目次
1. 着こなしの前に知っておくべきスーツの種類

スーツの着こなし方について知る前に、スーツにはどのような種類があるのか、その基本から確認していこう。ジャケットの種類をはじめ、襟の種類、ベントの種類について解説する。
ジャケットは3種類
スーツのジャケットには、3種類あることを覚えておこう。まず、現在におけるジャケットの定番「シングルスーツ」と、ボタン配列が2列で、よりフォーマルな印象の「ダブルスーツ」、そしてジャケット・ベスト・パンツが3点セットになった「スリーピース」がある。ジャケット選びは着こなしの基本なので、とくに意識しておきたい。
襟の種類
スーツのジャケットと同じく、襟にも3種類がある。まず、シングルスーツの定番仕様である「ノッチドラペル」と、ダブルスーツに多い下襟がとがったデザインが特徴の「ピークドラペル」、そして上襟と下襟が分かれていない「ショールカラー」は、タキシード向けの襟となる。
ベントの種類
ベントとは、スーツのジャケットの後ろの縦の切れ目である。後ろ姿の印象を決めるポイントなので、着こなしにも影響しやすい部分だ。ベントも同じく3種類がある。まず、最も一般的なタイプの「センターベント」と、両サイドに縦の切れ目が入った「サイドベンツ」、そしてあえて切れ目がなく、冠婚葬祭向きタイプの「ノーベント」がある。
2. メンズスーツの着こなしに関するマナー

メンズスーツの着こなしができる男性は、スーツの着用マナーもしっかり頭に入っているものだ。実はスーツには、着こなしに関するマナーが多い。それぞれを覚えるのは少し大変だが、着こなしをマスターするためにぜひ覚えておいてほしい。
ボタンに関するマナー
スーツの着こなしの基本マナーといえば、アンボタンマナーだろう。スーツの場合、ジャケットの一番下のボタンはデザイン上の装飾品として扱うため、ボタンを留めないのが正式なスタイルである。1つボタンのスーツ以外は、どのスーツも共通する点なので、まず頭に入れておこう。
フラップに関するマナー
フラップとは、スーツのジャケットの腰ポケットに付いた、角が丸いふたになる部分である。主に雨よけやホコリよけの役割を持っているので、屋内の場合はフラップを内側にしまっておくのがマナー。とくに冠婚葬祭やビジネスシーンなど、フォーマルな場ではフラップを外側に出さないように注意しよう。
アウターに関するマナー
冬場の寒い時期は、スーツの上にアウターがほしいものだ。スーツの上に着るアウター選びのポイントは、ジャケットよりも着丈の長いものを選ぶことが基本。ジャケットより短いアウターでは、決して見映えがよいとはいえない。着丈の長いコートを選べば無難である。
シャツに関するマナー
スーツの下に着るシャツを、半袖にするのはNG。ジャケットの袖口からは、常に1~1.5cmほどシャツが出るのがスーツの基本である。とくに夏場の場合、いくら気温が高いからと、スーツと半袖シャツを合わせることがないよう、注意したい。
ネクタイに関するマナー
ネクタイで気を付けるべき点は、結び目だけではない。実はネクタイの長さもスーツの着こなしマナーで重要なポイントだ。最適な長さとは、ベルトのバックル部分にネクタイの先が適度に重なるくらいと覚えておけばよい。
ベルトに関するマナー
ベルトはスーツ着用時にあまり頻繁に目に入るものではないが、だからといってカジュアルなデザインのものを選ぶと、全体のバランスがおかしくなってしまう。ベルトを選ぶ際は、必ずスーツに合ったフォーマルなデザインのものを選ぶようにしたい。
スラックスに関するマナー
スラックスにはポケットが付いているので、ついつい財布などを入れていまいがちだが、実はスラックスのポケットには、幅のある物を入れないのが正解。長財布などはもってのほか、ポケットの破れの原因にもつながるので、しっかり意識しておこう。
3. メンズスーツの正しい着こなし方

メンズスーツの着こなしに関するマナーを知った後は、正しい着こなし方のポイントもあわせて確認していこう。こちらもスーツの着こなしの基本なので、常に意識しておきたい。
自分に合ったサイズのスーツを着る
スーツの着こなしのうえで、自分に合ったサイズのスーツを着ることは大前提である。スーツのサイズが大きすぎると野暮ったく見え、反対に小さすぎると窮屈な印象を与え、いずれにしても見た目のシルエットが悪い。ぴったりサイズのスーツを着るだけでも見た目はスタイリッシュになるので、必ず覚えておいてほしい。
Vゾーンを意識する
スーツのジャケットから見えるシャツとネクタイの部分はVゾーンと呼ばれ、スーツの印象自体を大きく左右するポイントとなる。同系色で揃え、柄物同士で合わせないなど、すっきりとした見た目になるようにコーデを工夫しよう。
ベルトと靴は同色にする
靴とベルトの色を同色で揃えることは、スーツスタイルにおける鉄則である。黒の靴を履く場合は黒のベルトを、また茶色の靴には茶色のベルトを合わせて、ここで色の違いが起こらないようにしっかり意識したい。
装飾は最低限にする
スーツスタイルはシンプルなので、ついつい小物やアクセサリーなどの装飾品を付けたくなるが、装飾は最低限に抑えるのがベター。パーティなど華やかな場では例外だが、ビジネスシーンでは失礼にあたることもあるので注意しよう。
4. 色別スーツのおしゃれな着こなしのコツ
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最後に、スーツの色別におしゃれな着こなしのコツを解説していこう。スーツの色によって、着こなし方もそれぞれ。自分に合った色のスーツで、おしゃれを楽しんでほしい。
ブラックスーツの場合
ブラックスーツは、過去では冠婚葬祭で着る色というイメージが強かったものの、現在では、若い世代を中心にビジネスシーンでも人気の色である。高級感やストイックさのある印象を与え、人をひきつけるイメージもある。ただ、欧州などの海外では、ブラックスーツは喪服として扱われるため、ビジネスシーンでの着用はNG。海外出張などの際は、この点は気を付けておきたい。
グレースーツの場合
グレースーツは、ビジネスシーンをはじめ、結婚式やパーティなどでも着用できる、汎用性の高さが特徴だ。ネイビーのネクタイと合わせれば、シーンを選ばず違和感のない鉄板コーデに。このように、無難な色のスーツだけに、ネクタイやシャツとの組み合わせ次第で、多様な着こなしが楽しめることも魅力のひとつである。
ネイビースーツの場合
ネイビースーツは、同じネイビーでも色味のバリエーションが豊富であることが特徴だ。明るめからダークトーンまで、色の濃淡によってまったく印象が変わるので、数着を気分やシーンによって、上手くローテーションしてみてもおもしろいだろう。
ブラウンスーツの場合
ブラウンスーツは、堅実で落ち着いた印象を与え、近年のトレンドにもなっていることで話題である。役職を持つビジネスマンにもぴったりな色味なので、シックな着こなしでまとめよう。
結論
メンズスーツの着こなしに関するマナーや、正しい着こなし方など、さまざまなポイントを解説した。日頃から袖を通すスーツだからこそ、着こなしを意識すれば与える印象もがらりと変わる。もし本記事を読んで実践できていない部分に気付いたら、一度マナーや着こなしを見直してみてはいかがだろうか。