目次
1. スーツのポケットの種類

スーツのジャケットには、主に3種類のポケットがある。それぞれに使い方があり、マナーもさまざまだ。私服で仕事をしているなどで、普段スーツを着ないと分らないこともあるだろう。これを機に正しく覚えておくとよい。
その1.胸ポケット
胸ポケットとは、スーツの左胸にあるポケットだ。スーツは昔、軍服として使用されていた。心臓に近い左胸に鉄板を入れて防御していたことから、その名残がいまも残されているのだ。現在では、ポケットチーフを挿すためのポケットとなっている。物を入れやすい場所にあるため万年筆などペンを刺したくなるが、就活や入社式のようなフォーマルシーンでは注意が必要だ。
その2.腰ポケット
ジャケットの両腰あたりにあるポケットだ。目立つ場所にあるポケットのため、デザインが豊富にあるのが特徴である。位置やデザインで与える印象を左右する、重要なポケットだ。スーツを着用するシーンに合ったデザインを選ぶとよいだろう。つい手を入れてしまいたくなる位置にあるが、ポケットに手を入れるのはマナー違反だ。
その3.内ポケット
ジャケットの内側にあるため、唯一、実用的に使えるポケットである。何も入れないのがベストな胸ポケットや腰ポケットとは違い、物を入れてもよいのだ。だが、スーツの形が崩れてしまわないよう、入れるのは薄型の財布や名刺入れまでにとどめておこう。
このように、スーツのポケットにはそれぞれ正しい使い方とマナーがあり、それぞれのデザインに意味があるのが特徴である。
2. 腰ポケットの主なデザイン

スーツにあるポケットのなかでも、目立つ位置にある腰ポケットは、さまざまなデザインがある。そのため、使うシーンに合ったポケットのデザイン選びが重要だ。
そんな腰ポケットのデザインをいくつか紹介しよう。
その1.フラップポケット
一般的なデザインの腰ポケットである。雨などが入らないように屋外で着る前提で「フラップ(ふた)」がついたデザインだ。カジュアルに着るシーンやフォーマルシーン、どちらにも向いているポケットである。スーツ選びに迷ったときや、どちらのシーンでも使えるように購入したい人は、このデザインの腰ポケットをおすすめする。
その2.スラントポケット
斜めにデザインされた腰ポケットのことだ。シャープな見た目のデザインのためスリムなシルエットに見せることができ、高身長の男性にとくに似合うスーツのポケットである。パーティーなどに向いているデザインだが、礼服として着用するには向いていないだろう。
その3.チェンジポケット
腰ポケットの上にある小さな装飾用のポケットだ。珍しいデザインの腰ポケットのため、就活や重要な会議などのように堅いシーンには向かないデザインだろう。カジュアルスタイルとして着られる場であれば、オシャレなデザインである。
その4.アウトポケット
同じ生地を上から縫い付けられたポケットだ。カジュアルな印象を与えるため、ビジネスシーンには向かないデザインのポケットだ。カジュアルシーンといえばこのデザイン、というほど人気の高いポケットデザインである。
その5.ノーフラップポケット
フラップポケットのような「フラップ(ふた)」が付いていないポケットで、フォーマルシーンに合うデザインだ。ポケットの口が開くとだらしなく見えてしまうため、一般的には何も入れないのがマナーである。
このようにポケットのデザインひとつで、見た目から与える印象もさまざまだ。オーダースーツなどでポケットの種類を選ぶとき、着るシーンによって合ったものを選ぶとよいだろう。
3. フラップポケットの正しい使い方

誰もが一着は持っているスーツだが、普段スーツを着る機会が少ない方や改めてマナーを知りたいという方もいるだろう。ここではフラップポケットに着目し、正しい着用方法と一般的なポケットのマナーを紹介しよう。
その1.屋外では出し、屋内ではしまう
スーツは腰ポケットに「フラップ(ふた)」が付いたデザインの多い。屋外で雨を避けるためにあるのだ。そのため、一般的には「室内では中に入れ、屋外では外に出すことがマナー」と言われていることが多い。
その2.腰ポケットにものを入れない
スーツの両サイドにあり、ハンカチやスマホなど物を入れやすい位置にある腰ポケット。だが、何も入れないのが一般的だ。物を入れることで、スーツの形が崩れてしまうからである。スーツの型崩れの原因にもなるため荷物は腰ポケットに入れず、内ポケットか鞄に入れるようにしよう。
結論
今回は、スーツのポケットの種類やその特徴と正しい使い方について紹介した。意外にも知らないことが多かったのではないだろうか。物を入れるためにあるポケットだが、入れないのがマナーとは衝撃的だったかもしれない。ポケットの種類や用途もたくさんあるので、今後のスーツ選びの参考にしてほしい。