1. 背中の筋肉の名前一覧を知ろう

背中の筋肉の名前を、部位別に注目して紹介していこう。
広背筋(こうはいきん)
広背筋は、身体全体の中で最も大きな面積を持つ筋肉だ。肋骨の側面や骨盤から肩甲骨の内側まで、逆三角形に広がっている。背中の表面積の3分の2は広背筋が占めている。
僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋は、首の後ろから肩、背中の中央部にかけて広がる筋肉の名前だ。頭蓋骨下部から胸椎、肩甲骨にかけて広がっている。さらに肩甲骨の動く方向によって、上部筋繊維、中部筋繊維、下部筋繊維に分かれている。
肩甲挙筋(けんこうきょきん)
肩甲挙筋は、肩甲骨から首の骨である頚椎をまたぐように付く筋肉。僧帽筋と同時に作用する。肩こりの原因が肩甲挙筋である場合も多い。
菱形筋(りょうけいきん)
菱形筋は、僧帽筋の下に斜めに広がる筋肉の名前。さらに、胸椎に付着するものを大菱形筋、頚椎に付着するものを小菱形筋と呼ぶ。どちらも肩甲骨にかけて薄く広がっている。
大円筋(だいえんきん)
大円筋は、肩甲骨後部の外側から上腕へとつながるインナーマッスルだ。広背筋と同時に作用する。
小円筋(しょうえんきん)
小円筋は、肩甲骨後部の外側から上腕へとつながるインナーマッスルで、大円筋の上に位置する。
棘下筋(きょくかきん)
棘下筋は、肩甲骨の出っ張りである「肩甲棘」につながる筋肉の名前だ。肩甲棘から下を覆い、上腕に付着する。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋は、頭部から背骨沿いに骨盤にかけてつながる筋肉で、棘筋・最長筋・腸肋筋をの総称だ。
2. 背中の筋肉の名前別の役割とは?

背中の筋肉の名前がわかったところで、それぞれの部位の役割をみていこう。役割を知れば、筋力トレーニングに活かすことができるだろう。
広背筋は腕を上や前から引き寄せる
広背筋は主に、肩関節の内転動作に関わり、腕を上や前から引き寄せる役割がある。したがって、日常生活では物を引く動作で使われることが多い。また、背筋を伸ばしたり、上半身をひねったりする動作にも作用する。
僧帽筋は腕を下から引き寄せる
僧帽筋は肩甲骨を引くことで、腕を下側から引き寄せる役割をもつ。日常生活では物を引いたり、のけぞったりする際に使われる。また、三角筋を補助し、肩甲骨を安定させる作用もある。
肩甲挙筋は肩甲骨を引き上げる
肩甲挙筋は僧帽筋と同時に作用することが多く、肩甲骨を上へ引く役割がある。筋肉の中央がねじれた構造になっており、肩こりを引き起こす原因にもなる。
菱形筋は腕を下から引き寄せる
背中にある大小の筋肉を合わせた名称である菱形筋は、肩甲骨を上に引っ張ったり、脊柱に引き寄せたりする役割がある。日常生活では、腕を下から引き寄せる動作に使われる。
大円筋と小円筋は脇を締める
背中の筋肉である大円筋と小円筋は、その名の通り似た役割を持つ。収縮することで上腕が肩甲骨へ引き寄せられるので、脇を締める動作につながる。また逆に、腕を身体の後ろにもっていく際にも作用する。背中の側部の凹凸に関わることから、美しいボディを作るには重要な部位だ。
棘下筋は腕を外側に回す
棘下筋は、小円筋とともに腕を外側に回す役割がある。また、腕を水平に広げる際にも作用する。さらに、肩の後方への安定性に重要であるため、野球やバレーボールなどでは重視される部位である。
脊柱起立筋は上半身を真っすぐにする
脊柱起立筋は、脊椎を支えることで背筋を伸ばし、上半身を真っすぐにする役割をもつ。また、背筋を横に倒す際にも作用する。姿勢の維持に重要な部位だ。
3. 背中の筋肉の鍛え方

背中の筋肉は名前と役割に応じて鍛え方が異なる。ここでは、背中の筋肉の名前ごとに、具体的なトレーニング内容をみていこう。
広背筋や僧帽筋にはワンハンドローイング
ダンベルや水を入れたペットボトルを使う代表的なトレーニングだ。広背筋の中央部や、僧帽筋にアプローチすることで、逆三角の分厚い背中へ近づけられる。
まず、片手と同じ側の片膝を椅子やソファーに乗せる。腰から首筋への一直線を保ちつつ、椅子に乗せた方とは逆の手でダンベルを持つ。そのままダンベルを斜め後ろ側へ引き上げ、降ろす。左右を入れ替えて同様の動作を行う。
まず、片手と同じ側の片膝を椅子やソファーに乗せる。腰から首筋への一直線を保ちつつ、椅子に乗せた方とは逆の手でダンベルを持つ。そのままダンベルを斜め後ろ側へ引き上げ、降ろす。左右を入れ替えて同様の動作を行う。
脊柱起立筋にはダンベルデッドリフト
背中の筋肉の集合の名前である脊柱起立筋には、ダンベルデッドリフトが効果的だ。背筋を伸ばし、姿勢が良くなることで、美しいシルエットが手に入るだろう。
まず、足を腰の幅程度に開いて直立し、ダンベルを両手に持って太ももの前あたりに準備する。ダンベルを身体の前面に沿わせつつ、膝を股関節を曲げて、身体を降ろしていく。ダンベルが足首あたりまで降りたら、同じ軌跡をたどり、元の姿勢に戻る。
まず、足を腰の幅程度に開いて直立し、ダンベルを両手に持って太ももの前あたりに準備する。ダンベルを身体の前面に沿わせつつ、膝を股関節を曲げて、身体を降ろしていく。ダンベルが足首あたりまで降りたら、同じ軌跡をたどり、元の姿勢に戻る。
肩甲挙筋と菱形筋にはダンベルシュラッグ
ダンベルシュラッグは、僧帽筋を鍛える際に用いられることの多いメニューだが、関連する肩甲挙筋と菱形筋を同時に鍛えることもできる。
まず足を肩幅程度に開き、背筋をしっかり伸ばして立ったら、腕と肘を伸ばした状態でダンベルを持つ。肘は伸ばしたままで、首をすくめるように肩甲骨を引き寄せ、ダンベルの位置を上げる。
肩甲骨を引き寄せきったら、少しあごを上げ、僧帽筋を限界まで収縮させる。そのままゆっくりと元の姿勢に戻り、これを繰り返す。肩や腕の関節を使うと効果が半減するので、あくまでも肩甲骨だけを使うように心がけよう。
まず足を肩幅程度に開き、背筋をしっかり伸ばして立ったら、腕と肘を伸ばした状態でダンベルを持つ。肘は伸ばしたままで、首をすくめるように肩甲骨を引き寄せ、ダンベルの位置を上げる。
肩甲骨を引き寄せきったら、少しあごを上げ、僧帽筋を限界まで収縮させる。そのままゆっくりと元の姿勢に戻り、これを繰り返す。肩や腕の関節を使うと効果が半減するので、あくまでも肩甲骨だけを使うように心がけよう。
結論
背中に限らず、トレーニングやストレッチをする際には、筋肉の付き方や役割を理解しておくことが重要だ。どの部位をどのように動かしているのかを意識することで、メニューの効果が格段にアップすることだろう。背中の筋肉の名前や役割を理解し、ぜひ美しい背中を手に入れてほしい。