1. 黒スーツはビジネスシーンで着用してもいい?
そもそも黒スーツはビジネスシーンでも着用できるのかという疑問から、まずは解決していこう。黒スーツと聞くと、冠婚葬祭などフォーマルな場面をイメージする方は多いだろうが、実際はどうなのだろうか。
ビジネスシーンでも着用できる
日本では、黒スーツはビジネスシーンでも着用OKである。黒スーツがビジネスシーンで一般的なスタイルになった経緯は、リクルートスーツに黒が採用されるようになってからとされる。就職活動の流れから、そのまま新入社員が黒スーツを着用するようになり、ビジネスシーンでも浸透していったのだ。
ただし、とくに欧米では、ビジネスマンが黒スーツを着用するのはNGとされている。黒スーツは冠婚葬祭で着用するものという決まりがあり、ビジネスシーンでは着用しないことが常識となっているので、海外出張の際は十分注意しておきたいポイントだ。
黒スーツが与える印象
黒スーツは冠婚葬祭などのフォーマルなイメージが強いように、上品で落ち着いた印象をはじめ、ビジネスシーンの場合、気品あふれる男らしい印象も与えられる。またビジネスシーンで黒スーツを着用するのは日本独自であることから、日本人らしさもアピールできるるだろう。
黒スーツと礼服の違い
同じ黒スーツでも、ビジネススーツと礼服には大きな違いがある。まず、それぞれの色の濃さから見てみよう。礼服の場合、黒の色味が深いことが特徴だが、ビジネススーツの場合、グレーがかったような明るさがある。一見すると同じでも、明るい屋外で見比べるとわかりやすい。生地の光沢からも違いが見分けられる。礼服の生地には光沢がないものの、ビジネススーツの生地には光沢があることが特徴だ。光沢も見比べるとわかりやすい部分なので、よく覚えておきたい。
またビジネススーツの場合、礼服とは異なりさまざまな色のネクタイと合わせても失礼がない。礼服の場合、結婚式では白やシルバーのネクタイ、葬儀や通夜では黒のネクタイが基本だが、ビジネススーツではネクタイをアクセントとして着こなしを楽しめるのだ。
2. 黒スーツに合うネクタイの色
黒スーツのようなシンプルな色のスーツは、どのようなネクタイとも相性がよく、自由度の高いコーデが楽しめることが特徴だ。ネクタイの存在感をアピールしやすいので、ネクタイの色が持つ印象を、相手にはっきりと与えられる。では、黒スーツに合うネクタイの色とそれぞれの特徴を紹介していこう。
黒ネクタイ
ベーシックな黒ネクタイは、モード感のあるシャープな印象を与えられる。ただし黒で統一しすぎると重いイメージを持たれやすいので、黒スーツと合わせる際は、柄の入った黒ネクタイを選んだり、ポケットチーフなどの小物を取り入れるなど、アレンジを加えるのがポイントだ。
赤ネクタイ
赤ネクタイは、情熱的でパワフルな印象を与えられる。ビジネスシーンでは、ここぞというプレゼンの日や、営業の際に選ぶようにしたい。また、リーダーシップを発揮したい場面でも活躍するだろう。
紺ネクタイ
紺ネクタイは、知的で真面目な印象を与えられることから、ビジネスシーンでは定番のネクタイとして親しまれている。どのような場面で使っても失礼がなく、落ち着いた印象を与えられるので、1本は持っておきたいネクタイだ。
青ネクタイ
青ネクタイは、紺ネクタイよりも鮮やかなので、フレッシュで若々しいイメージも与えられる。目上の相手と商談するようなシーンにもぴったりである。
グレーネクタイ
グレーネクタイは、穏やかで冷静な印象を与えられる。また、黒スーツとグレーネクタイはどちらも主張しない色なので、合わせることで相手に警戒心を抱かれにくい点も特徴だ。
シルバーネクタイ
シルバーネクタイは、美しい光沢が特徴である。黒スーツとの相性はバツグンだが、その華やかな雰囲気から、ビジネスシーンではなく、結婚式やパーティーなどのシーンに最適といえるだろう。
茶色ネクタイ
茶色ネクタイは、堅実で落ち着いた印象を与えられる。温厚で安心感のあるイメージなので、ビジネスシーンにもぴったり。また、大人の余裕を見せられることも特徴だ。
緑ネクタイ
緑ネクタイは、比較的どの色のスーツとも合わせやすいが、黒スーツと合わせると、暖かみのある春らしいコーデに決まる。大人の包容力に加え、フレッシュな清潔感もある印象を与えられるだろう。
紫ネクタイ
紫ネクタイは、大人の色気ある雰囲気を演出できるものの、ネガティブなイメージも持たれやすいので注意したい。あまり派手な柄のものはビジネスシーンでは選ばないなど、時と場合に応じたコーデを意識しよう。
黄色ネクタイ
黄色ネクタイは、陽気でポジティブな印象を与えられる。自分を明るく見せられることから、話しやすい雰囲気作りがしやすく、初対面の相手と会う日にもおすすめだ。
3. 黒スーツに合うシャツの選び方
最後に、黒スーツに合うシャツの選び方について解説する。ネクタイ選びだけでなく、シャツの色柄や襟型にもこだわってみよう。
シャツの色の選び方
黒スーツに合わせるシャツの色は、シンプルな白はもちろん、さわやかなサックスブルーもおすすめだ。黒スーツは、基本的にはどのような色のシャツとも合わせやすいが、とくにビジネスシーンでは、黄色やピンクといったカラーシャツはカジュアルな印象を与えるので、避けておくのがベター。
シャツの柄の選び方
黒スーツに合わせるシャツの柄は、無難な無地やストライプ柄をおすすめしたい。ほかにはドット柄や小紋柄など、バリエーションはさまざまだが、チェック柄はとくにカジュアルな印象が強いので、ビジネスシーンでは使わないようにしたい。
シャツの襟型の選び方
黒スーツに合わせるシャツの襟型は、レギュラーカラーやワイドカラーなど、シンプルなデザインを選ぶようにしたい。ボタンダウンやラウンドカラーなど、凝ったデザインが施された襟型は、黒スーツとはあまり相性がよくないので注意しておこう。
結論
黒スーツは冠婚葬祭だけでなく、ビジネスシーンでも問題なく着用できる。さまざまな色のネクタイと相性がよい。これから黒スーツの着用を考えている方は、ぜひ本記事の内容を今後の着こなしの参考にしてもらいたい。