- 1. 筋膜リリースの基本
- 2. 筋膜リリース用のフォームローラーとは
- 3. 筋膜リリース用のフォームローラーの効果とは
- 4. 筋膜リリース用のフォームローラーの使い方
- 5. 筋膜リリース用のフォームローラーの注意点
- 6. おすすめの筋膜リリース用のフォームローラー
- 仰向けになって両膝を立てる
- 腰の下にフォームローラーをセットする
- 両手を身体の横について支えながら、フォームローラーを上下に動かし腰まわりに当てる
- 仰向けになって両膝を立てる
- 肩甲骨の下にフォームローラーをセットする
- 両手を頭の後ろで組んで、肩甲骨の少し上から胃の裏くらいまでの範囲でフォームローラーを上下させる
- 肘をついて横向きに寝転がる
- 右太ももの外側にフォームローラーをセットする
- 両手と左足で支えながら右足を浮かす
- 太もものつけ根から膝までゆっくりとフォームローラーを上下させる
1. 筋膜リリースの基本
筋膜リリースとは、よじれたり固まったりした筋膜をフォームローラーなどを使ってほぐす行為である。まずは、筋膜リリースの基本知識から確認しよう。
筋膜とは?
筋膜とは、筋肉を覆うように全身にはりめぐらされたタンパク質の薄い膜である。5層に分かれており、筋肉だけでなく内臓や血管、骨などの深層部まで達している。全身をくまなく覆うことから「第二の骨格」とも呼ばれ、筋肉同士を密に連結させている存在だ。全身がつながっているため一ヶ所によじれやこわばりが生じると、ほかの部分にも影響が波及してしまう。
筋膜リリースとは?
筋膜には弾力性があり、長時間同じ姿勢をとることなどが原因で一部が癒着したりよじれたりすることがある。すると筋膜によってつながる周りの筋肉との連動性や柔軟性も失われ、コリや痛みが発生したり、血流が悪化したりとさまざまな不調が起きやすくなる。運動パフォーマンス低下の一因ともなる。
筋膜リリースとは、この癒着したりよじれたりした筋膜を専用のローラーなどでほぐし、正しい状態に戻す施術方法だ。マッサージとしての筋膜リリースのほかに、医療行為として筋膜リリースを行う病院もある。
医療行為の筋膜リリースとの違い
整形外科などにも「筋膜リリース(ハイドロリリース)」と呼ばれる治療があるが、こちらはエコーによって筋膜の癒着部分を探し、生理食塩水を注射して癒着をはがす方法である。重い症状がある場合などに用いる医療行為であり、一般的にいわれている筋膜リリースとは異なるものなので、受診の際などは勘違いしないようにしたい。
2. 筋膜リリース用のフォームローラーとは
筋膜リリースを行うにはストレッチのようにポーズをとる方法や、セラピストによる施術を受ける方法などもある。しかし筋膜リリースを自分で行うための定番アイテムといえば、筒形の「フォームローラー」だ。
フォームローラーはもともとアスリート用のフィットネス器具だが、自宅で手軽に使えることもあり、今ではマッサージグッズとして広く普及している。床に置き、気になる部分を押し当てて転がすだけでコリや痛みに効果を期待できると、使い方も簡単だ。ひとつで全身に使用できるので、筋膜リリース初心者であれば入手しておいてもよいだろう。この先では、フォームローラーの効果や使い方を具体的に解説していく。
3. 筋膜リリース用のフォームローラーの効果とは
本項では、フォームローラーを用いた筋膜リリースにどのような効果があるのかを見ていこう。
コリや痛みの改善
筋膜が癒着して硬くなった部分をフォームローラーでほぐすことで、筋肉の柔軟性が復活し血流も改善するといわれている。そのため筋膜リリースではまず、肩こりや首こり、腰痛をはじめ、全身のさまざまなコリや痛みの改善が期待できるだろう。マッサージなどピンポイントの施術では治りにくいコリ・痛みにも、筋肉の連動性を復活させる筋膜リリースは効果的だとされている。
疲労回復
