目次
1. ケトーシスとは?

ケトーシスという言葉を聞いたことがない方は、一体ケトーシスがどのようなダイエット方法なのか、見当もつかないだろう。そこで本項では、ケトーシスとはそもそも何なのか、その基本から解説する。
まずケトーシスとは、冒頭でも述べた通り糖質制限ダイエットの一種であり、エネルギー源を糖質から脂質へと変えていく状態のことを指す。生活エネルギーが脂質になるということは、つまり高い脂肪燃焼効果が得られるということなのだ。
またケトーシスの基本として、脂肪を代謝していく過程で生じる物質である、ケトン体についても知っておきたい。ケトン体とは、ベータヒドロキシ酪酸・アセト酢酸・アセトンの3つの物質の総称である。血液中のケトン体が増加し、エネルギー源の割合でケトン体が優位になった状態を、ケトーシスと呼ぶのだ。
ここまでの解説から簡潔にまとめてみよう。つまりケトーシスとは、糖質を限りなく抑え、代わりにケト原性アミノ酸や脂質を摂取してケトン体が優位になった状態を作り、エネルギー源を脂質に変えることで、効率的に脂肪を落としていくダイエットなのである。
ケトーシス状態になるまでの期間
ケトーシス状態になるまでには、ある程度の期間が必要であることも知っておきたい。ただ糖質制限をするだけで、短期間でケトーシス状態になれるかというと、それは間違いである。次項で解説するコツをよく押さえ、きっちりと食事のコントロールを行うことで、短期間でケトーシス状態になれるのだ。一般的にケトーシス状態になるまでの期間は、個人差が大きいものの、最低でも2週間程度とされている。焦らずに行っていくことが重要なポイントといえるだろう。
2. ケトーシス状態に短期間でなるコツ

では、ケトーシス状態に短期間でなるためのコツを解説していこう。ケトーシスは一般的にいう糖質制限とは異なるので、混同して考えないように注意したい。
糖質をなるべくゼロにする
糖質の摂取をなるべくゼロにすることは、ケトーシスのキーポイントである。ここで妥協すると、短期間でケトーシス状態になるのは少し難しい。お米やパン、うどんやパスタなどの主食はなるべく摂らず、野菜でも糖質の多いタマネギやイモ類、ニンジンやレンコンなどの根菜類の摂取も避けるようにしたい。野菜を食べる際は、肉料理のつけ合わせ程度で、葉野菜を摂るくらいに調整しよう。また、食物繊維はナッツ類から摂取すればOKだ。
ケト原性アミノ酸を摂取する
ケト原性アミノ酸とは、ほかのアミノ酸とは異なり、糖新生が起こりにくいアミノ酸のことを指す。糖新生が起こると、せっかく糖質の摂取をゼロにしたとしても、体内で糖質を作り出してしまい、短期間でケトーシス状態になりにくくなるのだ。ケト原性アミノ酸を代表するのはロイシンとリジンである。サプリからアミノ酸を摂取する場合も、ケト原性アミノ酸を意識しておきたい。
積極的に脂質を摂取する
より短期間でケトーシス状態になるためには、ケトン体の材料である脂質が必須である。多く感じるかもしれないが、1日の総エネルギーの60~70%を目安に脂質を摂取するようにしたい。サーロインステーキや青魚、ナッツやアボカドなどがおすすめ。主食が摂れない分、こういった食事は制限する必要がないのがケトーシスの特徴だ。ケトン体は中鎖脂肪酸から効率的に作られるので、1日に30gほどのMCTオイルを摂取するのもよいだろう。
3. ケトジェニックダイエットのメリットやデメリット

ケトーシスならではの食事制限の期間を経て、ケトーシス状態になってダイエットをすることをケトジェニックダイエットともいう。ダイエット方法は人によって合う、合わないがあるように、ケトジェニックダイエットにも当然のことながら、行ううえでのメリットやデメリットがある。ケトーシスが自分に合ったスタイルなのか、ここで事前に確認しておくことをおすすめしたい。
ケトジェニックダイエットのメリット
ケトジェニックダイエットのメリットは、まず空腹感がないことだ。食事制限の多くは、空腹感との戦いになるケースが多く、食べたい気持ちに負けてダイエットを挫折してしまうことも。ケトジェニックダイエットの場合は、脂質が自由に摂れるため比較的ストレスが少なく、またケトン体が優位になることで血糖値が安定するため、満腹感が得られやすくなるのだ。
次のメリットは、頭が冴えることである。食後にすぐ眠くなった経験がある方は多いだろう。この理由は、食事で糖質を多く摂ることで血糖値が急激に上がり、血糖値を元に戻すためのインスリンが働きすぎることにより、低血糖状態になるためである。低血糖になると脳の働きが弱くなり、結果食後の眠気を引き起こす原因となるのだ。ケトジェニックダイエットでは糖質を摂らないので、食後でも眠気を感じることなく、常に頭がすっきりとした状態を保ちやすいのである。
そしてケトジェニックダイエットを行う最大のメリットとは、体重が落ちやすいことである。正しい方法で行えば、筋肉量はそのままに脂肪だけを落とせるので、比較的短期間で効率的なダイエットが可能だ。つまり前項でコツを述べたように、いかに短期間でケトーシス状態になれるかという部分が重要なのである。
ケトジェニックダイエットのデメリット
こう見てみると、たくさんの魅力的なメリットがあるケトジェニックダイエットだが、デメリットもあることを理解しておかなければいけない。まず、ケトーシス状態ではどうしても食物繊維が不足しやすいので、便秘が起こりやすくなる。つらい便秘に悩まされては、ダイエットのモチベーション低下の大きな原因になるので、水溶性食物繊維を活用するなど、工夫したい。
次に、体臭の問題もケトジェニックダイエットではよく見られるケースである。脂質をメインで摂り続けるダイエットのため、ケトーシス特有の体臭が気になるという声は多い。必ず体臭が変わるわけではなく、ここでも個人差はあるが、ケトジェニックダイエットのデメリットの一例として頭に入れておきたい。
最後に、ケトジェニックダイエットの最大のデメリットとして挙げられるのは、お金がかかることである。脂質がメインの食材はどうしても値段が高くなるので、食費が高くなることは必然的なことだ。食費はなるべく削ってダイエットを行いたいという方には、あまり向いていないだろう。
結論
ケトーシスとは、一般的な糖質制限とは異なり、脂質をメインで摂ることで痩せ体質を作るダイエットであることを紹介した。厳しい食事制限ではどうしても持たないという方には、ぴったりの方法といえる。コツを守れば短期間でのダイエット効果にも大きく期待できるので、新たにダイエットを試してみようと考えている方は、ケトーシスにトライしてみてはいかがだろうか。