- 椅子に座って背筋を伸ばし、軽く力を抜く。
- 右肩を上げつつ頭を右に傾け、右肩と右側頭部を近づける。
- 頭を傾けたまま、右肩を大きく回す。前回しと後ろ回しをそれぞれ10回ずつ行う。
- 左右を入れ替えて行おう。
- 椅子に座って背筋を伸ばし、軽く力を抜く。
- 頭を右に傾け、5~10秒間静止する。ゆっくりと呼吸を続けよう。
- 左右を入れ替えて、それぞれ2~3回ずつ行う。
- 元の姿勢に戻ったら、肩を動かさず、顔を右に向けて5~10秒間静止する。この時も、呼吸を止めないように注意しよう。
- 左右を入れ替えて、それぞれ2~3回ずつ行う。
- 椅子に座って背筋を伸ばし、軽く力を抜く。
- 両手の指を組み、手のひらを額に当てる。
- 両手は手前に、頭は押し出すように力をかけ、両手と額で互いに押しあう。
- 5~10秒間静止する。力を入れすぎないように注意しよう。
- 元の姿勢に戻ったら、手のひらを後頭部に当て、後ろ側も同様に行う。
- 元の姿勢に戻ったら、右手のひらを右側頭部に当て、手のひらと頭で互いに押しあう。
- ゆっくりと呼吸をしながら、5~10秒間静止する。
- 左右を入れ替えて、それぞれ2~3回ずつ行う。
1. 肩こりの基本
慢性的な痛みに悩む方も多い肩こり。ここでは、そもそも肩こりとはどんなものかについてみていこう。
肩こりとは?
肩こりとは、首のつけ根や首筋を含んだ肩周辺が痛んだり、詰まった感じがしたりする症状のことだ。吐き気を伴ったり、頭痛を併発したりする場合もある。多くの場合、首の後ろから背中上部にかけて広がる僧帽筋(そうぼうきん)が固まり、血流が悪化することで引き起こされる。
四十肩・五十肩との違い
四十肩・五十肩は、病名ではなく、症状を指す言葉だ。大きくは肩関節周囲炎と呼ばれる。はっきりとした原因は解明されていないが、肩関節に関わる軟骨や骨が衰えることで肩周辺に炎症が起こり、慢性的な痛みや動きにくさを生じると考えられている。肩こりとの違いは、炎症の起こる部位や原因にあるといえるだろう。ちなみに、50代頃に発症することが多かったことから名づけられた五十肩だが、近年は発症が40代頃にまで早まったため、四十肩とも呼ばれている。
2. 肩こりの原因とは?
肩こりは、予防するに越したことはない。肩こりを予防するために、原因を理解しておこう。
その1.肩や首の骨・筋肉にある場合
肩こりの原因で多いのは、骨や筋肉の異常だ。椎間板ヘルニアや頚椎症、後縦靭帯骨化症などにより、首や肩周辺に痛みが生じる場合がある。あるいは、血管や神経が通る胸郭出口が狭く、しびれや痛みが起こることもあるという。
その2.肩や首以外にある場合
肩こりの原因は、肩周辺そのもの以外にも見受けられる。たとえば、内臓の不調や高血圧、眼精疲労などだ。その他、あご関節の不調や、耳鼻科に関連する病気、更年期障害やストレスによっても、肩こりを自覚する場合がある。
その3.原因がはっきりとしない場合
肩こりは病名ではないため、症状を自覚していても、原因が特定できないことも多い。検査では見つからないほどのわずかな異常が重なり、肩こりを生じさせることがあるという。一般社団法人日本臨床内科医会によれば、原因不明の肩こりを医学的に「本態性肩こり」と呼んでいる。(※1)
3. 肩こりのセルフケアのやり方
さまざまな原因のある肩こり。願わくば、一刻も早く痛みを取り除きたいものだ。ここでは、肩こりの主なセルフケアのやり方を紹介しよう。
その1.普段から姿勢をよくする
肩こりの原因が特定の病気でない場合、普段から姿勢をよくすることで、肩こりを予防できる可能性がある。特に、デスクワーク中に猫背になっていたり、スマホを長時間さわっていたりする場合は要注意だ。意識的に背筋を伸ばし、姿勢を保つようにしてみよう。
その2.肩周りを温めるようにする
肩こりは、血流が滞ることによって症状が悪化する場合がある。一般的な肩こりであれば、温めることで血流を促進し、肩こりの予防につながる場合がある。使い捨てカイロや蒸しタオルを使って、肩周りを温めてみてもよいかもしれない。
その3.肩こり体操を行うようにする
肩周辺の体操を行うことで、筋肉がほぐれるとともに血流が促進され、肩こりを予防できる可能性がある。肩を意識的に動かすことで、姿勢を正す機会にもなるだろう。
4. 家でできる肩こり体操のやり方
肩こり体操は、肩こりの予防のほか、対処療法としての効果も期待できるという。ここでは、自宅でもできる肩こり体操の主なやり方を紹介しよう。(※1)
その1.リラックス体操
その2.ストレッチ体操
その3.首の強化体操
5. 肩こりが続くなら整形外科へ
肩こりの原因はさまざまであり、特定の病気が関連している場合もある。予防法や、対処療法では改善しなかったり、日々悪化したりするようなら、迷わず整形外科を受診しよう。原因が見つかれば、より的確な対処ができるはずだ。薬剤を処方してくれる場合もあるので、肩こり程度と思わず、専門家にかかることをおすすめする。
結論
肩こりは、主に肩周辺の筋肉の炎症や、血流の滞留によって引き起こされる。ただし、特定の病気やストレス、更年期障害などが重なって発症する場合もある。単なる肩こりだと慢心せず、不安を感じたら、すぐに医療機関を受診しよう。
(参考文献)
※1
一般社団法人日本臨床内科医会「わかりやすい病気のはなしシリーズ47 肩こり」