目次
1. ふくらはぎマッサージに期待できる効果

ふくらはぎマッサージにはさまざまな効果が期待できる。たとえば次のようなものだ。
血行促進
ふくらはぎマッサージの効果としてまず挙げられるのが血流の改善だ。下半身は血液の7割が集中する部位である。筋ポンプの役割を担うことから「第二の心臓」といわれるふくらはぎをマッサージすることで、全身の血行促進効果が期待できる。
むくみ解消
ふくらはぎマッサージで血行が促進されると、体内の老廃物や毒素、余分な水分などが排出されやすくなる。その結果むくみが解消され、ふくらはぎの引き締め効果が期待できる。
疲労回復
ふくらはぎマッサージで血行が促進されることにより、疲労回復効果も期待できる。ふくらはぎは歩行や姿勢の維持など、日常的に疲れが溜まりやすい部位のひとつである。ふくらはぎが疲れている、重いといった方はぜひふくらはぎマッサージを試してみてほしい。
ツボ押し効果も
ふくらはぎには胃腸や背中、肩や顔など全身にまつわるツボが多く存在している。ふくらはぎマッサージをすることにより、足はもちろん身体全体へのうれしい効果が期待できるというわけだ。
2. 椅子に座ってできるふくらはぎマッサージ

それでは、実際にふくらはぎマッサージのやり方を紹介していこう。まずは座ったまま手軽にできるふくらはぎマッサージからだ。デスクワークの方もできるメニューを紹介する。
椅子に座ったままできるふくらはぎマッサージのやり方
- 椅子に座り、ほぐしたい方を上にして足を組む
- 下になった膝をふくらはぎに押し当てる
- 上にした足の自重を利用し、ふくらはぎをゆっくり降ろして(滑らせて)いく
- 上下の足を入れ替え、同じようにマッサージする
ポイントは、ふくらはぎを縦に内側・中心・外側の3部位に分けることだ。それぞれ5回ずつほぐしていこう。
3. 膝裏を刺激してむくみを解消するふくらはぎマッサージ

続いて、膝裏を刺激するマッサージのやり方を見ていこう。こちらは床に座っておこなうマッサージで、膝裏からリンパを刺激することで老廃物を流しむくみを解消する効果が期待できる。
膝裏を刺激するふくらはぎマッサージのやり方
- 足を伸ばして床に座る
- 膝裏に丸めたバスタオルやクッションを敷いて支えにし、足の力を抜く
- ほぐしたいほうの膝を両手でつかみ、親指以外の4本指を膝裏に当てる
- 膝を軽く上げ下ろしし、4本指で膝裏を刺激する
- 20回ほど上げ下ろししたら、そのまま今度は膝を左右に揺らす
- 膝裏がほぐれてきたら感じがしたら、反対の足も同様にマッサージする
膝を上げて下ろした際、4本の指が膝裏をグッと刺激してくれる。こちらも特別な力などは不要のマッサージなので、テレビを観ながら気軽にできるだろう。
4. リンパの流れを促進するふくらはぎマッサージ

お次は、リンパの流れを改善・促進するふくらはぎマッサージのやり方だ。実は、ふくらはぎはリンパマッサージでとくに高い効果が期待できる。外側の少し張った部分と、内側の骨に沿った部分を意識するのがポイントだ。
リンパの流れを促進するふくらはぎマッサージのやり方
- 床に座り、マッサージしたいほうの膝を立てる
- 外側→内側の順に、下から上へ拳で擦り上げる
- 外側内側が終わったらふくらはぎを両手でつかみ、足首を起点に下から上へ揉み上げる
- ふくらはぎ全体がほぐれたら、膝裏を指で押してリンパを刺激する
ふくらはぎを両手でつかむ際は、両手の親指がスネの骨の左右に、左右の人差し指から小指までの4本がふくらはぎの中心に当たるようにしよう。
5. 血行促進を目的としたふくらはぎマッサージ

ふくらはぎマッサージには血行をよくする効果があるとお伝えしたが、その際、足指からマッサージを始めることでさらに高い効果が期待できる。そのやり方を紹介しよう。
血行促進を目的としたふくらはぎマッサージのやり方
- 片膝を立てて座ったら、手の指を足指の間に入れて開き、足首を回す
- 足指を1本ずつつかみ、前後(自分から見て手前・奥)に倒しながらほぐしていく
- 足指マッサージが終わったら足全体を両手でつつむ
- 足指の付け根から足の甲に向かって押し上げる
- 膝裏を指で強めに押してリンパを刺激する
- ふくらはぎを両手で下から上に揉み上げてほぐす
- 老廃物を一気に流すイメージで、足首から膝裏に向かって擦り上げる
やや工程が多いが、足指を刺激することで血行の大幅な促進が期待できる。ぜひ試してほしいマッサージだ。
6. お疲れの方に!足が軽くなるふくらはぎマッサージ

