1. スリーピーススーツとは?
「三つ揃え」と呼ばれることもあるスリーピーススーツ。元来、スリーピーススーツとは、一般的なジャケット、スラックスのほかに、ベストが加わった3点が揃っているスーツのことだ。最近ではオシャレでスーツのベストを着ていると思っている人も多いかもしれないが、元々スーツにはベストがセットになっていた。
つまり、スーツの原型の姿といっても過言ではない。しかし、スリーピーススーツを着ていると「偉そうに見える」などのマイナスなイメージを持つ人もいるかもしれないため、初対面の人と会うときは着用を避けるのが無難だ。また、スリーピーススーツを着用する際はボタンダウンタイプのシャツは避けよう。
カジュアルな装いのボタンダウンシャツはフォーマルなシーンで着用されるスリーピーススーツと合わせにくいからだ。ボタンダウンシャツをよく着る人も多いかもしれないが、ベストを着用するときは選択しないようにしよう。
2. ベストのボタンの留め方
スーツのジャケットやベストにはアンボタンマナーが存在する。基本的にスーツは、立ち姿をイメージしてつくられているので、立っているとき以外はボタンをすべて開けるのがマナーだ。ここからはスーツのジャケットやベストのボタンの基本と例外の着方について、もう少し詳しく見ていこう。
その1.基本的に「一番下」を外す
スーツのベストのボタンは、基本的に一番下を外しておくアンボタンマナーが存在する。たとえば、ベストのボタンの数が4つボタン、5つボタン、6つボタンであってもこれは変わらない。アンボタンマナーは、ベストのボタンの数によって左右されることはなく、一番下のボタンは外しておくのが一般的なのである。
その2.例外的に「一番上」を外す
基本的には一番下のボタンを外すとされているスーツのベストだが、例外で一番上のボタンを開ける場合もある。この例外が適用されるのは、結婚式やパーティーシーン、内勤時などだ。このようなシーンではベストの一番上のボタンを開けることで軽く着崩せ、こなれた装いに早変わりするので試してみよう。
3. ジャケットのボタンの留め方
最後に、ベストを着ているときのジャケットのボタンの留め方について紹介しよう。
その1.基本的にはすべて留めない
中にベストを着ているときは、スーツのジャケットのボタンは基本的にはすべて開けるのがマナーである。これは、立っているときも座っているときも、ベストを着ているのならば共通だ。ジャケットのボタンを開けることには、スーツが型崩れなどを起こして見栄えが悪くなってしまうことを防ぐ重要な役割がある。普段の癖などでついついジャケットのボタンを留めてしまう人は注意が必要だ。
その2.例外的に留めることもある
スリーピーススーツのジャケットのボタンは、基本的には留めることはないと紹介したが、これには例外ケースもある。たとえば、重要な会議や、商談などの場においてはスリーピーススーツを着用していたとしてもジャケットのボタンは留めたほうがよいだろう。着こなし方としては間違っていないが、商談相手や、上司がボタンを留めていた場合、だらしない印象を与えてしまう可能性もあるからだ。重要な場面ではジャケットのボタンを留めておくのが無難だろう。
結論
スーツのベストには、意外とマナーが多いことが分かった。場面ごとにボタンの留め外しが変わる場合や、合わせるシャツなどにも注意が必要になる。これまで何となく着用してきていた人も、今後のためにも、スーツのマナーを見直してみてもよいかもしれない。