1. 手のひらのツボの押し方
手のひらのツボを効果的に刺激するために、ツボの押し方の基本から説明しよう。
呼吸しながら6秒かけて押す
ツボは3秒で押して3秒で戻す、つまり6秒ほどかけてゆっくり押すのが基本とされている。手のひらの場合は、親指の腹で上から真っすぐ押すようにすると刺激しやすい。また、押すときに息を吐き、戻すときに息を吸うことで、余計な力が入らずツボに力を伝えることができる。
痛いけど気持ち良い程度の力で押す
ツボを強く押しすぎると筋組織を損傷してしまう恐れもあるため、「痛いけど気持ちいい」程度の力で押すことが大切だ。じんわりと痛みを感じるほどの、ほどよい力加減を意識しよう。痛いと感じる場合その部分に不調があるとされるが、苦痛なほど痛かったり、あざになったりする場合は力の入れすぎである。
左右両方のツボを押す
ツボは「経路」という通り道によって身体のさまざまな部分とつながっており、身体の右側の不調には右手のツボ、左側の不調には左手のツボが効くとされている。不調のある場所によって、左右両方のツボを押したり、左右を押し分けたりするとよいだろう。
2. 手のひらにあるツボの位置
手のひらにあるツボの位置と効果を紹介していこう。押しながら痛気持ちいいと感じる箇所を探していくのがポイントだ。
精神を安定させる神門(しんもん)
神門は、手首のシワと、小指の骨を延長したラインが交わるあたりに位置する。骨の盛り上がりの少し内側のくぼんだ場所を、親指で少し押し上げるように刺激しよう。精神の安定や、動悸やイライラの緩和などに効果的だ。
肩こりに効く後渓(こうけい)
後渓は、小指の付け根のやや下、手のひら側面の出っ張った部分にある。血のめぐりを改善し、肩こり・首こりに効くとされるツボである。
自立神経を整える労宮(ろうきゅう)
労宮は、手のひらの真ん中より少し上、手を握ったときに中指の先端が当たる部分に位置する。自律神経を整え疲労や倦怠感を緩和したり、頭痛や目の疲れなどを改善する効果がある。
胃腸に効く胃腸点(いちょうてん)
胃腸点は手のひらの真ん中よりも少し下、中指と薬指の中間を下にたどり生命線と交わるあたりにある。胃痛や胸やけ、膨満感など胃腸のトラブルに効き、食欲を抑える作用なども期待できる。
食べ過ぎや飲み過ぎに効く魚際(ぎょさい)
魚際は、親指の付け根のふくらみの側面、手のひらと手の甲の境目の少しへこんでいる部分にある。食べ過ぎや飲みすぎ、胃の疲れ、下痢、喉の痛みなどに効くツボである。
3. 手のひらのツボ押し効果を高めるコツ
手のひらのツボ押し効果を高めるコツは、押す時間帯や押す長さを意識することである。
おすすめの時間帯は夜
手のひらのツボはいつでも好きな時間に押すことができるが、迷ったら夜や寝る前に行うのがおすすめだ。手のひらをマッサージすることで脳の活動が抑えられ、リラックス効果がもたらされるとされており、夜にツボ押しをすることで質のいい睡眠をとることにもつながるだろう。
1日10分間を毎日続ける
ツボ押しの効果を高めたければ、ある程度継続して揉むことも大切だ。ひとつのツボにつき3~5分、トータルで1日10分程度の時間を手のひらのツボ押しにあてることで、より効果を実感しやすくなるだろう。時間がなければ1日数回に分けて行ってもOKだ。
結論
手のひらには、肩こりを緩和する・自律神経を整える・胃腸の不調を改善するなどのツボが存在する。いつでも気軽に押せるのが魅力なので、リフレッシュも兼ねて思い立ったときに押してみてほしい。ただ長時間のツボ押しはもみ返しや倦怠感を引き起こすこともあるので、ひとつのツボをあまり長く刺激しすぎないように注意しよう。