ふくらはぎがむくんでいる、筋肉不足で冷えているなどという方にもおすすめのマッサージを紹介しよう。
足が軽くなるふくらはぎマッサージのやり方
- 膝を立てて座り、両手を軽く組んで揉みたいふくらはぎに当てる
- 両手のひらと手首(手根)部分でグッ押しつぶすように圧迫する
- アキレス腱の上〜膝裏あたりまで、位置をずらしながら下から上へ揉み上げる
- 10回程度を目安に左右両方のふくらはぎをマッサージする
血行がよくなっている入浴後などがおすすめだ。リンパの流れを改善するマッサージなどと組み合わせるのもよいだろう。
7. ふくらはぎにあるツボとその効果

ふくらはぎには全身にまつわるツボも点在している。代表的なツボの位置と期待できる効果について解説しよう。
足三里
足三里(あしさんり)は、足の疲れや消化器系の不調に効くとされるツボだ。スネの骨の上部外側、膝の皿の外側下にあるくぼみから、指4本分ほど下にある。指先や親指の腹などで5秒ほどかけてじっくり押していこう。
承筋と承山
承筋(しょうきん)と承山(しょうざん)は、筋肉をほぐす効果や血行促進などが期待できるツボだ。承筋はふくらはぎの縦中央のラインのもっとも盛り上がっている部分にあり、承山はそのライン上の、アキレス腱とふくらはぎの筋肉の境目にできるくぼみ部分にある。承山はつま先立ちをすると分かりやすいかもしれない。いずれも両手の親指を重ねて5秒ほどかけてじっくり押してみよう。
陰陵泉
陰陵泉(いんりょうせん)は、体内の余分な水分を取り除くといった効果が期待できるツボだ。膝の内側のもっとも盛り上がった骨のすぐ下にあるくぼみがそれに当たる。親指の腹を使って5秒ほどかけてじっくり押そう。
三陰交
三陰交(さんいんこう)は血行促進などに効果があるツボで、内側のくるぶしのもっとも高くなっている部分から、指4本分上にいった骨のキワにある。やはり親指の腹などで5秒ほどかけてゆっくり押すとよい。
8. ふくらはぎマッサージが「痛い」と感じる理由

ふくらはぎマッサージをしていて「痛い」と感じることがある。理由はいくつか考えられるが、たとえば老廃物や余分な水分でむくんでいたり、ツボがつながっている臓器に不調が見られたり、何らかの原因で筋肉に炎症が起こっていたりすることなどが挙げられる。
無理に押さずに軽くさする程度に留めたり、あまりにも痛みが強いときは医療機関の受診も検討しよう。
無理に押さずに軽くさする程度に留めたり、あまりにも痛みが強いときは医療機関の受診も検討しよう。
9. ふくらはぎマッサージをする際の注意点

最後に、ふくらはぎマッサージで効果を得るための注意点をお伝えしよう。
揉みすぎに注意
ふくらはぎマッサージは疲労回復に効果的だが、揉みすぎは気をつけよう。揉み返しを招くおそれがあるためだ。痛気持ちいい強さで、ほどほどに揉むことが大切だ。
ケガや炎症などがある方も注意
捻挫や打ち身、そのほかのケガや炎症がある方および、静脈瘤がある方なども控えたほうがよいだろう。手術後の方なども、念のため医師に確認してからマッサージすることをおすすめする。
そのほか、体調が悪いときや食後も控えよう
ふくらはぎマッサージには血行促進効果がある。それにより、上記以外でも体調が悪いときは症状を悪化させるリスクがゼロではないため注意しよう。また本来胃腸に流れるべき血液が全身に分散し、消化を妨げるおそれもある。食後2時間程度は控えたほうがよいだろう。もちろん飲酒もNGだ。アルコール成分が身体にまわりやすくなるだけでなく、感覚が鈍り揉みすぎてしまうことも考えられる。
ふくらはぎのウォーミングアップをするのもおすすめ
ふくらはぎマッサージの効果を高めるには、冷えた状態でいきなりおこなうのではなく、軽くウォーミングアップをしてからにするとよい。足を伸ばして床に座り、足首を前後に押し倒してふくらはぎの筋肉を伸ばす。次に、ふくらはぎ全体を優しくさする。指圧はせず、軽く触れる程度にとどめよう。軽くウォーミングアップするだけで、より高いふくらはぎマッサージの効果が期待できるとともに、不意に筋肉を傷つけてしまうリスクも低減できる。
結論
ふくらはぎマッサージは器具などを使わず手軽にできるのが利点だ。「第二の心臓」と呼ばれるほど血液循環において重要な役割を果たすうえ、疲れが溜まりやすい部位でもあるので、マッサージを習慣化するのもよいだろう。マッサージとツボ押しをあわせておこなうのもおすすめだ。