1. ワークジャケットとは?
はじめに、ワークジャケットとはどのようなものなのか、その基本的な特徴から解説する。ワークジャケットとは、その名称からわかる通り、元は作業着として着られていたジャケットであり、ワークウェアに分類されるジャケット全般を指す言葉である。19世紀のアメリカ開拓時代、鉱山などで働く人々のために作られた、丈夫さと動きやすさを兼ね備えたジャケットが、現在におけるワークジャケットのルーツとされている。1980年代以降、ワークジャケットはストリートウェアのひとつとしてブームを巻き起こし、その後はアメカジファッションの定番として、世界中で広く認知されている。
2. ワークジャケットの種類
ワークジャケットには、大きく分けると3種類ある。それぞれ同じワークジャケットでも異なる特徴があるので、混同しないようによく覚えておきたい。
カバーオール
カバーオールは、ワークジャケットの中でも最も歴史が古く、100年以上前に誕生したといわれる、定番の種類である。太めの糸で織り込まれたダック生地や、デニム生地が採用されるのが一般的であり、ごつごつとした手触りで、頑丈な作りとなっている。ボディのシルエットは太くまっすぐな寸胴型で、袖も太めの作りが特徴だ。また、襟付きであり、襟の生地にはコーデュロイ生地が採用されることが多い。カバーオールは多くのブランドから販売されているが、一番人気はカーハートである。
アクティブジャケット
アクティブジャケットは、アクティブパーカーとも呼ばれるように、フード付きであることが特徴だ。生地はカバーオール同様、ダック生地やデニム生地が採用されるのが主流である。ボディのシルエットは全体的に太めで、お腹の部分に大きめのカンガルーポケット、そして裾と袖口にはリブが入っている。とくに10~20代の若い世代から支持される種類であり、こちらも多くのブランドの中でも、カーハートがとくに人気が高い。
ブルゾン・ジャンパー
ブルゾン・ジャンパーは、ほかの種類に比べると薄手の作りであり、春や秋にもおすすめできるワークジャケットだ。メインの生地には、ポリエステルやレーヨンが採用されており、薄手の作りでも風を通さない生地感が特徴である。ボディのシルエットは寸胴型で、胸元にはフラップポケットが付いていることが多い。
3. ワークジャケットの着こなし方
ワークジャケットの着こなし方をマスターすると、タフで武骨な印象を、さらに魅力的に演出することができる。それぞれの着こなし方のポイントを頭に入れておこう。
サイズやシルエットを考慮する
ワークジャケットに限ったことではないが、サイズやシルエットを考慮することは、着こなしの基本である。サイズやシルエットが自分に合っていないと、ワークジャケットの場合、とくに野暮ったく見えてしまうので注意が必要だ。着こなしのバランスを考え、自分にぴったり合うものを選びたい。
重ね着で個性を出す
重ね着コーデで個性を出せる点も、ワークジャケットの楽しみ方のひとつである。ワークジャケットはボディや袖の幅にゆとりがあるので、重ね着をしやすいことが特徴だ。カバーオールにパーカーやスウェットシャツを組み合わせるなど、アメカジを意識したコーデがおすすめだ。
配色や差し色でメリハリを付ける
ワークジャケットは、カラーバリエーションも豊富だ。ベージュやネイビーなどの定番色をはじめ、差し色が映えるワークジャケットも多い。配色や差し色でメリハリを付けると、よりスタイリッシュな着こなしも楽しめるだろう。
4. ワークジャケットのメンズコーデ特集
最後に、おすすめしたいワークジャケットのメンズコーデ例を、紹介していこう。コーデのバリエーションを押さえ、ワークジャケットの着こなしの幅を広げてもらいたい。
ワークジャケット × デニムジャケット
ワークジャケットとデニムジャケットを重ね着すると、よりカジュアルに男らしさを演出できるコーデに仕上がる。ワークジャケットの武骨さはそのままに、野暮ったさは回避したコーデなので、キレイめに着こなしたい方に、ぴったりの組み合わせといえるだろう。
黒ワークジャケット × 黒オーバーオール
黒ワークジャケットと黒オーバーオールを組み合わせると、一体感のあるコーデに仕上がる。インナーで差し色を使ったシャツをのぞかせれば、よりオシャレ度がアップするのでおすすめだ。
ワークジャケット × カーゴパンツ
ブラウンやベージュのワークジャケットに、同系色のカーゴパンツを組み合わせれば、当時の雰囲気を現代に持ち込んだようなコーデに仕上がる。ここに現代風の小物をプラスすれば、野暮ったさが払拭され、洗練された印象になる。
デニムワークジャケット × デニムハーフパンツ
上下デニムコーデに抵抗感を持つ方もいるかもしれないが、デニムワークジャケットとデニムハーフパンツの相性はバツグンだ。セットアップ風の仕上がりで、カジュアルながら落ち着いた印象を与えられる。ワークジャケットの種類はカバーオールをおすすめしたい。
ワークジャケット × レザーブーツ
秋冬のワークジャケットコーデの足元には、レザーブーツがぴったりだ。ワークジャケットのくすんだ古着感と、光沢感のあるレザーブーツは相性がよい。足元が引き締まるコーデを意識したい方は、参考にしてみよう。
結論
ワークジャケットはそのイメージから、コーデの難易度が高いと思っていた方もいるだろう。しかし実際はさまざまな組み合わせが楽しめ、着こなしの自由度も高い、汎用性の高いジャケットなのである。アメカジファッションに興味がある方は、ぜひワークジャケットを取り入れてみることをおすすめしたい。