目次
1. 腕立て伏せの種類と鍛えられる筋肉

腕立て伏せ(プッシュアップ)にはいくつか種類があり、それぞれで鍛えられる筋肉が異なる。そこでまずは、代表的な腕立て伏せの種類と鍛えられる筋肉について確認しておこう。
1.ノーマルプッシュアップ
最も一般的な腕立て伏せが「ノーマルプッシュアップ」である。その特徴は、手を肩幅の1.5倍程度の位置についていることである。上腕三頭筋(二の腕)や大胸筋を特に鍛えられるほか、三角筋や体幹(インナーマッスル)なども鍛えられる。そのため、上半身のトータルトレーニングが可能だ。
2.ワイドプッシュアップ
基本的な腕立て伏せよりも腕を開いて行うのが「ワイドプッシュアップ」だ。手を肩幅の2倍程度の場所につけて行うのが特徴である。腕を大きく広げることで胸への負荷が増えるため、大胸筋を鍛えるのに向いている。また、上腕三頭筋や三角筋、前鋸筋(脇の下の筋肉)も鍛えられる。
3.ナロープッシュアップ
基本的な腕立て伏せよりも腕を狭くして行うのが「ナロープッシュアップ」だ。手をほぼ肩幅と同じくらいの位置につき、肘を後方に畳むようにして行うのが特徴である。腕を狭めることで、上腕三頭筋への負荷を大きくできる。また、大胸筋や三角筋などを鍛える効果も期待できる。
2. 腕立て伏せに期待できる主な効果

腕立て伏せでは大胸筋や上腕三頭筋などを鍛えることが可能だ。そのため、理想的な上半身を作るのに役立つ。しかし、腕立て伏せに期待できる効果はほかにもある。ここではそんな効果を紹介する。
1.理想的なボディメイクができる
腕立て伏せでは、大胸筋、上腕三頭筋、三角筋、体幹(インナーマッスル)などを鍛えられる。そのため、厚い胸板や引き締まった二の腕などを手に入れることが可能だ。また、筋トレをするとテストステロンが分泌されるといわれており、心身ともにより男性らしさがアップするという。
2.基礎代謝が上がり痩せやすくなる
腕立て伏せで筋肉量が増えると、基礎代謝のアップも期待できる。基礎代謝とは人間が生きていくために消費されるエネルギーのことで、筋肉量が多い人のほうが基礎代謝量は高くなる傾向がある。つまり、筋肉が付いて基礎代謝量が増えると、太りにくく痩せやすい身体付きになるということだ。
3.運動不足やストレスを解消できる
腕立て伏せに取り組むことで、運動不足やストレスなどを解消することもできる。身体を動かすことは大変だが、最後までやり遂げると心地よい達成感や疲労感などが得られる。自宅でもできる自重トレーニングで、難易度も調整しやすいため、運動が苦手な人でも取り組みやすいことがポイントだ。
3. 腕立て伏せの効果を上げる方法

腕立て伏せを効果的に行いたい場合は、トレーニングの負荷を大きくしたり、スロートレーニングを取り入れたりするのがおすすめだ。以下で腕立て伏せの効果をアップするための方法を確認しよう。
1.トレーニングの負荷を大きくする
腕立て伏せの効果を上げたいなら、トレーニングの負荷を大きくするのが良い。例えば、プッシュアップバーを使ったり、トレーニングベンチに足を乗せたりする方法がある。特にプッシュアップバーは1,000円程度からとリーズナブルなので、購入しておいて損はないだろう。通常の腕立て伏せに慣れてきたら、このような器具を使った難易度が高い腕立て伏せに挑戦してみよう。
2.スロートレーニングを取り入れる
腕立て伏せの効果を上げたいなら、スロートレーニングを取り入れるのもおすすめだ。通常の腕立て伏せでは「肘を曲げる/伸ばす」の運動を1~2秒程度で行うことが多い。その秒数をそれぞれ3~5秒ずつに延ばすのがスロートレーニングである。これにより筋肉への負荷を一段と大きくできる。
3.インターバルの時間を短くする
腕立て伏せを数セット行う場合は、各セット間のインターバルを短くするのが良い。インターバルの時間が長すぎると、筋肉への負荷が少なくなり腕立て伏せの効果が少なくなる。インターバルの時間は30秒~1分程度を目安にし、できる限り筋肉への負荷を逃がさないようにするのがポイントだ。
4. 腕立て伏せの効果が得られない原因

腕立て伏せの効果が中々現れない場合、もしかしたらやり方やフォームなどを間違えている可能性が考えられる。ここでは、そんな腕立て伏せの効果が得られない原因について詳しく解説する。
1.やり方やフォームを間違えている
腕立て伏せのやり方やフォームを間違えている場合、狙った筋肉を十分鍛えることができない。例えば、腕立て伏せ中に肘を完全に伸ばしている、腰や背筋の力で上体を持ち上げている、筋肉ではなく反動を使っているなどが考えられる。これらに心当たりがある場合はやり方やフォームを見直そう。
2.頻度や回数が足りていない
腕立て伏せの頻度や回数が不足している場合は、十分な効果が期待できないだろう。筋トレの目的にもよるが、腕立て伏せの場合は、頻度は「2~3日に1回程度」、回数は「10回×3セット程度」が目安となっている。もしこれよりも少ない場合は頻度や回数を見直すようにしよう。
3.栄養が不十分となっている
正しいフォームや適切な頻度で腕立て伏せをしているのに効果が見られない場合は、食生活や栄養面などを見直す必要があるかもしれない。筋肉を付けるためにはたんぱく質をはじめ、炭水化物やビタミン類、ミネラル類なども必要になる。食事で補えていない場合はプロテインなども活用しよう。
5. 腕立て伏せの効果に関するよくある質問

最後に、腕立て伏せの効果に関するよくある質問に回答する。
Q1.腕立て伏せの効果が現れるまでどれくらいかかる?
個人差があるが、一般的に腕立て伏せの効果が現れるのは3~6か月程度といわれている。このくらい継続的にトレーニングをしていると、筋肉が増えたと実感できたり、見た目も筋肉質になったと感じたりできるだろう。「時間がかかるもの」と理解しておき、長期的に取り組むようにしよう。
Q2.腕立て伏せは毎日取り組むほうが効果的なのか?
「腕立て伏せは毎日行っても問題がない」といわれることがある。しかし、腕立て伏せで鍛えられる大胸筋や上腕三頭筋などの超回復期間は48~72時間程度であるため、毎日腕立て伏せを行うのはおすすめできない。超回復とは筋肉が大きくなるために必要な現象のことで、この期間には十分な休息が必要とされている。そのため、頻度としては2~3日に1回程度にするほうが望ましい。
結論
腕立て伏せは、大胸筋、上腕三頭筋、体幹(インナーマッスル)などを鍛えられる自重トレーニングである。また、バリエーションも豊富であり、狙った筋肉を鍛えやすいという特徴もある。基本的には道具は不要で自宅でもできるため、ぜひ日々の生活に取り入れてみよう。