目次
1. そもそも準備運動・ウォームアップとは?

はじめに、そもそも準備運動やウォームアップとは何なのか、その基本的な部分から解説する。筋トレ前になぜ準備運動を行うのか、その本質をあらかじめ理解しておくことは重要なポイントだ。
準備運動とは、運動や筋トレによる怪我の防止や、行う前の身体の準備、また運動や筋トレに対する能力を最大限に発揮できる状態を作ることが目的とされている。身体を温めて、心拍数を上げるウォームアップという言葉の意味通り、準備運動を行うことで筋や関節が温まり、関節可動域が広くなることで、運動パフォーマンスの向上に期待できる。さらに、心拍数が上がることで心臓や肺への急激な負担を軽減することもできるのだ。
身体が硬い状態で運動や筋トレを行うと、身体が温まるまで時間を要するだけでなく、急な負荷に耐え切れずに怪我をしてしまうこともある。すぐにベストな状態で取り組めるように、準備運動は入念に行うことを心がけよう。
2. 筋トレ前に準備運動をする主なメリット

本項では、筋トレ前に準備運動をする主なメリットをいくつか紹介する。前項で触れた点でもあるが、それぞれより細かく解説していこう。
その1.体温が上昇する
準備運動を行うと体温が上昇するので、血管が拡張して、酸素の供給がスムーズに行われるようになる。また、体温の上昇に伴って筋温も上昇するので、筋肉や関節の動きもよくなり、より効果的に筋トレを行えるのだ。
その2.関節可動域が広がる
筋温が上昇して筋肉や関節の動きがよくなると、関節可動域が広くなる。関節可動域が広くなれば、筋トレ中に極端な身体の伸展やねじれが起きたとしても、怪我が起こりにくくなるのだ。無理な筋トレによる肉離れや、腱断裂といった怪我はよく見られるケースなので、しっかり準備運動で対策するようにしたい。
その3.心臓や肺への負担が減る
準備運動のような軽い運動から徐々に身体を動かすことで、心拍数や血流量が少しずつ上がっていくので、心臓や肺への負担を軽減できる。準備運動なしでハードな筋トレを行うと、その分心拍数も急激に上がり、心臓や肺への負担が大きくかかる原因となるので、十分注意しよう。
3. 筋トレ前にはどんな準備運動を行えばいい?

準備運動にもさまざまなバリエーションがあるが、筋トレ前に適した準備運動とは、一体どのようなメニューなのだろうか。本項では、筋トレ前におすすめの準備運動の例を、いくつか紹介していこう。
その1.軽い有酸素運動・全身運動
軽い有酸素運動や全身運動は、筋トレ前の準備運動にぴったりである。ダイエット目的で筋トレを取り入れたい方にもおすすめの組み合わせだ。軽い有酸素運動や全身運動としては、ジョギングやサイクリング、縄跳びなどが挙げられる。また、準備運動の時間は5分ほどで問題ない。ここで注意したいのが、無理には行わないことだ。たとえば、ジョギングのスピードを上げすぎると、それは有酸素運動ではなく、無酸素運動になる。ここまでしてしまうと、身体に負担をかけることになってしまうので、有酸素運動や全身運動を行う際は、必ずゆっくりとしたペースで、息が切れない程度で行うことを心がけよう。
その2.ダイナミックストレッチ
ダイナミックストレッチとは、動的ストレッチや、アクティブストレッチとも呼ばれる準備運動である。動きながら身体をほぐすストレッチであり、誰もが経験したことのあるラジオ体操は、ダイナミックストレッチの一種といえるだろう。主に筋トレで鍛えたい部位の可動域を広げることを目的に行う。反対に動きがなく、長い時間じっと筋肉を伸ばして行う静的ストレッチは、ダイナミックストレッチの対義語にあたる。
その3.軽い負荷での筋力トレーニング
その日に行いたい筋トレと同じ動作、もしくは似た動作を、軽い負荷で行うこともよい準備運動になる。身体が温まるだけでなく、本番の予行練習代わりにもなるので、フォームの確認動作としてもおすすめだ。バーベルやダンベルを使った筋トレを行う前であれば、自重トレーニングで同じ動作を行えばよい。ただし、準備運動で行った分は本番のセット数には加えないように注意しよう。
4. 筋トレ後は整理運動・クールダウンもしよう

筋トレ前の準備運動が大事であるように、筋トレ後の整理運動で身体をクールダウンさせることもまた、重要なポイントである。準備運動とあわせて、整理運動についても理解を深めておこう。
筋トレ後に整理運動を行うと、筋肉の疲労回復や傷害予防などに高い効果が期待できる。また、筋トレの運動強度が高いほど、急な運動の中止は血液の循環を妨げる原因にもなるが、整理運動によって少しずつ身体をクールダウンさせることにより、血流改善にも効果が見込めるのだ。身体への負担を抑え、筋トレの疲れを次の日に残さないためにも、準備運動に加え、ぜひ整理運動も積極的に取り入れたい。
結論
筋トレ前の準備運動にはたくさんのメリットがあり、その方法にもさまざまなバリエーションがあることを解説した。筋トレのパフォーマンスをさらに向上させるためのキーポイントは、準備運動であるといっても過言ではない。筋トレ後の整理運動も含めて、筋トレ時の習慣として正しく準備運動を取り入れてもらいたい。