1. 腹直筋の下部は鍛えにくい理由が知りたい

まずは、腹直筋の下部が鍛えにくいといわれる理由について見ていこう。
腹直筋の下部は動かしにくい
腹直筋の下部は、骨盤を肋骨に近づけるときに動く筋肉だ。そのため、簡単な腹筋トレーニングでは、腹直筋の下部を効率的には鍛えにくい。筋トレでは鍛える筋肉に意識を向けることが大切なため、腹直筋の下部を鍛えるときは骨盤の動きにも注意するとよいだろう。
腹直筋はシックスパックにも関係する
腹直筋は主に背中を丸めたり伸ばしたりするときに動く筋肉であり、身体を支えるうえでも重要だ。微細な動きが可能になるよう、生まれたときから6つ~8つの筋肉に分かれて左右に並んでいる。シックスパックが見えるかどうかは体脂肪が関係しており、男性では10%以下だと形状が表面に出やすくなる。シックスパックを目指すときには覚えておこう。
2. 腹直筋の下部を鍛えるメリットは?

次に、腹直筋の下部を鍛えるメリットについても確認しておこう。
下腹ぽっこりを回避
腹直筋の下部を鍛えると、腹部が前方に膨らんだり垂れたりすることを避けやすくなる。反対に、腹直筋の下部の筋力が落ちると適切な位置で内臓を支える力も弱まるため、腹部が膨らみやすい。加えて「下腹」と呼ばれる部分は脂肪がつきやすい部位でもあるため、腹直筋の下部を鍛えておくことは重要だ。
猫背などの解消
腹直筋の下部を鍛えると、猫背や肩こりなどの解消にも役立つ。猫背や肩こりは、腹直筋の硬さが原因の場合もあり、鍛えることで柔軟性を取り戻せる。姿勢が気になるときには、腹直筋の下部も意識してみよう。
3. 腹直筋下部の鍛え方とは

ここでは、腹直筋の下部を鍛える3つの方法を紹介しよう。
レッグレイズ
- 仰向けに寝てヒップの下に手を置く
- 膝は軽く曲げた状態で足を伸ばし、顔を上げてへそをのぞき込む
- 2の姿勢をキープしたまま、足を90度まで上げる
- 足を上げきると同時に息を吐ききるようにするとより効果的だ
- 10~15回×3セットを目標にしよう
(POINT)
腹直筋の下部は骨盤が肋骨へ近づくときに作用するため、1の姿勢をとったときに骨盤が後傾していることを確認しよう。
腹直筋の下部は骨盤が肋骨へ近づくときに作用するため、1の姿勢をとったときに骨盤が後傾していることを確認しよう。
バイシクルクランチ
- 仰向けに寝て、膝を90度に曲げながら足を上げる
- 両手を頭の後ろで組み、顔を上げてへそをのぞき込む
- 身体をひねって右ひじと左膝を近づける。このとき右足は伸ばしておく
- 反対側も同様に行う
- 左右10回ずつ計20回を1セットとし、3~5セットを目標にしよう
(POINT)
可能であれば1つの動作を2秒ほどキープしながら行うと、より腹直筋の下部に効果的だ。
可能であれば1つの動作を2秒ほどキープしながら行うと、より腹直筋の下部に効果的だ。
ニーレイズ
- 仰向けに寝て、へそをのぞき込むようにして顔を上げる
- 手を45度に開き、腰が浮かないよう注意しながら膝を曲げていく
- 膝を胸へと近づけていき、腰が浮かないギリギリのところで停止する
- ゆっくりと足を下ろしていく
- 15~20回×3セットが目標だ
(POINT)
反動を使わないよう注意して行うと、より腹直筋の下部に効果的である。
反動を使わないよう注意して行うと、より腹直筋の下部に効果的である。
4. 腹直筋下部の筋肉痛が出たらどうする?

トレーニングを繰り返していくときには、腹直筋の下部に筋肉痛が出る場合もある。そんなときには、以下のことを行うとよいだろう。
筋トレを休む
腹直筋の下部の筋肉痛が激しい場合は、休息も大切だ。無理してトレーニングを続けても、効率的な筋力強化にはならない。筋肉痛が和らぐまでは、トレーニングを控えよう。
水分を多くとる
筋肉の約8割は水のため、水分補給は欠かせない。また、筋トレ後に発生する乳酸などの老廃物を排泄するうえでも水分は重要だ。喉の渇きを感じる前に、こまめに少量ずつの水分摂取を心がけよう。
BCAAを摂る
筋肉の材料であるBCAAの摂取も効果的だ。BCAAは「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」という3つのアミノ酸の総称で、プロテインやサプリメントでも摂取できる。腹直筋の下部に筋肉痛が発生したときには、摂取を検討してみるとよいだろう。
結論
腹直筋の下部は、腹筋の中でも意識しにくく鍛えにくい筋肉だ。そのため、適切な筋トレ方法を取り入れることが重要である。鍛えていくと下腹が膨らみにくくなったり、猫背などの姿勢が整ったりすることが期待できるだろう。トレーニングしていく中で筋肉痛が発生した場合には、水分やBCAAの摂取や休息が効果的だ。本記事が腹直筋下部を鍛えるときの参考になれば幸いである。