筋膜リリースによって血流や筋肉の柔軟性が改善すると、溜まった老廃物も流れやすくなり疲労回復を早めることも期待できるだろう。また、冷え症などの改善への効果も存在するといわれている。さらに筋膜が本来の状態に戻ることで、身体がスムーズに動かしやすくなる、姿勢がよくなる、自律神経が整うなどさまざまな不調を改善する効果もあるとされている。
4. 筋膜リリース用のフォームローラーの使い方
続いて、筋膜リリースを行う際のフォームローラーの使い方を部位別に紹介しよう。
腰
腰まわりのだるさや、腰痛に悩む方におすすめの筋膜リリース方法だ。腰の側面をほぐしたい場合は、肘をついて横向きになり左右両方にフォームローラーを当てればOKである。
肩甲骨
肩こりや猫背の改善などに効果的な使い方である。肩や背中に力が入っていると十分に筋膜リリースができないため、できるだけ上半身の力を抜いて転がそう。
足
こちらは、足のむくみや疲れを取りたいときにおすすめの使い方だ。太ももの前側が気になる場合は、うつ伏せになり腕で上半身を支えながら太ももの前側をほぐしていこう。
5. 筋膜リリース用のフォームローラーの注意点
筋膜リリース用フォームローラーは誰でも気軽に使えるアイテムではあるが、使い方には注意しておくべき点もある。
痛気持ちいいくらいの強さ
コリがひどい場合などは、フォームローラーで痛みを強く感じることがある。強い力をかけ過ぎると揉み返しのような症状が現れることがあるため、あまり無理をせず「痛気持ちいい」と感じる程度の力でマッサージしよう。
病気やケガがあるときは行わない
悪性の腫瘍や傷、縫合部、ケガなどがあるときは、悪化する危険があるため使用は避けよう。また筋膜リリース後に痛みが増すような場合も、施術を中止して様子を見ることをおすすめする。
使用後は清潔に保つ
フォームローラーを使った後は、雑菌などが繁殖しないよう清潔に保とう。水洗いできるタイプであれば洗って乾燥させ、洗えない場合は優しく水拭きするとよい。
説明書をしっかり読む
フォームローラーはアイテムによって耐久重量が異なり、ときには割れてしまうトラブルも起こる。注意書きや使い方をしっかりと読んでから筋膜リリースに使用してほしい。
6. おすすめの筋膜リリース用のフォームローラー
フォームローラーは数多くのメーカーから発売されており、自分に合ったものを選び出すのはなかなかに難しい。そこで最後に、筋膜リリースにおすすめのフォームローラーを3種類厳選して紹介しよう。
トリガーポイント「グリッド フォームローラー」
トリガーポイントは、フォームローラー選びでは定番ともいえる米国発ブランドだ。セラピストの手技を再現した特許構造で、効果的な筋膜リリースを実現する。17種類の筋膜リリース方法を解説した教科書も付いており、日常のメンテナンスから本格的にスポーツをする方にまでおすすめだ。
EasyChange「フォームローラー」
細かい凹凸部分と平らな部分が半々になっており、好みに応じて使える構造が嬉しい。千円以下と手ごろな値段だが、耐久重量は200kgあり、口コミ評価も高いので気軽に筋膜リリースを始めてみたい方には十分おすすめできるアイテム。
Drizzle 「フォームローラー 5点セット」
フォームローラーに加え、手に持ってローリングできるローラースティック、ストレッチボール、エクササイズバンド、収納袋の5点がセットになっている。細かい部分の筋膜リリースや筋トレも並行したい方にぴったり。全7色から選べて価格も良心的である。
結論
フォームローラーを使った筋膜リリースは、初心者でも自宅で簡単にできるエクササイズだ。筋膜を正しい状態に戻すことで、身体が軽くなるだけでなく姿勢の改善やスタイルアップも期待できる。在宅時間が長くなり全身のコリや姿勢の崩れが気になっているという方は、正しい方法を確認したうえでぜひ一度試してみてはいかがだろうか。ただし、症状によってはフォームローラーを使用しないほうがよい場合もあるため気になる方は使用は避け、医療機関を受診するようにしよう。