目次
1. ダイエット中の停滞期とは?

ダイエットに励んでいると、はじめは順調に体重が落ちていたのに、しばらくするとあまり体重が減らなくなってしまう。この体重減少が鈍くなる期間が、ダイエット中の「停滞期」なのだ。
停滞期は人間の身体に起こる自然な現象であるが、ダイエット中の人にとっては焦りや戸惑いを感じてしまうだろう。
停滞期が訪れるのは一度とは限らず、数kg減量するごとにたびたびやって来ることもある。
2. 停滞期の原因やタイミング

なぜダイエット中に停滞期が起きてしまうのだろうか。また、停滞期はどのくらいの期間続くのだろうか。
ダイエットのモチベーションを保つためにも、停滞期の原因やタイミングを知っておいて損はないはず。詳しく見ていこう。
なぜ停滞期は起きてしまうのか?
停滞期の原因は、「ホメオスターシス(※1)」という生命を維持しようとする仕組みにある。ホメオスターシスは、体温を一定に保ったり飢餓状態を防いだりと、身体を守るための機能だ。
ダイエット中は、摂取カロリーが少なくなりがちになるため、体重減少を食い止めようとホメオスターシスが機能し始め、効率よく食事からエネルギーを吸収しようとする。さらに、運動や基礎代謝によるエネルギー消費量を抑えてしまう傾向も。結果的にホメオスターシスが機能することで、食事制限や運動を頑張っても体重が思うように減らなくなってしまうのだ。
ほかにも、食事制限によってタンパク質摂取量が減少し、筋肉量が落ちてしまうことも一因である。筋肉量が落ちると、基礎代謝が低下し、消費できるエネルギーも減ってしまう。カロリーがなかなか消費できないと、おのずと体重も減りにくくなってしまうだろう。
いつからいつまで停滞期は続くのか?
停滞期のタイミングは、個人差がある。しかし、ダイエット開始から1ヶ月経った頃や、元の体重から5%ほど減量した頃に停滞期が訪れやすい。期間は、2週間から1ヶ月程度続くケースが多い。中には、2ヶ月続く人もいるようだ。
停滞期は数kg減量するごとに訪れる。しかし、永遠に続くわけではない。3ヶ月以上停滞期が続くようなら、ダイエット方法を見直す必要があるだろう。
3. ダイエットの停滞期の過ごし方

停滞期をどう過ごし、乗り越えていけるかがダイエットを成功に導くカギを握っているといっても過言ではない。ここで紹介する方法を参考に、停滞期を乗り越えてもらいたい。
その1.ダイエットの強度を落とす
ダイエットの強度を落とすことで、停滞期が過ごしやすくなるだろう。というのも、停滞期中の有酸素運動は体内の脂肪をエネルギーに変換しにくい。
とくに、ジョギングやスイミングといった有酸素運動の強度を落とすことがおすすめすだ。
その2.水分をしっかりと摂る
停滞期は、積極的に水分を補給しよう。水分を補給することで、尿と一緒に老廃物が体外に排出されやすくなる。また、排出された分の水分を補うことで、新陳代謝の向上にもつながるだろう。
飲む量は、1日2Lが目安だ。飲むものが冷たすぎるのはNG。水分が冷たいと内臓が冷え、消化機能の低下を招きかねない。常温のものや白湯がおすすめである。
その3.栄養バランスを整える
停滞期は、少ないエネルギーでも吸収しやすい身体になっている。そこに注目し、ダイエットに役立つ栄養素を積極的に摂取するのもいいだろう。
ダイエットには、タンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルの摂取が望ましい。これらが摂取できる肉や魚類、野菜、キノコ類などをバランスよく食べることを心がけよう。
その4.しっかりと睡眠を取る
しっかり睡眠時間を確保することも重要だ。睡眠不足は、代謝量の減少やストレスの蓄積を招きかねない。また、睡眠中に分泌される成長ホルモンは、ダメージを受けた筋肉を修復するともいわれている。
質の高い睡眠を目指し、睡眠前のテレビの視聴やスマートフォンの使用を控えるのもいいだろう。
その5.チートデイを試してみる
チートデイとは、食事を制限せずに好きなものを食べていい日のことである。チートデイを設けることで、ストレスの解消につながる。加えて、飢餓状態でないことを身体に知らせられるのだ。
ただし、頻繁にチートデイを設けてしまってはカロリーがオーバーしてしまう。チートデイは、多くても週1日に留めておこう。
4. ダイエットの停滞期のNG行為

続いては、ダイエット中の停滞期に避けたい行為について説明していく。これらを頭に入れておくことで、ダイエットが失敗してしまうリスクを減らせるはずだ。
その1.より過度なダイエットをする
思うように体重が減らないからといって、強度の強い運動に励んだり、運動量を増やしたりするのはよくない。より一層身体が飢餓状態だと認識してしまう恐れがあるからだ。
停滞期に過度なダイエットはせず、無理なく運動を継続することが大切だ。
その2.暴飲暴食などに走ってしまう
チートデイだからといって、暴飲暴食に走ってしまうのはNGである。チートデイの目的は、ストレス解消と身体に飢餓状態でないことを知らせることだ。度を超えた飲食で、摂取カロリーがオーバーしてしまっては、元も子もない。
チートデイの摂取カロリーは、基礎代謝量の3倍くらいまでに抑えておこう。
その3.ダイエットを諦めてしまう
体重が減らないともどかしく、ストレスにもなりがちだ。ダイエットをやめようかと脳裏によぎることもあるかもしれない。しかし、停滞期中にダイエットを諦めてしまうと、リバウンドしてしまう可能性がある。いままでの努力が水の泡となってしまうこともあるだろう。
ダイエット中の停滞期は誰しもに起こりうること。停滞期は当たり前のことと捉え、諦めずにダイエットを続けてほしい。
結論
ダイエット中に体重が減りにくい停滞期が訪れると、ストレスになってしまうだろう。しかし、停滞期の原因や期間を把握していれば、その先も見えてくるはず。
(参考文献)
※1:厚生労働省 生理