1. プロテインの飲み過ぎで起こる症状は?

効率よくタンパク質を摂取できるプロテインだが、飲み過ぎで生じるデメリットもある。プロテインを飲み過ぎると、身体にどんな影響があるのだろうか。
太る
タンパク質のエネルギーは糖質と同じで1gあたり4kcal。プロテインの飲み過ぎはカロリーオーバーとなる可能性が高く、飲み過ぎて余ったタンパク質は脂肪となって身体に蓄積されるので、太る可能性も高いのだ。
肝臓と腎臓に負担がかかる
プロテインの飲み過ぎで余ったタンパク質は、分解されて窒素を産出し、アンモニア、尿素へと変わって、最後は尿として体外に排出される。そのために働くのが肝臓と腎臓で、プロテインを飲み過ぎると負担が増大し、機能を低下させることもあるのだ。
尿路結石ができやすくなる
動物性タンパク質を摂取すると、体内でシュウ酸や尿中カルシウムが増加する。シュウ酸とカルシウムが結合すると、激しい痛みを生じる尿路結石となるのだ。大豆が原料のソイプロテインは植物性だが、牛乳が原料のホエイプロテインとカゼインプロテインは動物性なので、飲み過ぎると尿路結石ができやすくなる可能性がある。
腸内環境が乱れる
動物性タンパク質が使われずに腸に到達すると、悪玉菌のエサになり、悪玉菌が増殖して腸内環境を悪化させる。腸内環境が乱れると、便秘や肌荒れなどが起こりやすく、さまざまな不調や病気の原因にもなるので、動物性プロテインの飲み過ぎには要注意だ。
2. プロテインを飲み過ぎないように知っておくべき量

プロテインの飲み過ぎを予防するには、必要なタンパク質量と、食事から摂取するタンパク質量を把握することが重要だ。
1日に必要なタンパク質の量
1日に必要なタンパク質は、体重1kgあたり約1gといわれる。しかし、運動量によって必要なタンパク質量は変わり、体重1kgあたりフィットネスなどの運動をする方は約1.5g、筋トレなどのハードな運動なら約2gが目安となるのだ。自分の運動量に合わせて必要なタンパク質を把握し、飲み過ぎないようにしよう。
食事から摂取するタンパク質の量
タンパク質が多い肉や魚は、種類や部位によって多少違いがあるが、100gにつき20gくらいのタンパク質を摂取できると考えればよい。ほかにも、卵は1個あたり約6g、牛乳は200gあたり約7g、納豆1パックあたり約7g、豆腐1丁あたり約15g、ご飯1膳あたり約4gなど。食事からの摂取だけでは不足する分をプロテインで補うという考え方で、飲み過ぎに注意をしていこう。
3. プロテインは飲み過ぎずタイミングも考えよう

必要量に合わせてプロテインを摂取しても、飲み過ぎ状態になる可能性もある。飲み過ぎを防ぎ、効果的にプロテインを摂取するには、飲む量とタイミングが重要だ。
1回に飲むプロテインの量
一度に吸収できる栄養素の量には限度があり、タンパク質は40gほどといわれている。そのため、一度に大量のプロテインを摂取してもうまく吸収されず、過剰なタンパク質として処理されるのだ。プロテインの飲み過ぎ状態を防ぐには1回20gまでとし、分割して摂取するとよい。
プロテインを飲むタイミング
飲み過ぎ状態を防ぐため、プロテインを分割して摂取するなら、より効果的なタイミングをねらおう。
- トレーニング後
トレーニング後30分以内にプロテインを摂取すると、スムーズに筋繊維を修復して筋肉の成長に役立つ。吸収が速いホエイプロテインがおすすめだ。 - 就寝前
就寝の30分~1時間前にプロテインを摂取すると、睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きを促してくれる。ゆっくりと吸収するカゼインプロテインやソイプロテインがおすすめだ。 - 起床後
起床直後は栄養も水分も不足しており、朝食ではタンパク質の摂取量が少ない方が多いので、朝プロテインは効果的。カゼインプロテインやソイプロテインで1日を始めるのがおすすめだ。 - 食事と食事の間
空腹を感じ始める食事と食事の間のプロテインも効果的だ。空腹解消と筋肉分解の予防ができる。
4. プロテインは飲み方次第で味方になる

人は食事からさまざまな栄養を摂取し、体の成長や維持、活動のエネルギーとしている。タンパク質は大事な栄養素のひとつで、不足すると筋力が低下したり、免疫力が落ちて病気にかかりやすくなるなど、体にさまざまな影響を及ぼす。プロテインを摂取するのはよいことだが、飲み過ぎには注意をして活用していくことが大切だ。
プロテインを飲みすぎないベストな飲み方
食事だけでタンパク質を多く摂取しようとすると、高脂質になりがちだが、プロテインをメインにすると栄養のバランスが悪くなり、食事で得られる満足感もないためストレスになることもある。基本は食事で摂取して不足分をプロテインで補うという方法が、飲み過ぎないためにはベストだ。
プロテインを飲みすぎないベストな飲み方
食事だけでタンパク質を多く摂取しようとすると、高脂質になりがちだが、プロテインをメインにすると栄養のバランスが悪くなり、食事で得られる満足感もないためストレスになることもある。基本は食事で摂取して不足分をプロテインで補うという方法が、飲み過ぎないためにはベストだ。
結論
効率よく筋肉を成長させたり、不足したタンパク質を補うのに効果的なプロテイン。しかし「過ぎたるは猶及ばざるがごとし」というように、飲み過ぎると悪い影響も出てくる。本記事を参考に、プロテインを摂取する場合には飲み過ぎず、適切な量とタイミングで摂るようにしよう。