目次
- 1. ヘンププロテインとは?
- 2. ヘンププロテインに含まれる栄養素
- 3. ヘンププロテインの効果
- 4. ヘンププロテインに副作用はある?
- 5. ヘンププロテインの目的別の飲み方
- 6. ヘンププロテインのおすすめレシピ
1. ヘンププロテインとは?

ヘンププロテインとは、ヘンプシード(麻の実)を粉末状にした植物性のプロテインだ。麻は肥料や農薬を使わず育つほど生命力が強い植物で、古くから人々の生活に密着してきた。その種であるヘンプシードには、たんぱく質をはじめ食物繊維やミネラル、必須脂肪酸が豊富に含まれており、欧米を中心に今スーパーフードとして注目されているのだ。ヘンプシードの栄養をそのまま摂取できるヘンププロテインも、栄養価の高い新たなプロテインとして広がり始めている。
普通のプロテインとの違い
代表的なプロテインといえば、牛乳を原料としたホエイプロテイン・カゼインプロテイン、大豆を原料としたソイプロテインなどだ。これらのプロテインは、製造過程で分離や加熱などの科学的な処理を行い、ビタミンなどの栄養素を加えたりフレーバーをつけたりして商品化されている。
一方、ヘンププロテインは化学処理を施さず、ヘンプシードをそのまま粉末状にすりつぶして作られている。そのため麻の実の栄養価が損なわれず、丸ごと摂取できるのが特徴だ。色も自然なままのグリーンで、麻の実本来のナッツのような風味をしているため、既成のプロテインの添加物や甘みが気になる方にはぴったりといえる。またオーガニック志向、アレルギーのある方にも安心して飲みやすいプロテインなのである。
2. ヘンププロテインに含まれる栄養素

ヘンプシードの栄養を余すことなく摂れるヘンププロテイン。ここでは、ヘンププロテインにどのような栄養素が含まれているのか詳しく見ていこう。
タンパク質
ヘンププロテインの主要な栄養素は、もちろんタンパク質である。ヘンププロテインに含まれる栄養素のうち、およそ50%がタンパク質だ。なかでもエデスチンという吸収にすぐれたタンパク質が多く含まれており、動物性プロテインに比べ消化の負担が少ないという特徴がある。また、体内で合成できない必須アミノ酸9種類もすべて含まれており、効率的な身体づくりが期待できる。
ミネラル
ヘンププロテインには、赤血球や骨、歯を形成したり身体のさまざまな機能を調整するのに不可欠なミネラルも豊富だ。ミネラルも外部から補う必要がある成分だが、ヘンププロテインには鉄、マグネシウム、亜鉛といったミネラルがバランスよく含まれており、不足しがちなミネラル補給にも役立つ。
食物繊維
ヘンププロテインの栄養素のうち20~25%は食物繊維である。食物繊維は血糖値の上昇を抑えたり、腸内環境を整えたりする健康維持には欠かせない成分だ。プロテインと食物繊維を同時に摂れるのもヘンププロテインの魅力である。
必須脂肪酸
ヘンププロテインには、血液をサラサラにしたり血圧を下げる作用を持つ必須脂肪酸(オメガ3・オメガ6)も含まれている。とくにヘンププロテインにはオメガ3とオメガ6がバランスよく含まれるとされており、健康・美容によい効果をもたらしてくれるのだ。
3. ヘンププロテインの効果

複数の栄養素をバランスよく摂れるヘンププロテインには、どのような効果を期待できるのだろうか。ここでは、ヘンププロテインを飲むメリットについて見ていこう。
ダイエット効果
ヘンププロテインには、食後の血糖値の上昇を抑える働きのある水溶性食物繊維が豊富だ。血糖値の上昇を抑えることで、糖を脂肪に変える性質を持つインスリンの分泌も抑えられ、食事による脂肪の蓄積を予防できる。また粘着性のある水溶性食物繊維は胃腸内を緩やかに移動するため、満腹感が持続するのもポイントだ。食前に飲めば、食べ過ぎを防ぐことにもつながるだろう。
筋力の増強
消化・吸収されやすいタンパク質が含まれるヘンププロテインは、筋力の増強もサポートしてくれる。必須アミノ酸9種類の含有量は動物性タンパク質と同等ともされており、日常的に筋トレやスポーツをしている方におすすめだ。筋肉の合成に必要なBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)も豊富なため、筋トレ前に摂取しておくのもよいだろう。
腸内環境の正常化
ヘンププロテインの食物繊維のうち約2割は、水に溶けない不溶性食物繊維である。不溶性食物繊維は水分を吸収して大きく膨らみ、腸内を刺激することで通便を促す作用がある。またヘンププロテインに含まれるマグネシウムも便を柔らかくするため、便秘の改善が期待できる。さらに水溶性食物繊維が善玉菌のエサになる、便とともに有害物質の排出が進むなどの効果から腸内環境の正常化が期待できるといわれている。
4. ヘンププロテインに副作用はある?

