トレをしても筋肉痛になりにくくなる。この状態になったら少しずつ重量やレップ数を増やしていこう。
休息と睡眠をしっかりとる
休息と睡眠は超回復のための時間である。メリハリをつけることは筋トレ効果を高めることにもつながる。休んでいる間も筋肉は発達しようとしていることを忘れないようにしよう。
結論
筋トレをしたあと筋肉痛にならないからといって、必ずしも効いていないわけではない。正しいフォームと適切な負荷がかけられていれば、筋トレ効果は十分期待できる。筋肉痛にならないからと負荷を上げすぎたりレップ数を増やしすぎたりなど、過度な筋トレは避けよう。筋トレと筋肉痛の関係性を知り、より効率的なトレーニングにつなげていただきたい。