目次
- 体脂肪率=(体脂肪の重さ(kg)÷体重(kg))×100
1. 体脂肪率の基本

はじめに、体脂肪や体脂肪率とは一体どういったものなのか、基本から知っていこう。ダイエットにおいて厄介者という印象の体脂肪だが、実は身体にとって大事な役割があることも覚えておきたい。
体脂肪とは?
体脂肪とは、字の通り身体に蓄えられた脂肪のことを指す。体脂肪には種類があり、皮膚組織にある皮下脂肪と、内臓組織にある内臓脂肪のふたつに分類されている。
皮下脂肪は主に下腹部や太もも、お尻などにつきやすく、少しずつ蓄積されるが、一度ついてしまうと落としにくい脂肪だ。対して内臓脂肪だが、これは腹筋の内側や腹腔内についている脂肪のことで、短期間で蓄積されるものの、皮下脂肪に比べると落としやすいことが特徴である。
体脂肪は主に体の機能を保つためのホルモンなどの物質を作る役割があり、エネルギーを蓄えて体温を保つ働きや、内臓を外部の衝撃から守る役割なども持つ。
体脂肪率とは?
体脂肪率とは、全体重に占める体脂肪の比率のことを指す。つまり、体脂肪の重さがはっきりわかっていないと、体脂肪率を導き出すことはできないのである。また、体脂肪率の表示はパーセントで表されるのが一般的だ。体脂肪率のほかによく見られる、肥満度を表す指標であるBMIとは意味が異なるので、混同しないよう注意しておきたい。
2. 体脂肪量の調べ方と判定基準

本項では、体脂肪率の計算方法や体脂肪量の測定方法に加え、成人男性の体脂肪率の判定基準についても解説する。これらも体脂肪率を知る基本として、頭に入れておいてほしい。
体脂肪率の計算の仕方
体脂肪率の数値は、式によって正確に求めることができる。その式は以下の通りだ。
一般的な体重計では体脂肪の重さまでは測定できないため、別で体脂肪計などを用意する必要があることを覚えておこう。
体脂肪量の基本的な測り方
体脂肪量は、さまざまな方法を用いて測定することができる。最も一般的な方法が生体インピーダンス法と呼ばれるもので、体内に微弱な電流を流すことで、インピーダンスといわれる脂肪の電気抵抗値を測定して、体脂肪の割合を導き出すのだ。家庭用として流通している体脂肪計は、生体インピーダンス法を採用したものである。
ほかにはキャリパーという測定機器を使用して脂肪をつまみ、その厚さをもとに体脂肪を推定するキャリパー法や、専用の特別なカプセルに入り、カプセル内の空気の圧力の差から体脂肪を導き出す空気置換法や、陸上と水中での体重の差から身体密度を計算して、体脂肪率を推定する水中体重秤量法などがある。
ただしキャリパー法の場合は測定者によって誤差が生じやすく、ほかの方法の場合は精度は高いものの設備の規模が大きく、一般的な方法とはいえない。このことから、自宅で体脂肪量を測定する場合は生体インピーダンス法をおすすめしたい。
成人男性の体脂肪率の判定基準
前述した体脂肪率の計算方法をもとに、成人男性の体脂肪率の判定基準もチェックしておこう。成人男性の場合、体脂肪率が10%未満で低い判定となり、10~20%未満で標準、20~25%未満でやや高め、そして25%以上で高い判定となる。体脂肪率は体重だけでは判定できないものなので、この半的基準はよく理解しておきたい。
3. 体脂肪率を下げるためのポイント

本項では、気になる体脂肪率を下げるためのポイントについて解説する。ついてしまった体脂肪をすぐに落とすのは難しいが、食事制限や運動を取り入れることで効率的に体脂肪率を下げていくことができるので、ぜひ覚えておいてほしい。
ポイント1.食事制限で摂取カロリーを減らす
体脂肪率を下げるにあたり、食事制限で摂取カロリーを減らすことは重要である。ただし、これは決して極端な食事制限を行うという意味ではなく、日々の食生活を見直すという意味であると考えたい。
ポイントは、主に体脂肪が蓄積する原因となる、糖質や脂質の摂りすぎに注意するという点である。丼ものや麺類など、炭水化物中心の食生活の人や、脂っこい食事が好みの人、またコンビニやスーパーのお惣菜で食事を済ませがちの人は、糖質や脂質を摂りすぎている可能性があるので、食べすぎに気をつけ、野菜をしっかり摂るなど、栄養バランスのよい食事をするよう心がけたい。
また、より満腹感を得るために、よく噛んで食事をすることも重要なポイントだ。噛む回数を増やすことは、食欲や食事量を無理なく抑えられる手助けとなるので、ぜひ実践してみよう。
ポイント2.運動で消費カロリーを増やす
食事制限と併せて、運動をすることによって消費カロリーを増やすことも、体脂肪率を下げるのに有効だ。体脂肪を燃焼させるには、ランニングやサイクリング、水泳などの有酸素運動が効果的とされているが、加えて筋力トレーニングなどの無酸素運動を行い基礎代謝も上げることで、リバウンドしにくい身体を目指せるのである。運動も食事制限と同じく、無理なくバランスよく行うことを意識しよう。
4. 体脂肪率に関するよくある間違いとは?

体脂肪率を誤って認識している人は少なくないだろう。体脂肪がメタボリックシンドロームの直接的な原因と考える人や、体脂肪は落とすほどよいと考えている人は、一度体脂肪率の正しい意味を再確認しておいてほしい。
その1.メタボリックシンドロームの診断には使われない
メタボリックシンドロームとは、生活習慣病のひとつであり、内臓肥満に高血糖や高血圧、脂質代謝異常が組み合わさることで、脳卒中や心臓病など、重篤な病気を引き起こすリスクが高まる病態のことを指す。メタボという略称があることから、単に太っていることを指す言葉とも思われがちだが、実は意味が異なり、体脂肪率自体はメタボリックシンドロームの診断基準には採用されないのだ。つまり、体脂肪率が高いからといってメタボリックシンドロームとはならないと覚えておけばよい。
その2.体脂肪率を落としすぎるのはよくない
ダイエットにおいて体脂肪率を落とすことは確かに重要だが、落としすぎてしまうと身体に悪影響を及ぼす場合もある。前述の通り、体脂肪には身体の機能を保つ物質を作ったり、体温を保つなど、身体にとって大事な役割もあるので、急激に落としてしまうと身体に負担を与えてしまう可能性も考えられる。体脂肪をただダイエットの敵と考えるのでなく、もともと身体に備わったものとして、標準値をキープすることを心がけたい。
結論
体脂肪率とはどのようなものなのか、また効率的な体脂肪率の下げ方など、なんとなくは知っていても詳しくは知らなかったという人もいるだろう。体脂肪率についてよく理解することで、より高いダイエット効果にも期待できる。本記事で解説したさまざまなポイントを参考に、体脂肪と上手に向き合ってもらいたい。