1. 高強度運動・HIITの消費カロリーはどれくらい?
まずは、HIITの消費カロリーについてみていこう。HIITの消費カロリーは非常に多いとされているが、実は二つのカラクリがある。
1回の消費カロリーは100kcal以下
そもそも、HIITの1回あたりの消費カロリーはせいぜい100kcal以下とされている。これは、白ご飯を茶碗に軽く半分くらい盛った程度であり、消費カロリーが多いという一般的なイメージとはかけ離れているように思える。しかしながらHIITは、運動時間が極端に短く、ここに一つ目のカラクリがある。ウォームアップやクールダウンを含めないHIITの実行時間は、1回あたりわずか4~10分以内。つまりHIITは、「時間あたり」の消費カロリーが非常に高いトレーニングなのだ。
アフターバーン効果を含めると1000kcal
HIITの消費カロリーにまつわる二つ目のカラクリは、アフターバーン効果にある。アフターバーン効果とは、運動後の身体に起こる状態のこと。運動などで高負荷の刺激を受けた身体は、普段よりも多くの酸素を消費しつづけ、運動後にも代謝の高い状態が続く。この時のカロリー消費は、有酸素運動時の6倍~10倍といわれるほど高く、さらにその効果は24時間とも72時間ともいわれている。アフターバーン効果を含めたHIIT1回あたりの消費カロリーは、1000kcalほどである。つまりHIITは、HIITに起因する「合計」の消費カロリーが非常に高いトレーニングなのだ。
2. 運動後も消費カロリーがあるHIITのメリットとデメリット
HIITの消費カロリーが多いことが分かったところで、HIITのメリットやデメリットを紹介しよう。
メリット:短時間で好きな時に行える
HIITのメリットは、なんといってもその時間の短さだろう。有酸素運動は少なくとも数十分は続ける必要があるとされているし、筋トレも部位ごとに行うため合計時間は長くなる。この点HIITは、ウォームアップやクールダウンを含めても、30分~1時間あれば十分こなすことができる。さらに、基本的には道具も必要なく自宅でも行えることから、好きな時間に取り組めるのも大きなメリットだ。
デメリット:ハードであり、怪我もしやすい
HIITのデメリットは、とにかくハードなトレーニングであること。HIITで消費カロリーを高めるためには、身体を限界まで追い込む必要がある。具体的には最大心拍数の80~90%を狙うのがよいとされており、これはトレーニングが終わると動けなくなるほどの強度だ。さらに、激しい運動を行うため、関節を痛めやすい点もデメリットだ。HIITは消費カロリーの多いトレーニングだが、適切に知識をつけるに越したことはないといえる。
3. HIITでカロリー消費を狙うのが向いている人とは?
以下の人は、HIITで消費カロリーを高めるトレーニングに向いているといえる。
自宅で取り組みたい人
HIITでは自重を使ったメニューを取り入れることが多く、マシンは不要なので、ジムに通う必要がない。お金や時間をかけずにトレーニングを行いたい場合には、最適のトレーニングだといえるだろう。
忙しく時間がない人
前述したように、HIITは高い消費カロリーを短時間で狙えるトレーニングだ。その頻度も2日おきくらいが適切だとされており、毎日習慣的にトレーニングをするヒマのない人にもおすすめだ。
飽きやすい人
HIITは、トレーニング内容を比較的自由に選ぶことができる。腕立て伏せやスクワット、プランクなどを組み合わせ、HIIT全体としての消費カロリーを高めてさえいればよい。そのため、毎日コツコツと取り組むのが苦手な人や、同じメニューだと飽きやすい人にもおすすめだ。HIITで扱うメニューを適宜入れ替えることで、継続できるだろう。
4. HIITで消費カロリーをアップさせる方法やコツ
最後に、HIITで消費カロリーをアップさせるコツをお伝えしよう。
とにかく全力で限界まで追い込む
HIITの消費カロリーを増大させ、アフターバーン効果を生むためには、とにかく全力で運動を行い、身体を限界まで追い込むことが大前提だ。HIITを一度始めたら、キツくなってきたからといって、途中で辞めてはならない。心肺機能や代謝を高めるHIITだが、副次的に、自分を追い込むメンタルまで手に入ってしまうほどの厳しいトレーニングである。目的をもち、諦めない心をもって臨もう。
食事にも気をつける
HIITは短時間で消費カロリーが非常に多いため、空腹時には行わないのがベターだ。1時間前くらいに炭水化物を中心とした軽食を摂るように心がけよう。また、HIITで消費カロリーが多くなるからといって、摂取カロリーを増やしていては意味がない。バランスの取れた適切な食事管理も、HIITの効果を高めるポイントだ。
結論
HIITは、短時間で高効率なトレーニングだ。しかしながら、さまざまな実験結果が順次報告されている段階であり、今後も情報が更新される可能性は高い。安全で効率のよいトレーニングを継続するためにも、最新情報のチェックや、身体のコンディションの確認は怠らないようにしよう。