舌の色が紫になるのは病気？気になる原因と改善方法を徹底解説

舌の色は、体調のバロメーターにすることが可能である。そのため、東洋医学では、患者の病気を調べるために舌を診察することも多い。自分でも歯を磨くときに舌をチェックする習慣をつけて、異変があったらすぐに気がつけるようにしよう。ここでは、健康な舌の特徴を紹介する。自分の舌の状態と比べて、健康チェックをしてほしい。

健康的な舌は、淡いピンク色をしている。（※1）さらに、ほどよい大きさがあり、潤っている状態だ。舌の表面に舌苔と呼ばれる白いコケが薄く付着していることもある。このような状態の舌は、赤ちゃんや子どもでしばしば見られるが、大人には少ないといわれている。

舌の色が紫になっていると、病気ではないかと心配になるだろう。そのような方に向けて、ここでは舌が紫になる原因を紹介する。加えて、舌の色を改善する方法もあわせてチェックしていこう。

舌の色が紫になっている方は、身体が冷え、血流が悪化している可能性がある。顔色が悪かったりむくみやすかったりする方は、舌の色が紫になりやすい。また、舌の裏側に通っている太い血管が盛り上がっているときも、血流悪化の疑いがある。舌の色が紫になった状態をそのままにしておくと、肩こりや肌の乾燥といった不調を引き起こすこともあるだろう。

ほかにも、舌の色が黒褐色に近くなっている場合は、細菌が増殖して起こる黒毛舌や舌の腫瘍の可能性もある。（※2）そのため、舌の色が気になる場合は、早めに専門の医師へ相談してほしい。

血流が悪化して、舌の色が紫になっている方には、半身浴がおすすめである。ぬるいお湯にゆっくりとつかると、身体が温まり、血流を促せるだろう。また、ストレッチやランニングのような軽い運動も、血流を促すといわれている。さらに、玉ねぎや青魚のような血流をサポートする食材を積極的に摂取するのもおすすめだ。

舌の色が紫になっているとき以外にも、身体の調子の変化を確認できる舌の状態がある。ここでは、セルフチェックをしているときに注意してほしい舌の状態を3つ見ていこう。

舌の上についている舌苔が、黄色や茶色になった場合は注意が必要だ。舌苔の色が濃くなるのは、身体の水分不足が原因といわれている。そのため、舌苔の色が気になる方は、こまめな水分補給を心がけよう。

また、舌苔が溜まり、分厚くなって色が濃くなっていることも考えられる。歯医者などで購入できる舌用のブラシを用意し、軽く舌に当てて掃除をしよう。舌苔がたまったまま放置すると、口臭の原因にもなるので注意してほしい。（※3）

舌の色が白くなっており、むくんだように腫れている場合は、身体が冷えている可能性がある。ほかにも、疲労や貧血が原因で、白い舌になることもある。舌が白い場合には、お風呂につかったり暖かい恰好をしたりして、身体を意識的に温めてほしい。

舌の色が赤い場合は、身体に熱がこもり、水分が不足している可能性がある。このタイプは、のどの渇きやのぼせを感じることも多いようだ。赤い舌の方は、のどが渇いていなくても、こまめに水分を摂るように心がけてほしい。とくに、熱中症になりやすい暑い季節は注意が必要である。また、可能であれば、身体を温める効果が期待できるショウガやスパイスなどを避けることをおすすめする。

舌の色は、体調のセルフチェックに役立つポイントである。そのため、こまめに確認して、異常があれば早めに対処することをおすすめする。舌の色が紫になっている場合は、血流の悪化が考えられるので、身体を温めるように意識しよう。また、紫になっている以外にも注意してほしい舌の状態もあるので、今回紹介したポイントを参考にしてみよう。舌の色をこまめにセルフチェックして、健康管理に役立てよう。

※1,3 公益社団法人鹿児島県歯科医師会「口臭対策　かんで食べることが大切」

※2 公益社団法人日本口腔外科学会「舌が黒くなった」