1. 現代人にありがちな弱い内転筋とは?

股関節内転筋は薄筋・恥骨筋・長内転筋・大内転筋・短内転筋の5つの筋肉が集まったものである。股関節内転筋はもともと弱い筋肉であり、鍛えづらくもある。日常生活でもとくに負荷がかからないので、弱い状態に陥りやすいのだ。ここでは、股関節内転筋が弱い状態になってしまう大きな原因を解説していく。
歩く機会が少ない
現代社会は新幹線・電車・車・エスカレーター・エレベーターなどの移動手段の発達により、歩く機会が少なくなっている。股関節内転筋は立っているときや歩いているときに活動する筋肉なので、歩く機会が少なくなると自然と弱まってしまうのだ。
脚を組んで座る
脚を組んで座ることも股関節内転筋が弱くなる原因のひとつだ。脚を組んでいると膝関節に負担がかかるうえに、股関節内転筋もねじれて衰えてしまう。また、脚を組むと骨盤もゆがみやすい。ついつい脚を組んでしまう方は要注意だ。
1日の大半を座っている
主にデスクワークが多い方は股関節内転筋が弱いことが考えられる。なぜなら、長時間座っているので、ほとんど股関節内転筋が使われないからだ。また、休日など1日の大半を寝転んで過ごすのもよくない。それでは、ますます股関節内転筋が弱まっていくのだ。
ガニ股で歩いてる
普段の歩き方も重要だ。ガニ股の方は股関節内転筋が充分に使えていない可能性がある。なぜなら、股関節内転筋は脚を閉じるときに活動する筋肉で、弱っているとガニ股になりやすいようだ。いつもの歩き方がどうなっているか自分で観察してみよう。
2. 内転筋が弱いとどうなる?

股関節内転筋が弱い状態に陥ってしまう原因を解説したが、では股関節内転筋が弱いといったいどうなってしまうのだろうか。ここでは、股関節内転筋が衰えてしまうと起こる弊害を解説していく。
X脚やO脚になる
股関節内転筋が弱い状態が長期間続くと、膝までに影響を及ぼし、X脚やO脚を引き起こすといわれている。真っ直ぐでキレイな脚が失われてしまうのだ。また、X脚やO脚は膝の痛みの原因にもなる。これは変形性膝関節症といわれており、膝関節の軟骨がすり減ることによって起こるとされている。
骨盤がゆがむ
股関節内転筋は坐骨や恥骨と呼ばれる骨盤の骨にも付着している。普段意識はしないだろうが、股関節内転筋があるおかげで、骨盤は正しい位置に保たれて安定していられるのだ。しかし、股関節内転筋が弱いと骨盤のゆがみの原因になってしまう可能性がある。
運動パフォーマンスが下がる
股関節内転筋は歩くときや走るときに活動する。とくにバランス能力や脚をふり出すときに活動し、私たちの運動機能を支えてくれている。しかし、股関節内転筋が衰えるとこれらの運動パフォーマンスも低下してしまう可能性がある。
3. 弱い内転筋を強くするにはどうすればいい?

それでは、弱い股関節内転筋を強くするためにはいったいどうしたらよいのだろうか?その答えはいたってシンプルだ。ずばり「筋トレ」しかない。生活習慣に筋トレを取り入れて、股関節内転筋を鍛えていこう。ここでは、弱い股関節内転筋を鍛えるトレーニングをいくつか紹介する。ぜひ実践して、弱い股関節内転筋を、強くたくましいものに変えていってほしい。
ワイドスクワット
ワイドスクワットは、スクワットの応用編である。脚全体を鍛えながら、股関節内転筋も同時に鍛えられる。ダンベルなどを使うとさらに負荷がかかる種目でもある。
- 肩幅よりも大きく両足を開く。
- 腰を落とす。太ももが床と平行になるくらいまでで止める。
- ゆっくり腰を上げていく。
- 2~3を20回3セットを目安に行う。
レッグシザーズ
レッグシザーズは、床に寝転んで行うトレーニングだ。ピンポイントで股関節内転筋を鍛えられる。
- あお向けに寝転がる。
- 両足を45~90度くらいに持ち上げる。
- 両足を左右に広げて、広げきったらハサミのように交差させる。
- 3を20回3セットを目安に行う。
レッグスクイーズ
レッグスクイーズは、バランスボールを使って股関節内転筋を鍛えるトレーニング方法だ。
- あお向けに寝転がってバランスボールを両足で挟む。
- バランスボールを両足で挟んだまま、持ち上げる。
- 限界まで持ち上げたらゆっくり降ろしていく。
- 2~3を20回3セットを目安に行う。
歩く機会を増やす
もちろん、筋トレだけではなく普段の生活で意識して、歩く機会を増やすのも効果的だ。また、坂道や階段などもどんどん使っていこう。忙しくて時間がないという方は、筋トレよりもこちらの方が取り組みやすいだろう。
結論
股関節内転筋が弱くなる原因を解説した。股関節内転筋が衰えると、さまざまな弊害が起きる。ぜひ今から股関節内転筋を鍛えて予防してほしい。また、今回紹介したトレーニング内容は簡単にできるものばかりである。スキマ時間を使って股関節内転筋を鍛えていこう。