目次
1. カルニチンとは

カルニチンという名前を聞いたことがあっても、どのような物質なのか説明できない方もいるだろう。ここでは、カルニチンはどのような物質なのかを解説しよう。
アミノ酸由来の物質
カルニチンは、体内にある細胞のほとんどに存在している物質だ。脂肪酸をミトコンドリア内へ運び、身体を動かすエネルギーを生産している。生命の維持にとても重要な仕事をこなしている栄養素なのだ。(※1)
脂肪燃焼に欠かせないのが「L-カルニチン」
カルニチンは、脂肪酸をエネルギーとして燃やすサポートをしている。そのため、脂肪燃焼をしたい方にとっても注目したい物質といえるだろう。
2. カルニチンが含まれている食べ物は?

ここからは、カルニチンが含まれている食べ物や1日の摂取量の目安について紹介していこう。
カルニチンが摂れる食べ物と含有量
健康な身体であれば、1日に必要な量のカルニチンが腎臓や肝臓で生成されるといわれている。そのため、意識して食事から摂取する必要はないだろう。また、必要以上のカルニチンを摂取している場合は、体内に溜め込まずに排出される。(※2)
食べ物からの摂取も可能で、豊富に含まれているのは、肉類や魚類である。たとえば、約113gの牛ひき肉には87~99g程度、約113gの牛ステーキには56~162mg程度のカルニチンが含まれている。ほかにも、牛乳やアボカドなども、カルニチンが摂れる食品だ。
1日の摂取量の目安
個人差はあるが、通常の食事をしている方でおおよそ60~180mg程度のカルニチンを食事から摂取しているといわれている。また、食事からの摂取に加え、健康な成人であれば必要なカルニチンは体内で生成されている。そのため、全米アカデミーズ(旧米国科学アカデミー)の食品栄養委員会であるFNBは、基準となる摂取量をとくに決めていない。(※3)
3. カルニチンはサプリメントで補うべき?

カルニチンのサプリメントは多く販売されているので、ドラックストアで見かけたことがあるという方もいるだろう。体内で生成され、食べ物からも摂取できるカルニチンは、サプリメントで補う必要があるのだろうか。ここからは、カルニチンのサプリメントについて詳しく解説していこう。
健康な人であればサプリメントは不要?
基本的に、健康な方であればカルニチンのサプリメントを飲む必要はないといわれている。また、アスリートにカルニチンを飲ませる研究を行った際にも、パフォーマンスが向上したという結果は得られなかった。(※4)
ただし加齢によって減少するといわれている
体内で生成されるカルニチンは、加齢とともに減少するといわれている。そのため、ご高齢の方がカルニチンを摂取したときの影響について研究が行われている。
カルニチンを過剰摂取した場合のリスクとは
健康な方はカルニチンを意識して摂取する必要はないが、摂りすぎには注意したほうがよいだろう。なぜなら、カルニチンを1日に約3g以上摂取した場合には、嘔吐や吐き気、体臭の悪化、下痢などを引き起こす可能性があるからだ。(※5)カルニチンを含む食べ物やサプリメントを、むやみに摂りすぎないように心がけてほしい。
4. カルニチンについて正しい知識を身につけておこう

カルニチンは、生命維持をするエネルギーを作り出す大切な栄養素だ。しかし、健康な成人であれば、体内で十分な量が生成されているため、無理に食事やサプリメントで補う必要はない。また、カルニチンを過剰摂取すると体調不調を引き起こす可能性もあるので、気を付けてほしい。
カルニチン以外にも健康な身体をキープするために必要な栄養素はたくさんある。そのため、できるだけバランスよい食事を心がけ、栄養の過不足がないように心がけよう。食事は健康な身体のベースとなるものなので、正しい知識を身に着けてほしい。
結論
今回は、カルニチンの働きや摂取する量について解説した。カルニチンは内臓で作り出されるものだが、肉や魚などの食品にも含まれている。カルニチンに加え、ほかの栄養素もバランスよく摂取しながら、より健やかな身体を目指してほしい。
(参考文献)
※1、2、3、4 厚生労働省eJIM「海外の情報 カルニチン」