目次
1. 脂肪の種類とは?

脂肪燃焼させるためには脂肪について理解することが大切になる。脂肪といっても、その種類は大きく分類して2つあり、役割もそれぞれ違うのだ。ここでは、脂肪の種類と役割について紹介していく。
皮下脂肪
皮膚のすぐ下につく脂肪のことで、とくに女性がつきやすいのが皮下脂肪だ。全身のあらゆる場所に存在し、太ももやお腹まわり、お尻まわりなどにつきやすく、落ちにくいのが特徴だ。皮下脂肪というとよいイメージがないが、身体を冷えや衝撃から守る効果がある。皮下脂肪が増える原因として運動不足や食べ過ぎとされている。そのため、運動や食事を見直すことで脂肪燃焼につなげられるのだ。
内臓脂肪
内臓脂肪とは腸間膜につくお腹の深い部分ある脂肪のことで、とくに男性につきやすいといわれている。エネルギーの一時保存として内臓脂肪はつかわれるため、脂肪のつくスピードが早く、落ちるのも早いのが特徴だ。内臓脂肪の原因として偏った食生活があげられる。脂肪燃焼のためには食生活の見直しが大切だろう。
2. 体脂肪率とは?

脂肪燃焼のためには、体脂肪率を理解することも重要になってくる。体脂肪率とは全体重に占める脂肪の割合を、パーセンテージで示した指標のことだ。運動や食事制限での脂肪燃焼を考える前に、知っておくとよいだろう。
体脂肪率の平均値
体脂肪率の平均値は、男性は10?19%で、女性は20?29%となっている。それ以上の数値は肥満とされる。理想の体型に近づけるために脂肪燃焼をしたいのであれば、自分の体脂肪を数値化し、把握することが大切だろう。ただし、体脂肪だけでは健康状態や肥満の有無の判断ができない場合もあるため、いくつかの指標を参考にすることをおすすめする。
3. 脂肪燃焼させるには?

脂肪を燃焼させるにはどうすればよいのだろうか。ここでは脂肪燃焼の仕組みについて解説していく。
脂肪燃焼の仕組み
脂肪燃焼は複雑な過程を経て行われているのである。身体のエネルギーが少なくなると、脳が脂肪を分解するように指令を出す。そして脂肪の代謝・分解に関わる酵素のリパーゼが活性化するのだ。(※1)さらにリパーゼの働きで、脂肪細胞がグリセロールと脂肪酸に分解されると、全身の筋肉に脂肪酸が行き渡り、ミトコンドリア内で酵素と結びつきエネルギーに変わる。(※2)以上が脂肪燃焼の仕組みだ。簡単に説明すると、脂肪燃焼は身体のエネルギー不足に脳が反応し、溜めている脂肪をエネルギーに変える現象だ。
脂肪燃焼には運動と食事の改善が必要
増えた脂肪をそのままにしておくと脂肪細胞がどんどん大きくなってしまう。そうならないために必要なのが、運動と食事である。運動には無酸素運動と有酸素運動があり、無酸素運動は基礎代謝を上げてくれる効果、有酸素運動は脂肪を燃焼する効果がある。食事に関しては、健康的な食生活を身につけることから始めるとよいだろう。3食しっかり食べる・食事は腹八分目・ゆっくり味わって食べる。この3つをまずは意識することをおすすめする。
4. 脂肪燃焼におすすめの運動
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先述で運動には2種類あると説明したが、有酸素運動は脂肪、無酸素運動は糖質をエネルギーとして行う。そのため皮下脂肪が多めの人は、有酸素運動と筋トレを組み合わせることで、脂肪燃焼の効果も期待できるだろう。また脂肪燃焼には、筋トレをしてから有酸素運動をすることをおすすめする。筋肉や骨を強くするホルモンを分泌する筋トレを先に行うことで、効率よく脂肪燃焼を行えるのである。
おすすめの筋トレメニュー
ここからはおすすめの筋トレメニューを紹介しよう。
・スクワット
脂肪燃焼を効率よく行うためには、基礎代謝を上げられる大きな筋肉を鍛えるのがよい。なかでもスクワットはお尻や太ももなど、下半身を鍛えるのにおすすめの筋トレだ。
・クランチ
お腹周りの引き締めに、おすすめしたい筋トレがクランチだ。腹筋には腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋などがあり、それらを一度に鍛えられるのがクランチである。
おすすめの有酸素運動
ここではおすすめの有酸素運動を紹介しよう。
・ウォーキングやジョギング
有酸素運動と聞いて思いつくのがウォーキングやジョギングではないだろうか。ウォーキングを習慣化して1日45分?1時間、少し速いくらいのスピードで行うのがおすすめだ。ジョギングもおすすめだが、スピードが速くなってしまうと、無酸素運動の比率が多くなってしまうので注意が必要である。どちらも頑張りすぎないことが大切だろう。
・水泳
有酸素運動として効果的なエクササイズもよいが、腰や膝などに負担が少ない方がよいなら水泳がおすすめだ。水中では重力が6分の1になるため、陸上より長く続けられるのが特徴である。呼吸を意識して行うので、有酸素運動として効果的だろう。
5. 脂肪燃焼におすすめの食生活

