1. ストレッチは痛いくらいしたほうがいい?

ストレッチは筋や関節を意図的に伸ばすことで、筋肉の柔軟性を高めることが叶う。疲労回復だけでなく怪我予防、リハビリにも繋がる運動だが、実は痛いと感じるまで行うのはNGだ。
ストレッチは筋肉をほぐす運動
痛いと感じる限界まで身体を伸ばしたほうが効果もありそうだが、このとき身体では自律神経である交感神経が活発化し始めている。活動状態になった筋肉は硬直し、ストレッチは逆効果となる可能性がある。(※1)
我慢してストレッチを続けると靭帯や筋肉を傷めることに繋がるので、痛いときは筋肉がダメ―ジを受けている、身体からのサインと覚えておくといいだろう。あまりに痛む場合は休息をとり、少しずつ可動域を広げていこう。
我慢してストレッチを続けると靭帯や筋肉を傷めることに繋がるので、痛いときは筋肉がダメ―ジを受けている、身体からのサインと覚えておくといいだろう。あまりに痛む場合は休息をとり、少しずつ可動域を広げていこう。
2. 痛いストレッチは逆効果!正しいやり方とは?

筋肉をほぐすことで、関節の可動域を広げるのがストレッチ本来の役目だ。筋肉がほぐれることで圧迫されていた血流がよくなり、酸素や栄養分が行き渡りやすくなるため代謝もあがる。関節への負担が減るため、肩こりや腰痛改善にも効果があるが、正しいストレッチ方法で行わないとその効果も感じにくい。ここでは痛いと感じない、さまざまなやり方と注意点を紹介していく。
猫背改善にもなるストレッチ
- 立った状態で頭、肩、お尻、ふくらはぎ、かかとの5カ所を壁につける。かかと中央、足の人差し指をつなぐラインが90℃になるようまっすぐ立つ。
- 肩幅に足を開いて背筋を伸ばす。胸の前で両手を組み裏返し、大きく息を吸いこむ。吐きながら手の甲を見たままゆっくり上へあげる。頭も上向きにするのがポイント。
- 痛いと感じないところまで手を上へしっかりあげ、一度深く息を吸いこむ。空を押すように上へ押し上げ身体を伸ばし、可能であればつま先立ちで行う。
- 頭だけ前に戻し、できるだけお腹は息を吸い薄くなった状態をキープさせながら息を吐いていく。合わせて手を放し、ゆっくり半円を描いておろしていく。
太もも裏に効く座って行う片足前屈ストレッチ
- 片足ずつ行います。右足を伸ばし、左足はひざを曲げかかとをできる範囲で太もものつけ根まで引き寄せる。
- ゆっくり深く呼吸しながらお腹を右足先へ近づける。このとき猫背にならないよう注意する。
- 右足を両手でつかみ、身体を引き寄せる。痛いと感じる場合、無理せず足首などできる場所をつかむ。
- 10秒キープし、最初の姿勢にもどる。足を入れ替え繰り返し、左右1回ずつを1セットとする。5回から10回を目安にし、体調に合わせ回数を調整していく。
肩甲骨周りの緊張した筋肉をほぐすストレッチ
- あぐらをかき座る。右手を上から、左手を下から背中へ回す。
- 後ろで手をつなぐ。難しい場合はタオルを使用し、動かしにくい腕が左右どちらか確認する。
- 手は後ろのまま、動きが悪く改善したい腕のひじを反対の手で支える。
- ひじを持ったまま上へあげ10秒キープ。改善したいほうの手のひらは肩甲骨の間にくようにする。
気をつけてほしいこと
ストレッチをするうえで、限界まで伸ばしたいところだが、無理は禁物。笑って我慢できる程度の、いわゆるイタ気持ちいい程度にしよう。痛みで脂汗がにじみ、涙目になるほどのストレッチは逆に筋肉を傷める行為だ。
同じポーズは1回につき最大20秒程度にセーブし、身体が覚醒しきれていない寝起きでの急なストレッチにも気をつけよう。
同じポーズは1回につき最大20秒程度にセーブし、身体が覚醒しきれていない寝起きでの急なストレッチにも気をつけよう。
3. 筋肉痛で脚や腕が痛い!ストレッチで改善できる?

ストレッチや普段行わない過度の運動、長時間の運動により筋肉痛を経験したことが一度はあるだろう。筋肉痛は、損傷した筋繊維を修復するうえで生まれる痛みのことである。その過程のなかでより強くて太い筋繊維へ成長していくが、あまりに酷いと非常生活に支障をきたす。患部が熱を持ち、鋭く痛いときはダメージを受け炎症を起こしている状態なので、氷のうなど使用し部位をしっかり冷やそう。
少し痛いと思う程度であれば、さまざまな方法の緩和ケアができる。筋肉組織の血流を促すため、38℃から40℃のぬるま湯にじっくりつかるのは効果的だ。身体全体を温めて筋肉痛を和らげるだけでなく、血行促進にも繋がる。入浴後にストレッチを行えば疲労回復にも効果的だ。痛いと感じるまで行わず、心地よいと思う範囲でのストレッチを心がけよう。
少し痛いと思う程度であれば、さまざまな方法の緩和ケアができる。筋肉組織の血流を促すため、38℃から40℃のぬるま湯にじっくりつかるのは効果的だ。身体全体を温めて筋肉痛を和らげるだけでなく、血行促進にも繋がる。入浴後にストレッチを行えば疲労回復にも効果的だ。痛いと感じるまで行わず、心地よいと思う範囲でのストレッチを心がけよう。
腕の筋肉痛の緩和ストレッチ
- 壁に横向きに立ち、指先を下に向け手のひらを壁につける。
- ひじを曲げず、ゆっくり身体を前へ向けていく。
- ひざを少し曲げ、腕が伸びているのを感じる場所で20秒間キープする。反対の腕も同様に行う。
太ももの筋肉痛を緩和するストレッチ
- 正座になり、両手を後ろについて腹式呼吸する。吸うことで太ももが伸ばされ、吐くことで太ももが緩まる。
- 呼吸のたび、太ももが柔らかくなってくるので手を後ろにずらし、さらに太ももを伸ばしていく。
お腹の筋肉痛を緩和するストレッチ
- うつ伏せの姿勢になり、両ひじを付けて上半身を起こしていく。
- 可能な方は手のひらを床につけ、ひじを伸ばして身体を起こす。お腹の力を抜いて突き出すのがポイント。
- 左右へ身体を大きくゆっくり、ひねるように揺らす。
結論
痛いと感じるほどのストレッチは、筋肉をほぐす目的と逆の効果を身体に与える可能性がある。ストレッチを毎日行うことで関節の可動域は確実に広がっていくので、無理をせず、少しずつ身体の変化を楽しみながら健康体を手に入れてほしい。
■1:交感神経と筋緊張の繋がり - 日本アレルギーリハビリテーション協会
https://allergy-rehabilitation.jimdofree.com/connection-between-sympathetic-nerve-and-muscle-tone/
https://allergy-rehabilitation.jimdofree.com/connection-between-sympathetic-nerve-and-muscle-tone/