1. オイルドジャケットとは?

オイルドジャケットとは、コットンの表面にオイル(ワックス)を塗り込んだ生地で作られたアウターのことだ。布をオイルでコーティングすることで、優れた防水性、防寒性を実現している。油によるしっとりとした手触りや光沢感があるのも特徴だ。骨太な存在感で他のジャケットとは一線を画し、ファッション好きの男女から根強い人気がある。
もともと英国の労働者が着ていたオイルドジャケット
オイルドジャケットの起源は、苛酷な環境で働くイギリスの海洋関係の労働者に向けて提供されたオイルドクロス(油を染み込ませた布)だという。その耐水性や頑丈さが評価され、英国王室も愛用する「Barbour(バブアー)」のオイルドジャケットは、大戦中イギリス軍の防水服に採用されていた歴史も持つ。
その後はタフなアウトドアウェアとして徐々に一般に普及し、唯一無二のファッションアイテムとして愛される存在へと変容していった。
その後はタフなアウトドアウェアとして徐々に一般に普及し、唯一無二のファッションアイテムとして愛される存在へと変容していった。
オイルドジャケットの取り扱いは注意点が多い!
独特の魅力を放つオイルドジャケットだが、表面のオイルが色移りしやすいという欠点もある。人混みや電車内などではほかの人の衣服や座席を汚さぬよう、脱いで裏返しておくのがマナーだ。
また、自分が着ている衣服に油が移ったり、オイル独特のにおいが嫌がられたりすることもある。保管の際にも、 ほかの衣服と触れないよう気を付けなければならない。
労働者のための実用的な衣類であったオイルドジャケットは、単にオシャレ目的で着るにはハードルが高いともいえる。しかし着るほどに味が出て、経年劣化とともに末長く付き合うことができるのが、オイルドジャケットの最大の魅力でもある。手入れを楽しみながら、愛着を持って着続ける人が多いのもうなずけるのだ。
また、自分が着ている衣服に油が移ったり、オイル独特のにおいが嫌がられたりすることもある。保管の際にも、 ほかの衣服と触れないよう気を付けなければならない。
労働者のための実用的な衣類であったオイルドジャケットは、単にオシャレ目的で着るにはハードルが高いともいえる。しかし着るほどに味が出て、経年劣化とともに末長く付き合うことができるのが、オイルドジャケットの最大の魅力でもある。手入れを楽しみながら、愛着を持って着続ける人が多いのもうなずけるのだ。
2. オイルドジャケットのコーデ例

取り扱いが難しいオイルドジャケットだが、どんなスタイルにも馴染みやすく、さまざまな着こなし方ができるのも魅力である。ここでは、オイルドジャケットのおすすめコーデ例を紹介しよう。
スーツやジャケットと合わせてドレッシーに
オイルドジャケットをスーツやジャケットの上に羽織るのは、テッパンの着こなしのひとつだ。スマートなジャケットスタイルを、ほどよく無骨でワイルドな印象に変化させてくれるので挑戦してみてほしい。ネクタイを付けていてもサマになる。
ジーンズやチノパンと合わせて男っぽく
作業着発祥のオイルドジャケットは、ジーンズやチノパンとの相性もバツグンだ。奇をてらわない分、失敗しにくいコーデといえる。スニーカーと合わせるとカジュアル感が強くなるので、足元を革靴にすると引き締まる。
初心者なら短め丈がおすすめ
オイルドジャケットを初めて購入するなら、まずはバウアーの「ビデイル」などショート丈タイプがおすすめだ。ショート丈だとキレイ目にもカジュアルにも合わせやすく、着回しもききやすいとされている。着こなすのが難しいロング丈は、オイルドジャケットの扱いに慣れた2枚目以降に挑戦してもよいだろう。
3. オイルドジャケットの手入れについて


オイルドジャケットを洗濯するとせっかくのオイル加工が剥げてしまうので、基本的には洗うことができない。普通のクリーニング店では受付してくれるところも少ない。しかし何もしないでいれば、汚れが蓄積しオイルも剥げてくるので、風合いが損なわれてしまう難しさがある。
この先は、オイルドジャケットを自分で手入れする方法と、専門のクリーニング業者に頼む方法を紹介しよう。
この先は、オイルドジャケットを自分で手入れする方法と、専門のクリーニング業者に頼む方法を紹介しよう。
自分での手入れはブラッシングが基本
水洗いできないオイルドジャケットは、ブラッシングによる手入れが基本である。埃や汚れが気になったら、洋服用ブラシで小まめに落とすようにしよう。油移りを防ぐため、オイルドジャケット専用のブラシが1本必要だ。
ブラシで落ちない汚れは、水に濡らして絞ったスポンジなどで優しく拭き取る方法を試そう。オイルが落ちてしまうので、お湯や洗剤の使用は厳禁である。
ブラシで落ちない汚れは、水に濡らして絞ったスポンジなどで優しく拭き取る方法を試そう。オイルが落ちてしまうので、お湯や洗剤の使用は厳禁である。
保管は風通しのよい場所で
オイルドジャケットは通気性に乏しいため、着用後すぐにクローゼットなどにしまうとカビが発生する原因となる。脱いだあとは風通しのよい場所にしばらく吊るして乾かそう。シーズンオフなどには、油移りを防ぐため通気性のあるカバーをかけて保管するのが鉄則だ。長期保管の際も、カビを防ぐため定期的に陰干しするとよいだろう。
どうしても洗いたいなら専門のクリーニング業者へ
汚れやカビがひどい場合は、オイルドジャケットのクリーニングを受けてくれる業者にお願いする方法もある。オイルを完全に洗い流すか、オイルを残して洗うかの2種類の処置があり、希望の洗い方を選択できる。
オイルを完全に洗い流す方法は「オイル抜き」と呼ばれ、独特の風合いはなくなるが、さらっと軽く着られるようになるのがメリットだ。あえてオイル抜きをしてオイルドジャケットを着こなす通もいるという。
オイル加工を復元したい場合は、クリーニング後にオイルを再び塗りこむ「リプルーフ」という作業を依頼し、元の状態に近づけることも可能である。
ちなみにオイル抜きやリプルーフは自分でもできるので、自ら手入れをして愛着を育てたい方はやってみてもいいだろう。詳しい手順はネットなどでチェックできるので、気になる方は調べてみてほしい。
オイルを完全に洗い流す方法は「オイル抜き」と呼ばれ、独特の風合いはなくなるが、さらっと軽く着られるようになるのがメリットだ。あえてオイル抜きをしてオイルドジャケットを着こなす通もいるという。
オイル加工を復元したい場合は、クリーニング後にオイルを再び塗りこむ「リプルーフ」という作業を依頼し、元の状態に近づけることも可能である。
ちなみにオイル抜きやリプルーフは自分でもできるので、自ら手入れをして愛着を育てたい方はやってみてもいいだろう。詳しい手順はネットなどでチェックできるので、気になる方は調べてみてほしい。
結論
メンテナンスに手がかかる分、一生ものとして付き合えるオイルドジャケット。気軽に羽織れるジャケットではないが、手入れの時間を楽しむことがオイルドジャケットとの正しい向き合い方といえるだろう。愛情を持って手入れを続けることで、洋服に対する価値観すら変わっていくかもしれない。