長時間の激しい運動を取り入れなくても、食生活を意識することで脂肪燃焼効果が期待できる。ここでは脂肪燃焼におすすめの食生活を紹介しよう。
腹八分を意識して3食とる
脳の満腹中枢が刺激されると満腹感が得られる。食後満腹中枢が刺激されるまでにかかる時間は、約15?20分だ。そのため食事の量は、満腹と感じるまで食べてしまうより、腹八分目を意識するほうがよいだろう。
タンパク質を摂取する
肉を食べると太るというイメージを持っている方も多いのではないだろうか。脂の多い肉の場合はカロリー過多になることもあるが、肉に含まれるタンパク質は身体の筋肉を作るのに必要不可欠といえるため、カロリー過多にならない程度に摂取しよう。(※3)
水分を多く摂取する
水を飲むと、むくむと考える方もいるだろう。しかし、実際は水分量が足りないとかえって身体がむくむ原因になるのだ。水分をしっかり摂ることで、体内の基礎代謝が上がり、脂肪燃焼が進みやすいというメリットがある。
足りない栄養素はサプリメントで補う
普段から食事に気をつけていたとしても、身体に必要な栄養を食事だけで摂ることは難しいだろう。そういう時は、サプリメントの活用をおすすめする。脂肪燃焼に効果が期待できる漢方薬もあるので、脂肪を燃やす手助けに活用してみるのもよいだろう。
6. 脂肪燃焼させやすい食べ物

最後に、脂肪燃焼させやすくなる食べ物について紹介していく。
赤身肉
牛肉や羊肉などは、L-カルチニンという成分が多く含まれていて、ミドコンドリアまで遊離脂肪酸を運んでくれる役割がある。(※4)脂肪燃焼するうえで欠かせない成分といえる。また、肉類には筋肉の材料となるタンパク質が多く含まれているので、積極的に摂りたい食材といえるだろう。
豆腐
脂質やカロリーが低い豆腐は、筋肉を作るうえで不可欠なタンパク質が多く含まれている。(※5)また豆腐の原料である大豆にはβコングリシニンが含まれていて、中性脂肪の代謝改善を期待できるのだ。(※6)
ヨーグルト
ビタミンB2が多く含まれているヨーグルトは、脂肪燃焼には欠かせない食材だ。また、ヨーグルトは免疫力向上や便秘改善などの健康効果も期待できる。(※7)
トマト
トマトにはリコピンという栄養素が多く含まれている。脂肪細胞の働きを抑制してくれる成分で、太りにくい身体にしてくれるのだ。(※8)
お酢
内臓脂肪を少なくする働きがあると科学的に、証明されているのがお酢である。料理に使用するのはもちろん、ドリンクで割って飲むのもおすすめだ。(※9)
緑茶
緑茶は日本人にとってなじみのある飲み物だ。そんな緑茶には脂肪燃焼を促すカテキンという成分が多く含まれているのだ。また脂肪吸収の抑制も期待できることから、食後に飲むのをおすすめする。(※10)
脂肪燃焼スープ
脂肪燃焼に効果が期待できるスープとして、注目を浴びている脂肪燃焼スープを紹介しよう。名前のとおり、スープを使用して一気に体重を落としていく方法だ。海外の病院で考案され実施した方法で、短期間で脂肪を燃焼する効果を期待でき、さらに身体に負担がかからないようになっている。基本は3食すべてスープにするのだが、無理な人は夜だけ行うものよいだろう。スープダイエットで使う材料は決まっていて、キャベツ・にんじん・玉ねぎ・ピーマン・セロリ・トマトを準備する。野菜をすべて煮たら味付けは、コンソメと塩胡椒だけ。脂肪燃焼スープはとても簡単なレシピなので、ぜひ作ってみてもらいたい。
結論
今回は、脂肪燃焼について紹介した。脂肪燃焼のためには運動や筋トレ、食事などを見直して、自分のできることから取り入れていくとよいだろう。脂肪燃焼させやすい食材も紹介したので、なかなか脂肪が落ちないと悩んでいる方がいたら、ぜひ参考にしてほしい。
(参考文献)
※1参照:公益財団法人長寿科学振興財団「酵素の働きと健康効果 | 健康長寿ネット」
※2参照:厚生労働省「ミトコンドリア | e-ヘルスネット(厚生労働省)」
※3参照:厚生労働省「たんぱく質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」
※4参照:厚生労働省「厚生労働省eJIM | カルニチン | サプリメント・ビタミン・ミネラル | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト」
※5参照:厚生労働省「脂肪 / 脂質 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」
※6参照:厚生労働省「厚生労働省:薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会新開発食品評価調査会 平成16年6月16日議事要旨」
※7参照:公益財団法人長寿科学振興財団「ビタミンB2の働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット」
※8参照:厚生労働省「緑黄色野菜 | e-ヘルスネット(厚生労働省)」
※9参照:農林水産省「2030873076.pdf」
※10参照:公益財団法人長寿科学振興財団「カテキンの種類と効果と摂取量 | 健康長寿ネット」