1. ゆるHIITとは?効果を知ろう

最初に、ゆるHIITとは何かを紹介しよう。そのためにはまず、HIITについて理解するのが先決だ。
HIITとは
HIIT(ヒット)とは、高強度の運動を短時間、かつ断続的に行うことで、急激に心拍数を高めるトレーニングだ。このトレーニングでは、時間あたりのカロリー消費が非常に多く、また運動後にも代謝の高い状態が長時間継続するのが特徴である。したがって、ダイエットを志す人から、パフォーマンスを向上させたいアスリートまで、幅広く注目されているトレーニングなのだ。
ゆるHIITとは
ゆるHIITとは、運動強度を落とし、多くの人に取り組みやすくしたHIITのことだ。通常のHIITでは、身体を追い込んで心拍数を高めることが最も重要とされ、最大心拍数の90%以上を目指すのがよいとされている。たとえるなら、HIITの1サイクルを終えると、疲労困憊で立ち上がれなくなるほどの強度である。しかしこれでは、運動不足の人や、そもそも一定の筋肉量がない人には取り組むのが困難だ。そこで考案されたのが、運動の負荷を落とし、最大心拍数の60%~80%程度を想定した「ゆるHIIT」なのだ。
ゆるHIITの効果
ゆるHIITでは、休憩と運動を繰り返すため、有酸素運動と無酸素運動の両面の効果を得ることが可能だ。まず有酸素運動については、代謝を高めで脂肪を燃焼し、痩せやすく太りにくい体質になることが期待できる。次に無酸素運動については、各部位の筋力アップや引き締めが期待できる。さらにゆるHIITでは、心肺機能の向上により、持久力が上がり疲れにくい身体を手に入れることもできる。
2. ゆるHIITをするのがおすすめの人とは?

以下のような人は、ゆるHIITに取り組むのがおすすめだ。
運動不足の人や運動初心者
ゆるHIITは、日頃から運動する習慣のない人や、これから運動を始めようとする人におすすめのトレーニングだ。通常のHIITでは、一般的な筋トレや有酸素運動よりも高い負荷を用いるため、一定の筋肉がなければそもそも満足にトレーニングを実践することが難しい。この点、ゆるHIITなら、誰もができる簡単な動作を組み合わせることができるので、運動に対してキツイとか難しいといったイメージをもっている人には最適のトレーニングだといえる。さらにゆるHIITは、全行程が短時間で完了するので、運動を習慣化するのが難しそうな方にもおすすめだ。
加齢などで体力が低下している人
ゆるHIITは、リハビリの現場でも使われることが多くなってきている。すなわち、高齢者や体力が低下している人にも取り組みやすいトレーニングの一つなのだ。加齢に伴い、何となく体力が落ちていると感じる人や、健康維持のために何かしらの運動を始めたい人にも適したトレーニングだといえる。
3. ゆるHIITのやり方とコツ

では実際にゆるHIITはどのように行うのがよいのか、その方法とコツを紹介しよう。
基本の組み立て方
ゆるHIITでは、全力の運動と休憩(または軽い運動)が2:1の割合になるよう、時間を設計するのが基本だ。たとえば、40秒間全力でスクワットを行い、20秒間の休憩をとり、またスクワットを40秒間全力で行う、これを5回転し、計5分間で完了するといった具合だ。運動の内容や時間の長さは自由に決めてよいので、下半身に集中する、両腕を鍛えるなど、自分のニーズに合ったメニューを取り入れていこう。もちろん、1回のゆるHIITに複数のメニューを組み合わせるのもよいだろう。
おすすめメニューその1:スクワット
ゆるHIITのおすすめメニューの一つはスクワットだ。足を肩幅に開き、つま先は少しだけ外側へ向ける。そのまま、お尻を引くようなイメージで腰を落とし、元に戻ることを繰り返す。腰の位置が浅いほど負荷が軽減されるので、動き続けられる負荷を見出そう。
おすすめメニューその2:ヒップリフト
ヒップリフトも、ゆるHIITに適したメニューだ。膝を曲げて仰向けに寝ころんだら、お尻の筋肉で腰を浮かせ、頭から膝までを一直線にする。正しい位置まで腰が上がったことを確認したら、腰を床まで戻していき、この動作を繰り返す。
おすすめメニューその3:プッシュアップ
筋トレの王道、プッシュアップ(腕立て伏せ)もゆるHIITに応用できる。うつ伏せに寝ころんだら、両手を胸の横に開き、背筋を一直線にして支える。そのまま肘を曲げて上半身を落ろし、反動を使わずに、腕と胸の筋肉で元に戻る。設定した時間内を動き続けるのが難しければ、膝を付くことで負荷を減らせる。
ゆるHIITのコツ
ゆるHIITで重要なのは、運動の回数ではなく、心拍数を上げること。自分の年齢から20を引いた値が最大心拍数なので、最初はその60%程度を目指し、慣れてきたら徐々に目標を上げていくのがよいだろう。
結論
短い所要時間で大きな効果があるのが特徴のHIIT。ゆるHIITでは、運動の強度や時間を調整し、無理のない範囲で取り組むことができる。しかしながら、身体に負担をかけるトレーニングであることは事実なので、ウォームアップやアフターケアを行い、万全の状態で取り組むようにしよう。