目次
- 1. 体脂肪率とは?
- 2. 体脂肪率の計算方法
- 3. 男性と女性の体脂肪率の標準値は?
- 4. 体脂肪率とBMI値の関係とは?
- 5. 体脂肪率を下げる方法は?
- 6. 標準より低すぎる体脂肪率にも注意が必要
- 18.5未満:低体重(日本肥満学会)/重量不足(WHO)
- 18.5〜25未満:普通体重(日本肥満学会)/正常範囲(WHO)
- 25〜30未満:肥満1度(日本肥満学会)/重量超過(WHO)
- 30〜35未満:肥満2度(日本肥満学会)/肥満class I(WHO)
- 35〜40未満:肥満3度(日本肥満学会)/肥満class II(WHO)
- 40以上:肥満4度(日本肥満学会)/肥満class III(WHO)
- ※1:インスリン _ e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-011.html
1. 体脂肪率とは?

そもそも体脂肪率とはどういった指標のことなのだろうか?計算方法や標準値などの前に、まずは体脂肪率および体脂肪に関する基本的なところを簡単におさらいしておこう。
全体重に占める脂肪の割合を示す数値
体脂肪率とは、全体重のうち体脂肪が何割であるかを表した数値だ。ダイエットの際などは体重を重視してしまうが、たとえ同じ60kgでも体脂肪率によって体型は変わる。体重は標準的だったとしても、体脂肪率が高いというケースがあるため油断は禁物だ。
体脂肪は大きく「内臓脂肪」と「皮下脂肪」に分かれる
体脂肪には「内臓脂肪」と「皮下脂肪」がある。男性に多いとされる内臓脂肪は、短期間でつきやすい一方、皮下脂肪と比べて落としやすいといった特徴がある。一方の皮下脂肪は女性につきやすいとされており、一度つくと落ちにくい。下半身太りなどの原因となる脂肪だ。
2. 体脂肪率の計算方法

体脂肪率は自分でも手軽に計測できる。計算方法を紹介しておこう。
体脂肪率の計算方法
体脂肪率は「体脂肪の重量(kg)÷体重(kg)×100」で求められる。体脂肪の重さがわからないと体脂肪率は求められない。そのためまずは体脂肪の重さを知ることが先決だ。
体組成計を使う方法が手っ取り早い
近年では体脂肪率を即座に測定できる体組成計も数多く販売されている。わざわざ体脂肪の重さを自分で測るよりも、体組成計を使ったほうが効率がよく正確性もある。体脂肪率は水分量によって変動するため、毎日決めた時間に測定し標準値を出しておくのがおすすめだ。
3. 男性と女性の体脂肪率の標準値は?

男性と女性とでは体脂肪率の標準が異なる。それぞれ標準値を見てみよう。
男性の体脂肪率の標準値
男性の体脂肪率は標準で「10〜19.9%」といわれている。20%を超えると軽度肥満、25%を超えると中等度肥満、30%を超えると重度肥満といった具合だ。
女性の体脂肪率の標準値
一方、女性の体脂肪率は男性よりも高く、標準で「20.0%〜29.9%」といわれている。30%を超えると軽度肥満、35%を超えると中等度肥満、40%を超えると重度肥満だ。
4. 体脂肪率とBMI値の関係とは?

男性の体脂肪率の標準値は10〜19.9%であり、20%以上で軽度肥満、25%以上で中等度肥満、30%以上で重度肥満とお伝えしたが、もうひとつ「BMI値」という指標がある。こちらも肥満判定に用いられるものだが、具体的にどんな意味を持つ数値なのだろうか?
BMIと肥満判定の関係
「BMI」とはボディ・マス・インデックスの略で、国際的に用いられる体格指数である。「体重kg÷(身長mの2乗)」で求められる。
【BMI値と肥満判定】
このように日本肥満学会とWHOでやや異なるが、基本的には男性のBMI標準値は23.7、日本肥満学会が定めたBMI値では25以上が肥満に該当すると思っておこう。
ただしBMI値だけでは本当の肥満かどうかはわからない
BMI値の算出に使用するのは身長と体重のみである。たとえば体脂肪率が高い方は脂肪の量が多いということになるため、肥満と判断できるかもしれない。だが筋肉が多く脂肪が少ない方でも、体重があればBMI値が高くなる。すなわちBMI値だけでは真の意味で肥満かどうかは判定できないということだ。
体脂肪率が高く、BMI値も高いという人はどうなる?
体脂肪率およびBMI値いずれも高いという方は「肥満」と考えてよいだろう。だらしない身体つきになるだけではなく、疲れやすくなったり食欲がわかなくなったりし、身体機能が低下するおそれがある。
また体脂肪率やBMI値が高い肥満体型は、お腹周りがたるんでいるものと思い込んでしまうかもしれない。だが実際には、見た目は痩せている「隠れ肥満」も存在する。見た目で判断するのではなく定期的に計測することが重要だ。
5. 体脂肪率を下げる方法は?

体脂肪率が標準値を超えているという方は、ぜひ標準値まで下げることを目標にしよう。ただし無理なダイエットなどを敢行すると逆に体脂肪率が上がるおそれがある。やり方が大切だ。
栄養バランスが整った食生活を心がける
体脂肪率を標準値まで下げるためには、3食バランスのよい食事を摂ることが基本となる。ダイエットのために朝食を抜く方も多いが、空腹状態でたくさん食べれば脂肪を合成するインスリンが大量分泌され、より脂肪を蓄えやすい=太りやすい体質になってしまうおそれがある。(※1)過度な油物の摂取も控えたほうがよいだろう。
有酸素運動をする
体脂肪率を下げる方法として有酸素運動がおすすめだ。有酸素運動は脂肪をエネルギーに変えて消費する効果がある。運動に慣れていない方は、近所をウォーキングするなど簡単なところから始めるとよいだろう。
筋トレで基礎代謝を上げる
筋トレで筋肉量が増えると、基礎代謝が上がる。すなわち消費カロリー量が上がるということだ。太りにくく痩せやすい身体をつくることができる。とはいえガッツリ筋トレする必要はない。まずはスクワットや腕立てなどを、週2回ほどから継続してみよう。
きちんと睡眠をとるなど規則正しい生活を心がける
体脂肪率を標準値まで下げるためには、食事や運動に加えて生活習慣、とりわけ睡眠が大切といわれている。睡眠をしっかりとることで成長ホルモンが分泌され、脂肪燃焼効果のアップが期待できるというのがその理由だ。
6. 標準より低すぎる体脂肪率にも注意が必要

体脂肪の基礎知識および、体脂肪率の計算方法や標準値、高い体脂肪率を下げる方法などを紹介してきた。だが単に標準より低ければよいわけではない。脂肪はエネルギーの貯蔵や体温保持の役割を担っているため、人間が生きる上で欠かせない栄養素でもある。
その体脂肪率が標準値より低くなりすぎてしまうと、冷え性や免疫力低下につながることが考えられる。また体脂肪率が低くなると筋肉も減りやすくなる。結果として基礎代謝も下がり、脂肪を溜め込みやすい体になってしまうおそれがある。
健康に気を使うことはもちろん大切なことではあるが、やりすぎは禁物だ。標準値を目指して食生活や生活習慣を見直してみよう。
結論
男性の体脂肪率の標準値は10.0〜19.9%、女性は20.0〜29.9%である。痩せていても体脂肪率が高い「隠れ肥満」が存在するなど、体脂肪率は見た目だけでは判断できない。定期的に計測するとともに規則正しい生活を心がけ、健康的な身体を手に入れよう。
(参考文献)