目次
1. タンパク質とはどんな働きをする栄養素なのか?

タンパク質は、体内でさまざまな働きをしていて、健やかな身体に欠かせない栄養素だ。ここでは、タンパク質の働きを紹介していこう。
タンパク質の働き
体内には数万種類のタンパク質が存在しているといわれている。タンパク質は、アミノ酸と結合して、爪や内臓、髪などを作っている。ほかにも、栄養を運んだり免疫のサポートをしたりしている重要な成分だ。
2. タンパク質を過剰摂取した場合のリスクとは?

厚生労働省は、タンパク質の上限量を設定していない。(※1)しかし、タンパク質の過剰摂取が人体へ及ぼす影響の研究は行われている。ここからは、タンパク質を過剰摂取した場合に考えられるリスクを紹介していこう。
肝臓や腎臓への負担が大きくなる
消化されたタンパク質は、肝臓や腎臓によって処理されている。そのため、タンパク質を過剰に摂取していると、内臓に負担がかかる可能性がある。ただし、タンパク質を中期的に摂りすぎても、腎臓への影響は確認されていない。(※2)
カロリーオーバーにつながる
タンパク質には、1gあたり4kcalが含まれている。(※3)そのため、タンパク質を過剰に摂取すると、カロリーオーバーしてしまう可能性もあるだろう。カロリーを摂りすぎると、余ったエネルギーは脂肪としてため込まれる。もちろん、タンパク質の量だけでなく、1日のカロリー摂取量を考えて食事を組み立てよう。
腸内環境の乱れを招く
腸には悪玉菌と善玉菌、どちらでもない菌の3種類が存在し、バランスをとっている。しかし、タンパク質や脂質を過剰摂取すると、悪玉菌が増加する可能性がある。(※4)
糖尿病や心血管疾患の発症リスクが高まる
タンパク質を過剰摂取すると、糖尿病や心血管疾患の発症リスクが高まるという研究結果もある。(※5)まだ研究途中のデータではあるが、覚えておくとよいだろう。
3. タンパク質の過剰摂取を防ぐには?

厚生労働省はタンパク質の上限量を設定してはいないが、食事摂取基準を公表している。ここでは、タンパク質の過剰摂取を防ぐために、摂取量の目安を紹介していこう。
タンパク質の摂取目安量
厚生労働省によると、18歳以上の男性に推奨しているタンパク質の摂取量は1日60gである。(※6)どのくらいのタンパク質を摂ればよいのか悩んだら、この数値を基準にするとよいだろう。
高タンパク・低カロリーの食事を心がける
脂質の多い肉や魚からタンパク質を摂取しようとすると、おのずと高カロリーの食事になってしまうだろう。健康のためにタンパク質をとっているのに、カロリーオーバーをして太ってしまっては本末転倒だ。
カロリーオーバーにならないようにするには、タンパク質量が多くカロリーが低い食材を上手に使おう。タンパク質の量を意識しつつ、低カロリーな食事を心がけてほしい。
4. タンパク質の適正量を知って過剰摂取を防ごう

タンパク質は、健康な身体をキープするために必要な栄養素だ。しかし、過剰摂取すると身体によくない影響を与えるという研究結果もある。そのため、タンパク質を正しく取り入れることが、健やかな身体を作るポイントのひとつといえるだろう。
結論
タンパク質は、肉や魚、大豆製品などに多く含まれているので、毎日の食事に上手に取り入れよう。不足や過剰摂取のないよう、目安となる摂取量を知っておくことが大切だ。また、タンパク質以外にも健康をキープするために必要な栄養素はたくさんあるので、タンパク質だけを摂るのではなく、栄養バランスのよい食事を意識してほしい。栄養バランスを考えた食事で、より健やかな状態を目指そう。
(参考文献)
※1、2、5、6 厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 たんぱく質」
※3 農林水産省「考える やってみる みんなで広げる ちょうどよいバランスの食生活」
※4 厚生労働省e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」