1. 立木のポーズの効果とは?

ヨガブームの中で、日本でも「ハタヨガ」「アシュタンヨガ」などさまざまなスタイルがあるが、どれにおいても立木のポーズは最も一般的な基本ポーズのひとつである。
立木のポーズとは?
立木のポーズは、ヨガの起源とされるインドの古来語であるサンスクリット語で「ブルックシャ・アーサナ」と呼ばれる。ヨガ用語としてよく耳にする「アーサナ」はポーズにあたり、「ブルックシャ」が木を意味する。その名の通り、身体を一本の木に見立て、体幹を鍛えることで、心身のバランス感覚を身につけるのが目的だ。
効果
立木のポーズで期待できる主な効果は、むくみや冷え性の改善などがある。体幹を鍛えると血液循環がよくなり、その結果、血行が促進され、代謝がアップしてデトックス効果も期待できるのだ。片足で全身を支える必要があるため、足の筋力トレーニングにもなり、下半身の強化も期待できる。また、全身のバランス感覚をやしなう立木のポーズをとることで、集中力を高めたり、ストレスを軽減したりと精神的にもよい影響をもたらすといわれている。
2. 立木のポーズの正しいやり方

立木のポーズは覚えやすく、気軽に取り組むことができる。一方で、きちんと効果を得るには、正しいフォームや呼吸のコツを押さえておくことが重要だ。ここでは、基本的なやり方と呼吸の仕方を解説しよう。
基本的なやり方
立木のポーズを始める前に、軽く深呼吸して全身をリラックスさせておこう。途中でバランスを崩してしまうこともあるので、フラットな状態で、周囲に物が落ちていないか確認しておきたい。
1.両足をそろえてまっすぐに立ち、体幹を意識して背筋をのばす。
2.両手を胸の前で合わせて合掌のポーズをとる。
3.片足を床から離し、ゆっくりと反対側の軸足の内腿にもって行く。置く足の位置は無理をせず、ふくらはぎや内くるぶしでもよい。
4.息を吸いながら、合掌した両手を真上にのばす。
5.軸足でしっかりと床を踏みしめ、のばした両手を突き上げる感覚でバランスをとる。
6.姿勢が安定したら、5回程度深呼吸する。
1.両足をそろえてまっすぐに立ち、体幹を意識して背筋をのばす。
2.両手を胸の前で合わせて合掌のポーズをとる。
3.片足を床から離し、ゆっくりと反対側の軸足の内腿にもって行く。置く足の位置は無理をせず、ふくらはぎや内くるぶしでもよい。
4.息を吸いながら、合掌した両手を真上にのばす。
5.軸足でしっかりと床を踏みしめ、のばした両手を突き上げる感覚でバランスをとる。
6.姿勢が安定したら、5回程度深呼吸する。
呼吸の仕方
立木のポーズは、正しいフォームと同様に呼吸法がポイントだ。バランスをとることに集中すると、つい全身に力が入ってしまい、呼吸が浅くなりがちになる。そうならないためにも、常に呼吸を意識しながら動作を行うとよい。一気に空気を吸い込むのではなく、ゆっくりと細く長くを心がけることで、自律神経が整えられるだろう。
3. 立木のポーズができない時の対処法

立木のポーズで安定してバランスをとることは意外に難しく、ふらついたり、すべったりしてしまうこともある。ここでは、これらの原因と対処法を解説する。
ふらつく場合
まずは物理的な環境から整えることも大切だ。靴下を履いた状態や、柔らかい布団やマットの上で立木のポーズを行うと、ふらつきやすくなる。できるだけ裸足で、固い床の上で行うことをおすすめしたい。ふらつきの原因は、片足で立った時の軸が不安定で、骨盤が傾いてしまうことにある。軸足をどっしりと床につけ、持ち上げた足を置いた時に互いに押し合うような感覚を意識しよう。自然と骨盤がまっすぐになるはずだ。
すべる場合
立木のポーズをする時は、着用するものにも気を付けたい。なるべく、すべりにくい素材を選び、通気性のよい服を着よう。肌が露出していると汗ですべることがあるので注意したい。また、重心移動がうまくいかないと、すべる原因になる。片方の軸足に沿ってもう片方の足を持ち上げる際は、重心移動が必要になる。この時、軸足の膝を軽く曲げておくとすべりにくいのだ。足の位置は低いところからゆっくりと軸足の内腿まで持って行くが、ふくらはぎや内くるぶしで止めてもよい。姿勢をまっすぐにしてバランスを保つことを優先しよう。
結論
立木のポーズは普段の生活でもちょっとした時間に取り組みやすい。任天堂の「リングフィット アドベンチャー」にも立木のポーズが登場するので、ゲーム感覚で毎日取り入れてみても楽しいだろう。そして、きちんと効果を得るためには正しいフォームと呼吸法をマスターしたい。立木のポーズでストレスを和らげ、集中力を高めることで仕事にもよい影響をもたらしてくれるだろう。