ヘンプ(麻)というと大麻が連想され、ヘンププロテインにも何らかの精神的な副作用があるのでは?と心配になる方もいるだろう。確かにヘンプは大麻草と同じアサ科アサ属の植物だが、精神をハイにするTHCという成分が含まれていないのが特徴だ。そのためマリファナのように精神に影響を与えることはなく、副作用の心配もない。厚生労働省の許可を得て輸入されている安全な食品であり、アレルギーの可能性も極めて低い植物だ。
ただほかのプロテインと同じく、摂りすぎればお腹が緩くなったりタンパク質の過剰摂取になったりするなど、デメリットはある。推奨量を守って使用するようにしよう。
5. ヘンププロテインの目的別の飲み方
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ヘンププロテインをダイエット・筋トレに活用する場合の、それぞれの効果的な飲み方も紹介しよう。
ダイエット目的の場合
食物繊維が豊富なヘンププロテインは腹持ちがよいため、ダイエット目的なら間食や食前に飲むのがおすすめだ。いつものおやつをヘンププロテインを使ったスイーツに替えれば、カロリーカットにつながるだろう。置き換えダイエットに活用すれば、ダイエット中に不足しがちな栄養素を補いながら美容面もサポートしてくれる。ただすべてをヘンププロテインに置き換えたりはせず、栄養バランスを整える目的で飲むことが大切だ。
筋力アップの場合
筋力アップを目的とする場合、ヘンププロテインはタンパク質の吸収率がよい運動後30分以内に飲むと効率的だ。このタイミングで飲むことで、タンパク質がすばやく吸収され筋肉を修復・増強してくれる。筋肉の分解を防ぐBCAAの効果を活かしたいなら、筋トレ前に飲むのもよいだろう。また、就寝前に飲むことで睡眠中の筋肉の合成をサポートする効果も期待できる。タンパク質が枯渇している朝に飲むのもよいとされる。
6. ヘンププロテインのおすすめレシピ

ヘンププロテインは甘味料を使わない自然のままの風味なので、スイーツから普段の食事のトッピングまで幅広くアレンジできるのが魅力だ。ここでは、簡単にできるヘンププロテインのおすすめレシピを紹介しよう。
ジュースに入れて飲む
ヘンププロテインをお好きなフルーツ・野菜と一緒にミキサーにかければヘルシーな手作りジュースの完成だ。おすすめはバナナ1本、豆乳150ccにヘンププロテイン15gを加えてミキサーにかけるレシピである。ヘルシーで腹持ちもよいため朝食にもぴったりだ。ハチミツで甘みをプラスしても◎。
団子にして食べる
ヘンププロテインを団子状に丸めれば、きな粉のような食感のお手軽なスイーツになる。ヘンププロテイン15gに黒糖大さじ1、アマニ油やオリーブ油などを大さじ1/2加えてよく混ぜ、適当な大きさに丸めよう。仕上げにお好みでゴマやきな粉などをトッピングすれば完成である。
結論
タンパク質、食物繊維やミネラル、必須脂肪酸をまとめて摂れるヘンププロテイン。新たなプロテインの1ジャンルとして魅力を感じた方もいるだろう。筋トレやダイエットに活かしたい方はもちろん、バランスよく栄養を補う目的で飲んだり、子どもや高齢者の食事にプラスするのもおすすめだ。通販などで簡単に手に入るので、気になる方は試してみてはいかがだろうか。