1. 体幹トレーニングと一般的な筋トレの違いとは?
体幹トレーニングと筋トレは分けて考えられがちだが、実は体幹トレーニングも筋トレの一種である。体幹トレーニングは、具体的には胴体と呼ばれる胸・背中・腰・お腹・お尻などの部位を鍛えていく。そして、体幹には以下のような筋肉が存在する。
- 外腹斜筋
- 内腹斜筋
- 腹直筋
- 脊柱起立筋
- 腹横筋
- 横隔膜
- 多裂筋
- 骨盤底筋
これらの筋肉はインナーマッスルともいわれており、身体の内側に存在する。インナーマッスルは、正しい姿勢の維持や呼吸で活動するため、普通の筋トレでは鍛えにくい。したがって、あえて「体幹トレーニング」というものがあるのだ。一般的な筋トレとされているウェイトトレーニングは、上肢や下肢など、身体の外側にある筋肉を鍛えていく。身体の内側にある筋肉を鍛えるのか、それとも外側にある筋肉を鍛えていくのか、これが体幹トレーニングと一般的な筋トレと異なる部分である。
2. 体幹を鍛える筋トレはいつ行う?正しい順番を解説
体幹トレーニングと筋トレ(ウェイトトレーニング)をメニューに組み込んで行っている方も多いだろう。しかし、体幹トレーニングと筋トレ、どちらを先にすればいいのか迷ったことはないだろうか。ここではその疑問をはっきりさせていこう。
筋トレ→体幹トレーニングの順番が基本
一般的には、大きな筋肉が存在する下半身の筋トレを先に行い、次に腕の筋トレ、そして最後に体幹トレーニングを行うのが定石となっている。なぜならば、体幹の筋肉はどのようなトレーニングでも活動するからである。もし、最初に体幹トレーニングを行って疲労が蓄積してしまうと、下半身や上半身のトレーニングに支障をきたしてしまうのだ。したがって、自分でトレーニングメニューを組むときは、体幹トレーニングは最後に持ってこよう。ジムなどに通ってトレーナーがついている場合は、相談してみるといい。
上級者なら体幹を先に行うのもあり
スポーツ選手の中には、あえて体幹トレーニングを先に行うアスリートもいる。体幹トレーニングを先に行うことで刺激を入れ、後から行う上半身・下半身の筋トレに負荷をかけるのだ。ストイックな方やトレーニング上級者の方は、筋トレよりも体幹トレーニングを最初に行ってみて効果アップを目指すのもいいかもしれない。
3. 体幹を鍛える筋トレの目的別メニューをご紹介
それでは、体幹を鍛える筋トレを目的別に見ていこう。初心者向け・ダイエット向け・リハビリ向けの3種類を紹介する。
初心者は簡単メニューからスタート
初心者におすすめしたい体幹の筋トレは「ハイプランク」だ。ハイプランクは、腕立ての開始姿勢をとってキープするものである。簡単にできるので、初心者向けだ。
<ハイプランクのやり方>
- 腕立て伏せの姿勢をとる。
- 身体は真っ直ぐにし、腕は床と垂直にして肘を伸ばす。
- そのままの姿勢で30秒間キープする。
動きをつけてダイエット効果アップ
体幹の筋トレにダイエット効果をつけたい方には「腕立て伏せ」がおすすめだ。腕立て伏せは腕の筋トレなのではないかと思われるかもしれないが、胸や背中の筋肉も使うので十分に体幹を鍛えられる。ハイプランクに動きをつけたトレーニングといえるので、ダイエットに効果的なのだ。
<腕立て伏せのやり方>
- 腕立て伏せの姿勢をとる。
- 身体は真っ直ぐにし、腕は床と垂直にして肘を伸ばす。
- 肘を曲げて、身体を降ろしていく。
- 胸が床に近づいたら、肘を伸ばして身体を上げていく。
- 10回3セットを目安に行う。
リハビリには低負荷のトレーニングを
高齢者のリハビリには、低負荷の体幹トレーニングを導入するといい。おすすめしたいのは「お尻歩き」だ。お尻歩きなら、比較的安全にしっかりと体幹を鍛えられるだろう。
<お尻歩きのやり方>
- 床に足を伸ばして座る。
- 腕を振りながらお尻歩きを行う。しっかりとお尻を上げることを意識する。
結論
体幹トレーニングと筋トレについて解説した。体幹トレーニングは身体の内側にある筋肉を鍛えるためのものであり、反対に筋トレは身体の外側にある筋肉を鍛えるものである。一般的には、下肢・上肢・体幹の順番に鍛えていこう。なお、初心者向け・ダイエット・リハビリなど、目的別の体幹トレーニングメニューも紹介した。自分に合った方法を見つけて、体幹を鍛えていってほしい。