目次
1. 筋肉の基本

はじめに、筋肉にはどのような種類があるのか解説していこう。一言で筋肉と表しても、決してすべてが同じものではない。まずは基本からしっかり押さえておきたい。
筋肉とは?
筋肉という言葉を辞書で引くと、「身体の運動にかかわる器官」とあるように、筋肉とは人間が生活していく上で重要な存在なのである。筋肉は大きく分類すると、骨格筋、心筋、内臓筋の3種類に分かれている。骨格筋には姿勢を保ち、身体を動かす役割がある。次に心筋には心臓の壁を構築する役割があり、内臓筋には内臓器官の働きを維持する役割があるのだ。まずは筋肉とは一体どういうものなのかについて、これらの種類は頭に入れておこう。
骨格筋とは?
骨格筋とは、前述の通り主に身体の活動を支える筋肉のことを指す。心筋や内臓筋とは異なり、自分の意思で動かせる筋肉であることから、一般的に筋肉といわれるものは骨格筋を指すことがほとんどである。筋肉の組織上では横紋筋に分類されている。
2. 骨格筋の速筋と遅筋

前項では、筋肉の中でも骨格筋には身体の活動を支える役割があることを説明したが、骨格筋を構成する筋繊維は、速筋と遅筋のふたつに分かれていることも知っておきたい。本項では、速筋と遅筋の特徴について詳しく解説していこう。
速筋とは?
速筋とは、白っぽい色をしていることから、白筋とも呼ばれる筋肉だ。収縮のスピードが速く、瞬発的に力を発揮できるものの、収縮を保ちにくいことから、疲れやすいという特徴がある。老化が早い筋肉であるため、20歳あたりから急激に衰えていくとされている。たとえるとしたら、瞬時に力を必要とする、短距離選手タイプといえるだろう。
遅筋とは?
遅筋とは、赤みを帯びた色をしていることから、赤筋とも呼ばれる筋肉だ。速筋とは対照的に、収縮のスピードが比較的遅いため瞬発的な力は出ないものの、収縮を保ちやすいため疲れにくく、長時間一定の力を発揮できるという特徴がある。また、年齢を重ねても筋肉が衰えにくいこともポイントだ。こちらはたとえるなら、長く力の持続を必要とする、長距離選手タイプといえるだろう。
3. 主な骨格筋の種類

骨格筋は、身体の部位それぞれに非常に多くの種類が存在している。筋力トレーニングを行っている方であれば、聞きなじみのある名称もあるだろうが、本項では主な骨格筋の種類について、部位別に詳しく解説する。人間の身体は、骨格筋だけでもさまざまな筋肉で構成されていることを知っておこう。
肩の筋肉:三角筋
三角筋とは、肩の部分に位置する筋肉である。三角形状であることから、三角筋といわれる。鎖骨、上腕骨、肩甲骨を覆うように付いており、上腕をさまざまな方向へ上げる役割がある。
胸の筋肉:大胸筋
大胸筋とは、前胸部で最も広く、大きい筋肉である。鎖骨の下部から上腕部の付け根に沿って付いており、腕を前方に向けて押し出したり、閉じたりする役割や、呼吸を補助する働きも持つ。
背中の筋肉:広背筋・僧帽筋・長背筋
背中の筋肉を代表する種類は、広背筋、僧帽筋、長背筋である。広背筋とは背中の側部に位置する大きな筋肉であり、上腕を前方向から引き寄せる役割がある。次に僧帽筋とは、首の後ろから背中の中央部にかけて広がる筋肉であり、肩甲骨を引き寄せる役割がある。最後に長背筋だが、これは主に脊柱起立筋や板状筋などから構成される筋肉群であり、主に姿勢を維持する役割がある。
腕の筋肉:上腕二頭筋・上腕三頭筋・前腕筋
腕の筋肉を代表する種類は、上腕二頭筋、上腕三頭筋、前腕筋である、上腕二頭筋とは上腕の前面に位置する筋肉であり、主に肘の関節を曲げる役割がある。対して上腕三頭筋とは、上腕の後面に位置する筋肉であり、これは肘の関節を伸展させる役割があるのだ。最後に前腕筋とは、肘から手指にかけて形成された筋肉群の総称を指す。
お腹の筋肉:腹直筋・腹斜筋・腹横筋
お腹の筋肉は、腹直筋、腹斜筋、腹横筋から構成されている。腹斜筋のみ、外腹斜筋と内腹斜筋に分かれる。美しく割れた腹筋はシックスパックともいわれるが、これは腹直筋にあたる部分である。主に体幹の屈曲や、腹圧を維持する役割がある。
お尻の筋肉:大臀筋・中臀筋・小臀筋
お尻にもほかの部位同様、しっかりと筋肉は付く。お尻の筋肉は大臀筋・中臀筋・小臀筋から構成されており、字の通り筋肉の大きさで分類されている。主に股関節の伸展など、下半身の運動に重要な役割を持つ。
脚の筋肉:大腿四頭筋・ハムストリングス
最後に脚の筋肉だが、ひざから上の筋肉は前面の大腿四頭筋と、後面のハムストリングスで構成されている。大腿四頭筋とは、大腿直筋をはじめ、外側広筋、内側広筋、中間広筋からなる筋肉であり、ハムストリングスとは、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋からなる筋肉である。いずれも股関節の伸展や屈曲をさせる役割がある。
4. 筋肉痛と超回復の基本

ここまで筋肉の基本をはじめ、多く存在する骨格筋の種類などをじっくりと解説してきたが、最後に筋肉痛と超回復についても知っておこう。なぜ筋肉痛が起こるのか、また超回復と効果的なトレーニングの関係についてなど、しっかり押さえておいてほしい。
筋肉痛とは?
生活していく中で、筋肉痛を経験したことがないという方はほとんどいないだろう。筋肉痛とは身体の部位を問わず起こる筋肉の痛みであり、過度な運動やトレーニングを行った場合はもちろん、重い荷物を持ったときや、体勢によっては就寝時にも起こる可能性がある症状である。
筋肉痛のメカニズムは医学的には解明されていないものの、運動によって傷ついた筋線維の修復の際に起こる痛みであるという説が有力だ。ちなみに、筋肉痛の正式名称は遅発性筋痛である。こちらも豆知識として覚えておこう。
超回復とは?
超回復という言葉をご存じだろうか。日々の筋力トレーニングを行う際によく聞かれる言葉だが、これはトレーニング後に適切な休息をとることで筋肉を回復させることで、筋力向上や筋肥大などの成果が現れることを意味する。
トレーニング後48時間から72時間あたりで超回復は起こると考えられているので、毎日トレーニングを行う方は、鍛える部位を日替わりで変えるなどメニューをアレンジすることで、より高い効果が得られることに期待が持てるだろう。
結論
筋肉には外側に見える種類だけでなく、内側でさまざまな働きを持つ種類もあることを解説した。加えて、骨格筋には非常に多くの種類が存在することも理解してもらえただろうか。筋力トレーニングの基礎である超回復などについても含め、本記事で紹介した筋肉の基本をよく覚えて、日々のトレーニングに活かしてもらいたい。
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